ロゼにも向く
淡い色を生かしたロゼも造られます。軽やかな赤と並ぶ、この品種のもう一つの顔です。
01 — 名称
ალადასტური=グリアの黒ブドウ
アラダストゥリ(ალადასტური)は、ジョージア西部のグリアと、イメレティ中部で育てられてきた黒ブドウの名前です。国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC には211番で登録され、フランス語式の「Aladastouri」など5つの別名が記録されています。ワイン用と生食用を兼ねる品種です。
02 — 淡い色の赤
黒ブドウなのに、なぜワインの色が淡いのか。果皮は厚く濃い青ですが、果汁は無色。国立ワイン庁は、厚い果皮にもかかわらずワインの色は濃くならないと記述しています。
厚く濃青の果皮から、淡いルビー色のワインが生まれます。クヴェヴリで仕込んでも、ライトボディで繊細なタンニンの赤になります。
淡い色を生かしたロゼも造られます。軽やかな赤と並ぶ、この品種のもう一つの顔です。
ライトボディで繊細なタンニン。やや冷やして出すと、色の淡さと軽さが生きます。
湿潤なグリアでは、かつて樹に蔓を這わせる「マグラリ」仕立てで広く栽培されました。今は、ジョージアで発達した、支柱に2本の枝を伸ばす自立式の仕立てが主流です。
03 — 味わい
淡い色に、黒い果実と胡椒。
辛口赤の場合の目安です。
ブラックチェリーと胡椒に、スモークやタバコのニュアンス。
アルコールは10〜11.5%程度と控えめで、若いうちから楽しめます。良い例は瓶熟成で向上します。
淡いルビー色で軽く、繊細なタンニンの赤です。ガメイやチリエジョーロのような軽やかな赤をイメージしてください。
合わせる料理
軽やかな赤として、鶏や豚の料理、川魚、豆やクルミを使う西ジョージアの料理、フレッシュチーズと合わせます。
04 — スタイル
同じアラダストゥリでも、摘む時期と造り方で味わいが変わります。10月下旬の収穫では、軽い赤やロゼに向ける畑ほど酸を残して早めに、厚い果皮を生かす赤は色づきを待って摘みます。好みのスタイルを見つけてください。
| 成熟期・収穫 | 晩生(1960年の記録では10月末から。芽吹きから熟すまで201〜205日) |
| 木の勢い | 強(その年の枝が3.5〜4 mまで伸びる) |
| 収量 | 多い(最大1 haあたり15トン) |
成熟期・樹勢・収量はジョージアのブドウ品種を記録した図鑑『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)によります。
STYLE 01
黒海沿岸の畑で造る、軽やかな赤。
オズルゲティ、チョハタウリなど、黒海沿岸のグリアの畑で造られます。樹に這わせた古木から少量を仕込む生産者も残っています。
STYLE 02
淡い色を生かした、軽やかなロゼ。
厚い果皮なのに色が濃く出ない性質から生まれたスタイルです。グリアでは、軽い赤と並んで造られています。
STYLE 03
低い丘の畑で、甕と近代的製法の両方で。
ヴァニ、サムトレディア周辺の低い丘の畑で育ちます。石灰分の多いやわらかな土壌を好み、白品種が中心のイメレティで数少ない黒ブドウの一つです。
05 — ブドウとしての性質
濃い青の楕円形の粒に厚い果皮、深く切れ込む大きな葉。畑でアラダストゥリを見分ける手がかりを、ジョージアのブドウ品種図鑑『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)の測定値で紹介します。
| 果皮 | かなり厚く、果肉から離れやすい |
| 果肉・果汁 | 肉厚で多汁、甘い(果汁は無色。ワインの色は淡い) |
| 葉の切れ込み | 深く切れ込む |
| 葉の表と裏 | 裏面に厚い毛。表面はなめらか |
出典: 『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)。英訳を掲載するジョージア国立議会図書館のウェブ辞典(NPLG Wiki Dictionaries)で確認しています。同じデータは品種マスターリストでも確認できます。
06 — よくある質問
アラダストゥリはどんな味? 熟成できる? 気になる9つの疑問に、短く答えます。
ジョージア西部のグリアと、イメレティ中部で育つ黒ブドウ品種です(VIVC 211)。ワイン用と生食用を兼ねる晩生の品種で、2004年の栽培面積は44 ha(国立ワイン庁)です。
淡いルビー色、ライトボディで繊細なタンニン。香りはブラックチェリーと胡椒に、スモークやタバコのニュアンスが加わります。アルコールは10〜11.5%程度と控えめです。
果皮は厚く濃い青ですが、果汁が無色で、ワインに色が濃く出にくい品種だからです。国立ワイン庁によれば、クヴェヴリ(土に埋めた素焼きの甕)で仕込んでも淡いルビー色になります。この淡さを生かして、ロゼも造られます。
軽やかな赤として、鶏や豚の料理、川魚、豆やクルミを使う西ジョージアの料理、フレッシュチーズと合わせます。
若いうちから楽しめるワインで、良い例は瓶熟成で味わいが深まります。
ジョージア西部のグリアと、イメレティ中部が産地です。グリアではオズルゲティ、チョハタウリなど、イメレティではヴァニ、サムトレディア周辺の低い丘の畑で、伝統的な甕仕込みと近代的製法の両方で造られます。
アラダストゥリの名が入ったPDOは、まだ登録されていません。家族経営の畑の赤やロゼとして、品種名で造られています。
湿潤なグリアでは、かつて樹に蔓を這わせる「マグラリ」仕立てで育て、風通しを確保していました。今は畑での栽培が中心ですが、樹に這わせた古木から少量を仕込む生産者も残っています。
ジョージアワインの専門店や輸入元の通販で入手できます。ラベルの品種名「アラダストゥリ(Aladasturi)」を目印に探してください。軽やかな赤やロゼが中心です。
07 — 飲んでみる
読んだあとは、グラスで確かめる番です。グリアやイメレティで造られるアラダストゥリの軽やかな赤を、ジョージアワイン専門店で見つけてください。
アラダストゥリは、国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC に211番で登録され、EUの品種目録にも載っています。ジョージアを含む5か国9つの機関に、遺伝資源として保存されています。
このページの根拠になった資料を、資料ごとに紹介します。
グリア・中部イメレティ、44 ha。果皮は濃青、ワインの色は淡い
政府機関登録番号 211(ALADASTURI、黒)。EU品種目録登録あり
国際データベース