果皮色: 黒 ・ შავი ・ Black (red wine) grape varieties

ジョージアの黒ブドウ品種

ジョージアの黒ブドウ品種は、果肉まで色付くサペラヴィが栽培面積・生産量とも圧倒的で、ほかの品種は各地域に根ざした少量栽培や復興栽培が中心です。東部カヘティのサペラヴィは辛口赤から天然半甘口まで、北西部ラチャのアレクサンドロウリは半甘口赤フヴァンチカラを、西部の品種は軽やかな赤やロゼを生みます。ここでは、くわしく解説した6品種と、資料で確かめた12品種を、産地と栽培の状態とともに紹介します。

18品種

このページで紹介する、黒ブドウの品種。

くわしく解説した品種と、資料で確かめた品種を合わせた数です。ピンク色の果皮を持つ淡赤の品種も含みます。

5
淡赤の品種
17
マスターリストに載る名称
10
コレクション保存
3
歴史資料のみ

掲載品種は品種マスターリスト(2026年9月6日版)に基づきます。

01 — 主要品種

主な黒ブドウ品種。

果肉まで赤いサペラヴィから、半甘口の赤を生むラチャの品種、淡い赤やロゼになる西部の品種まで。気になる品種を選ぶと、その品種のページが開きます。

くわしく解説した6品種

味わい、合う料理、産地まで。国立ワイン庁などの公的な資料で1つずつ確かめて、テーマごとにまとめました。

サペラヴィ
Saperavi ・ საფერავი ・ VIVC 10708

果肉まで赤い、ジョージアを代表する黒ブドウ。濃い色なのに重すぎない赤ワインに。ムクザニ、キンズマラウリもこの品種。

黒カヘティ商業栽培くわしく解説
アレクサンドロウリ
Aleksandrouli ・ ალექსანდროული ・ VIVC 263

ラチャの黒ブドウ。甘いのに重くならない、半甘口の赤ワイン「フヴァンチカラ」を生む。

黒ラチャ少量・復興くわしく解説
オツハヌリ・サペレ
Otskhanuri Sapere ・ ოცხანური საფერე ・ VIVC 8840

10〜15年の熟成で真価を見せる赤ワインを生む、イメレティの黒ブドウ。高い酸と硬いタンニンが骨格。

黒イメレティ少量・復興くわしく解説
ゼルシャヴィ
Dzelshavi ・ ძელშავი ・ VIVC 3785

淡い赤やロゼになる、イメレティの古い黒ブドウ。ブレンドでワインを支えてきた。

黒イメレティ少量・復興くわしく解説
オジャレシ
Ojaleshi ・ ოჯალეში ・ VIVC 8698

かつて木に這わせて育てた、サメグレロの黒ブドウ。「木に生える」が名の由来。半甘口と辛口の赤になる。

黒サメグレロ少量・復興くわしく解説
アラダストゥリ
Aladasturi ・ ალადასტური ・ VIVC 211

黒い果皮から、淡い赤やロゼのワインが生まれる。グリアとイメレティで育つ黒ブドウ。

黒グリア・イメレティ少量・復興くわしく解説

資料で確かめた9品種

各地に残る在来品種を、名前の由来や育つ土地とともに、国立ワイン庁などの資料で確かめてまとめました。

タヴクヴェリ
Tavkveri ・ თავკვერი ・ VIVC 12276

「槌の頭」を名に持つカルトリの黒ブドウ。雌花だけを咲かせ、ほかの品種の花粉で実をつける。

黒カルトリ少量・復興資料で確かめた品種
シャヴカピト
Shavkapito ・ შავკაპიტო ・ VIVC 11718

「黒い枝」を名に持つカルトリの黒ブドウ。EUの品種目録にも載る、ジョージア中部の在来品種。

黒カルトリ少量・復興資料で確かめた品種
ムジュレトゥリ
Mujuretuli ・ მუჯურეთული ・ VIVC 263(参照)

ラチャ地方の黒ブドウ。アレクサンドロウリとともに、天然の半甘口赤「フヴァンチカラ」を生む。

黒ラチャ少量・復興資料で確かめた品種
ラチュリ・ゼルシャヴィ
Rachuli Dzelshavi ・ რაჭული ძელშავი ・ VIVC 3786

「ラチャのゼルシャヴィ」を名に持つ黒ブドウ。国立ワイン庁がラチャ・レチュフミの品種に挙げている。

黒ラチャ少量・復興資料で確かめた品種
イカルトス・ツィテリ
Ikaltos Tsiteli ・ იყალთოს წითელი ・ VIVC 5491

「イカルトの赤」を名に持つカヘティの黒ブドウ。テラヴィ近郊の村イカルトに由来する。

黒カヘティ少量・復興資料で確かめた品種
ウサヘロウリ
Usakhelouri ・ უსახელოური ・ VIVC 12796

「名のないブドウ」を名に持つレチュフミの黒ブドウ。オクレシ、ズビなどの数村で育ち、天然の半甘口赤で知られる。

黒レチュフミ少量・復興資料で確かめた品種
オルベルリ
Orbeluri ・ ორბელური ・ VIVC 8797

レチュフミのオルベリ村に由来する黒ブドウ。「オジャレシ」とも呼ばれるが、サメグレロのオジャレシとは別の品種。

黒レチュフミ少量・復興資料で確かめた品種
ジャニ
Jani ・ ჯანი ・ VIVC 3761

「強い」を名に持つグリア地方の黒ブドウ。国際的な品種の登録簿には「ジャニ・バフヴィス」の名で載る。

黒グリア少量・復興資料で確かめた品種
ムテヴァンディディ
Mtevandidi ・ მტევანდიდი ・ VIVC 8114

「大きな房」を名に持つグリア地方の黒ブドウ。研究機関のコレクションで保存されている。

黒グリアコレクション資料で確かめた品種

淡赤のブドウ 3品種

ピンク色の果皮を持つブドウです。ロゼや淡い色の赤ワインになるため、黒ブドウと並べて紹介します。

状態区分: 商業栽培=商業規模で流通 / 少量・復興=限られた生産者が栽培 / コレクション=研究機関で保存 / 歴史資料のみ=古い文献に名が残る品種。くわしくは方法論へ。

02 — ほかの黒品種

ほかの黒品種も、マスターリストに。

グリアやアジャラ、アブハジアの保存品種まで。各地に残るほかの黒品種と、サペラヴィの別の表記などを、品種マスターリストにまとめています。行を開くと、名前・産地・資料がわかります。

品種マスターリストに載るほかの黒品種
名称ジョージア語判定現存状態主地域根拠リスト
アダナスリ
Adanasuri(VIVC 58)
ადანასური 正規品種 少量・復興 イメレティ B 行を開く ›
ドンドグラビ・シャヴィ
Dondghlabi Shavi(VIVC 3645)
შავი დონდღლაბი 正規品種 少量・復興 イメレティ B 行を開く ›
ブズヴァヌラ
Bzvanura(VIVC 1920)
ბზვანურა 正規品種 少量・復興 イメレティ B 行を開く ›
アンドレウリ・シャヴィ
Andreuli Shavi(VIVC 457)
ანდრეული შავი 正規品種 少量・復興 カルトリ B 行を開く ›
ルコ・シャヴィ
Rko Shavi(VIVC 10121)
რკო შავი 正規品種 少量・復興 カルトリ・イメレティ B 行を開く ›
サツラヴィ
Satsuravi(VIVC 10785)
საწურავი 正規品種 コレクション アジャラ B 行を開く ›
ジネシ
Jineshi(VIVC 3775)
ჯინეში 正規品種 コレクション アジャラ B 行を開く ›
バトムラ
Batomura(VIVC 1038)
ბათომურა 正規品種 コレクション アジャラ B 行を開く ›
メクレンチヒ
Mekrenchkhi(VIVC 7597)
მეკრენჩხი 正規品種 コレクション アジャラ B 行を開く ›
アグビジ
Aghbizhi(VIVC 97)
აღბიჟი 正規品種 コレクション アブハジア B 行を開く ›
カチチ
Kachichi(VIVC 5896)
კაჭიჭი 正規品種 コレクション アブハジア B 行を開く ›
ラコアジ
Lakoaj(VIVC 6672)
ლაკოაჟი 正規品種 コレクション アブハジア B 行を開く ›
スヒラトゥバニ
Skhilatubani(VIVC 11848)
სხილათუბანი 正規品種 コレクション グリア B 行を開く ›
ブトコ
Butko(VIVC 1915)
ბუტკო 正規品種 歴史資料のみ アジャラ B 行を開く ›
ブルズガラ
Burdzghala(VIVC 20975)
ბურძღალა 正規品種 歴史資料のみ アジャラ B 行を開く ›
アブスアジ
Absuaj(VIVC 20588)
აბსუაჯი 正規品種 歴史資料のみ アブハジア B 行を開く ›
サペラビ
同義語 → 正規品種「サペラヴィ」
同義語 商業栽培 — A 行を開く ›

「根拠」は根拠の強さです(A〜E)。A=DNA鑑定や研究機関に保存された株、B=国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC・政府・PDOの規定、C=学術論文、D=歴史的な品種誌、E=生産者・メディア。A がもっとも確かな根拠で、B・C・D・E の順に続きます。

03 — スタイルの傾向

濃い赤から、半甘口、ロゼまで。

同じ黒ブドウでも、産地と造り方で、濃い赤から半甘口、ロゼまで。

サペラヴィという基準

ジョージアの赤ワインの大半はサペラヴィから造られます。果肉まで色付くタンテュリエであるため色調は濃く、豊かな酸とタンニンが骨格になります。ステンレスタンクの辛口、樽熟成(ムクザニで認められる造り)、クヴェヴリでのカヘティ式醸造、天然半甘口(キンズマラウリ)と、同じ品種から幅の広いスタイルが生まれます。

山間の半甘口赤

北西部ラチャでは、アレクサンドロウリとムジュレトゥリから天然半甘口赤のフヴァンチカラが造られます。レチュフミのウサヘロウリ、サメグレロのオジャレシも、辛口に加えて半甘口が造られることで知られます。冷涼な山間部で晩生の品種を遅くまで熟させる条件が、こうしたスタイルの背景にあります。

西部と中部の軽やかな赤

西部イメレティのゼルシャヴィ、グリアのアラダストゥリ、中部カルトリのタヴクヴェリやシャヴカピトは、サペラヴィより淡い色の、軽やかな赤やロゼになります。淡赤のチハヴェリはロゼや半甘口に。一方、イメレティのオツハヌリ・サペレは、高い酸と硬いタンニンで長く熟成する赤になります。

04 — よくある質問

よくある質問。

ジョージアの代表的な黒ブドウ品種は?

サペラヴィです。ジョージアの赤ワインの大半はサペラヴィから造られます。果肉まで色付くタンテュリエで、色が濃く、豊かな酸とタンニンが骨格になります。辛口赤のムクザニ、天然半甘口のキンズマラウリもサペラヴィのワインです。

甘口の赤ワインになる黒ブドウは?

北西部ラチャのアレクサンドロウリとムジュレトゥリから、天然半甘口の赤「フヴァンチカラ」が造られます。カヘティではサペラヴィからキンズマラウリが。レチュフミのウサヘロウリ、サメグレロのオジャレシも半甘口の赤で知られます。

軽やかな赤やロゼになる品種は?

西部イメレティのゼルシャヴィ、グリアのアラダストゥリ、中部カルトリのタヴクヴェリやシャヴカピトは、サペラヴィより淡い色の赤やロゼになります。淡赤のチハヴェリはロゼや半甘口に向きます。

「淡赤」のブドウとは?

ピンク色の果皮を持つブドウです。ロゼや淡い色の赤ワインになるため、このページでは黒ブドウと並べて紹介しています。チハヴェリ、ブデシュリ・ツィテリ、ルツヒリがその例です。

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執筆ジョージアワインストア データベース編集部
レビュー編集部(相互確認)
初回公開2026年9月4日
最終確認2026年9月28日
根拠の強さB(公的資料。一次資料は各項目のリンク先ページに準拠)
主要出典各項目のリンク先ページの出典に準拠。詳細は出典一覧

根拠の強さ(A〜E)の定義は方法論、運営体制はこのサイトについてを参照。

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