黒品種 ・ ワイン用(生食兼用) ・ 品種登録番号 211

アラダストゥリ

Aladasturi ・ ალადასტური

アラダストゥリは、ジョージア西部のグリアと、イメレティ中部で育つ黒ブドウ品種です。果皮は厚く濃い青ですが、ワインの色は淡く、軽やかな赤やロゼになります。かつては樹に這わせる「マグラリ」仕立てで広く栽培されましたが、19世紀末以降の病害とフィロキセラで激減し、2004年の栽培面積は44 haでした。品種名で選ぶ、西部の軽やかな赤です。

アラダストゥリの房の接写。厚い果皮の黒い長楕円形の果粒が密に付いた短い円筒形の房と、深い切れ込みの大きな葉。垣根仕立ての畑(イメージ)
栽培面積
44ha
2004年、国立ワイン庁の調査
主産地
グリア
イメレティ中部にも(ヴァニ、サムトレディア周辺)
アルコール
10〜11.5%
クヴェヴリ(土に埋めた素焼きの甕)仕込みの赤
収穫
10月下旬
晩生。果皮は厚く濃い青
根拠の強さ
B
公的資料。国際登録簿と国立ワイン庁の資料で確認

根拠の強さ(A〜E)の定義は方法論を参照。出典は出典一覧に記載。

01 — 名称

アラダストゥリ、グリアとイメレティの黒ブドウ。

ალადასტური=グリアの黒ブドウ

アラダストゥリ(ალადასტური)は、ジョージア西部のグリアと、イメレティ中部で育てられてきた黒ブドウの名前です。国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC には211番で登録され、フランス語式の「Aladastouri」など5つの別名が記録されています。ワイン用と生食用を兼ねる品種です。

02 — 淡い色の赤

皮は厚いのに、色は淡い。

黒ブドウなのに、なぜワインの色が淡いのか。果皮は厚く濃い青ですが、果汁は無色。国立ワイン庁は、厚い果皮にもかかわらずワインの色は濃くならないと記述しています。

厚く濃青の果皮から、淡いルビー色のワインが生まれます。クヴェヴリで仕込んでも、ライトボディで繊細なタンニンの赤になります。

ロゼにも向く

淡い色を生かしたロゼも造られます。軽やかな赤と並ぶ、この品種のもう一つの顔です。

やや冷やして

ライトボディで繊細なタンニン。やや冷やして出すと、色の淡さと軽さが生きます。

木に登ったブドウ

湿潤なグリアでは、かつて樹に蔓を這わせる「マグラリ」仕立てで広く栽培されました。今は、ジョージアで発達した、支柱に2本の枝を伸ばす自立式の仕立てが主流です。

03 — 味わい

アラダストゥリの味わいとは?

淡い色に、黒い果実と胡椒。

辛口赤の場合の目安です。

香り

ブラックチェリーと胡椒に、スモークやタバコのニュアンス。

軽やかで、熟成もできる

アルコールは10〜11.5%程度と控えめで、若いうちから楽しめます。良い例は瓶熟成で向上します。

国際品種で例えると

淡いルビー色で軽く、繊細なタンニンの赤です。ガメイやチリエジョーロのような軽やかな赤をイメージしてください。

アラダストゥリの赤ワインをグラスに、引っ越したばかりの部屋の床で。段ボールと窓の外のトビリシの夜景(イメージ)

合わせる料理

鶏料理と、川魚。

軽やかな赤として、鶏や豚の料理、川魚、豆やクルミを使う西ジョージアの料理、フレッシュチーズと合わせます。

04 — スタイル

軽い赤、ロゼ、イメレティの赤。3つのスタイル。

同じアラダストゥリでも、摘む時期と造り方で味わいが変わります。10月下旬の収穫では、軽い赤やロゼに向ける畑ほど酸を残して早めに、厚い果皮を生かす赤は色づきを待って摘みます。好みのスタイルを見つけてください。

グリアでのアラダストゥリの収穫後。石の水場で黒い房を入れた盥のそばで、水差しの水で手を洗う二人(イメージ)
アラダストゥリの熟す時期と育ち方
成熟期・収穫晩生(1960年の記録では10月末から。芽吹きから熟すまで201〜205日)
木の勢い強(その年の枝が3.5〜4 mまで伸びる)
収量多い(最大1 haあたり15トン)

成熟期・樹勢・収量はジョージアのブドウ品種を記録した図鑑『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)によります。

1つの品種、3つの顔。

STYLE 01

グリアの軽い赤

黒海沿岸の畑で造る、軽やかな赤。

色
淡い
香り
ブラックチェリーと胡椒
味わい
軽い口当たり

オズルゲティ、チョハタウリなど、黒海沿岸のグリアの畑で造られます。樹に這わせた古木から少量を仕込む生産者も残っています。

STYLE 02

ロゼ

淡い色を生かした、軽やかなロゼ。

味わい
軽い口当たり
産地
グリア

厚い果皮なのに色が濃く出ない性質から生まれたスタイルです。グリアでは、軽い赤と並んで造られています。

STYLE 03

イメレティ中部の赤

低い丘の畑で、甕と近代的製法の両方で。

造り
伝統的な甕仕込みと近代的製法

ヴァニ、サムトレディア周辺の低い丘の畑で育ちます。石灰分の多いやわらかな土壌を好み、白品種が中心のイメレティで数少ない黒ブドウの一つです。

05 — ブドウとしての性質

房、粒、葉の形。

濃い青の楕円形の粒に厚い果皮、深く切れ込む大きな葉。畑でアラダストゥリを見分ける手がかりを、ジョージアのブドウ品種図鑑『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)の測定値で紹介します。

アラダストゥリの特徴の解説図。短い円筒形で密な房、黒色の果皮、長楕円形の果粒、淡色の果肉と無色の果汁、3〜5裂で深い切れ込みの葉(イメージ)
果皮色
黒
果皮はかなり厚い
果粒
楕円〜長楕円
中〜やや大粒
房
円錐円筒〜円筒・十分に密
長さ8〜11 cm(やや小ぶり)
葉
3裂または5裂
円形〜やや楕円
もっと詳しく見る(皮の厚さ、果肉、葉の裏、熟す時期など)
アラダストゥリの形態
果皮かなり厚く、果肉から離れやすい
果肉・果汁肉厚で多汁、甘い(果汁は無色。ワインの色は淡い)
葉の切れ込み深く切れ込む
葉の表と裏裏面に厚い毛。表面はなめらか

出典: 『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)。英訳を掲載するジョージア国立議会図書館のウェブ辞典(NPLG Wiki Dictionaries)で確認しています。同じデータは品種マスターリストでも確認できます。

06 — よくある質問

よくある質問。

アラダストゥリはどんな味? 熟成できる? 気になる9つの疑問に、短く答えます。

アラダストゥリはどんなブドウですか?

ジョージア西部のグリアと、イメレティ中部で育つ黒ブドウ品種です(VIVC 211)。ワイン用と生食用を兼ねる晩生の品種で、2004年の栽培面積は44 ha(国立ワイン庁)です。

アラダストゥリの味の特徴は?

淡いルビー色、ライトボディで繊細なタンニン。香りはブラックチェリーと胡椒に、スモークやタバコのニュアンスが加わります。アルコールは10〜11.5%程度と控えめです。

黒ブドウなのに、なぜ色が淡いのですか?

果皮は厚く濃い青ですが、果汁が無色で、ワインに色が濃く出にくい品種だからです。国立ワイン庁によれば、クヴェヴリ(土に埋めた素焼きの甕)で仕込んでも淡いルビー色になります。この淡さを生かして、ロゼも造られます。

アラダストゥリに合う料理は?

軽やかな赤として、鶏や豚の料理、川魚、豆やクルミを使う西ジョージアの料理、フレッシュチーズと合わせます。

アラダストゥリのワインは熟成できますか?

若いうちから楽しめるワインで、良い例は瓶熟成で味わいが深まります。

アラダストゥリはどこで造られていますか?

ジョージア西部のグリアと、イメレティ中部が産地です。グリアではオズルゲティ、チョハタウリなど、イメレティではヴァニ、サムトレディア周辺の低い丘の畑で、伝統的な甕仕込みと近代的製法の両方で造られます。

アラダストゥリのPDOはありますか?

アラダストゥリの名が入ったPDOは、まだ登録されていません。家族経営の畑の赤やロゼとして、品種名で造られています。

「木に登ったブドウ」とはどういう意味ですか?

湿潤なグリアでは、かつて樹に蔓を這わせる「マグラリ」仕立てで育て、風通しを確保していました。今は畑での栽培が中心ですが、樹に這わせた古木から少量を仕込む生産者も残っています。

アラダストゥリのワインは、どこで買えますか?

ジョージアワインの専門店や輸入元の通販で入手できます。ラベルの品種名「アラダストゥリ(Aladasturi)」を目印に探してください。軽やかな赤やロゼが中心です。

出典と検証。

アラダストゥリは、国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC に211番で登録され、EUの品種目録にも載っています。ジョージアを含む5か国9つの機関に、遺伝資源として保存されています。

詳細な参照情報は出典一覧および品種マスターリスト(CSV / JSON)で公開しています。

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執筆ジョージアワインストア データベース編集部
レビュー編集部(品種データ担当が相互確認)
初回公開2026年9月5日
最終確認2026年9月28日
根拠の強さB(公的資料。国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC と国立ワイン庁の資料で確認)
主要出典VIVC、国立ワイン庁

根拠の強さ(A〜E)の定義は方法論、運営体制はこのサイトについてを参照。

資料は、こう書いている。

このページの根拠になった資料を、資料ごとに紹介します。

2004
国立ワイン庁

グリア・中部イメレティ、44 ha。果皮は濃青、ワインの色は淡い

政府機関
2026
VIVC

登録番号 211(ALADASTURI、黒)。EU品種目録登録あり

国際データベース