冷え込む朝に摘む
ジョージアで最も遅い収穫のひとつを、冷え込む朝に行います。半甘口に向ける房ほど、糖が乗るのを待って摘みます。
01 — 名称
ოჯალეში=木に生えるもの
オジャレシ(ოჯალეში)は、サメグレロの言葉であるメグレル語で「木に生える(もの)」を意味する名前です。国立ワイン庁は「ja=木」と説明しています。柿やハンノキに蔓を這わせる「マグラリ」仕立てで育てられてきた歴史を、名前が伝えています。レチュフミで「オルベルリ・オジャレシ」と呼ばれるブドウは、別の品種です。
02 — 遅い収穫
オジャレシは、ジョージアのブドウの中でもとりわけ遅く熟す品種です。黒海沿岸のサメグレロでは、晩秋の11月まで房が熟すのを待ちます。
収穫は10月末から、11月中旬以降まで。萌芽は4月上旬と早いのに、成熟は極めて遅い極晩生の品種です。
ジョージアで最も遅い収穫のひとつを、冷え込む朝に行います。半甘口に向ける房ほど、糖が乗るのを待って摘みます。
かつてはサメグレロだけでなくグリアの山間の村々でも、柿やハンノキの木に蔓を這わせて育てられました。今は垣根仕立ての一種、ギヨ仕立ての畑で植え直されています。
2004年の141 haのうち、137 haが家族経営の畑でした。サメグレロの家々が、この遅い秋の赤を受け継いでいます。
03 — 味わい
ルビー色に、胡椒のひと振り。
赤系果実の穏やかな香りに、胡椒やスパイスのニュアンス。スミレやバラのような花の香りを感じることもあります。
アルコールは10〜12%程度と控えめ。瓶熟成で複雑さが増し、辛口に近づいていきます。
ルビー色で穏やかなタンニンを持ち、半甘口が伝統の赤です。色と骨格の目安はピノ・ノワール程度です。
合わせる料理
半甘口は、クルミやチーズを使うサメグレロの料理(エラルジなど)、辛味のある鶏料理、ブルーチーズと。辛口は鶏や豚の直火焼き、キノコ料理と合わせます。
04 — スタイル
同じオジャレシでも、甘さの残し方と、ほかの品種を混ぜるかどうかで味わいが変わります。好みのスタイルを見つけてください。
| 成熟期・収穫 | 極晩生(1960年の記録では12月前半に熟す) |
| 木の勢い | 強(山地) |
| 収量 | 木に這わせた株で1株30 kgほど |
成熟期・樹勢・収量はジョージアのブドウ品種を記録した図鑑『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)によります。
STYLE 01
国立ワイン庁が「典型」とする、伝統のスタイル。
ジョージア西部の半甘口赤の一つで、サメグレロで伝統的に造られてきました。PDOの名は辛口だけのものなので、半甘口は品種名で探すのが近道です。
STYLE 02
酸と果実味が骨格になる、サルヒノの辛口。
マルトヴィリ市サルヒノ周辺を区域とする呼称で、2020年に登録されました。ルビー色の果実味を、甘さを残さずに仕上げます。
STYLE 03
サペラヴィを少し加える、PDO表示のない辛口。
マルトヴィリ市ではサルヒノのほか、タマコニ、アベダティの石灰質土壌が適地です。国立ワイン庁は、サペラヴィを少量ブレンドする辛口の例も記しています。
05 — ブドウとしての性質
青黒の粒に厚い果皮、深く切れ込む3裂の葉と、灰色の毛に覆われた葉の裏。畑でオジャレシを見分ける手がかりを、ジョージアのブドウ品種図鑑『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)の測定値で紹介します。
| 果皮 | かなり厚く、果肉から離れやすい |
| 果肉・果汁 | かなり多汁 |
| 房の重さ | 平均 108〜116 g |
| 葉の切れ込み | 上側は深い |
| 葉の裏面 | 灰色のフェルト状の毛に覆われる |
出典: 『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)。英訳を掲載するジョージア国立議会図書館のウェブ辞典(NPLG Wiki Dictionaries)で確認しています。同じデータは品種マスターリストでも確認できます。
06 — PDOと産地
PDO(原産地呼称)は、産地と造り方が法律で定められたワインの名前です。ラベルに「サルヒノ・オジャレシ」とあれば、マルトヴィリ市サルヒノ周辺で造るオジャレシの辛口赤です。伝統の半甘口は、この名を名乗りません。
| PDO | 区域 | タイプ | 使用品種 |
|---|---|---|---|
| サルヒノ・オジャレシSalkhino Ojaleshi | サメグレロ(マルトヴィリ) | 辛口赤(残糖4 g/L以下) | オジャレシ100% |
07 — よくある質問
オジャレシは甘口?辛口? 名前の意味は? 気になる9つの疑問に、短く答えます。
ジョージア西部サメグレロの黒ブドウ品種です(VIVC 8698)。熟すのがとても遅い極晩生で、伝統的に天然の半甘口赤に仕立てられます。2004年の栽培面積は141 ha(国立ワイン庁)です。
ルビー色で、赤系果実の穏やかな香りに胡椒やスパイスのニュアンスが加わります。国立ワイン庁は、典型的なオジャレシを半甘口〜甘口としています。アルコールは10〜12%程度と控えめで、瓶熟成で複雑さが増します。
伝統は天然の半甘口で、近年は辛口も造られます。PDOサルヒノ・オジャレシは辛口赤だけの呼称なので、半甘口はPDO名ではなく品種名で探します。
半甘口は、クルミやチーズを使うサメグレロの料理(エラルジなど)、辛味のある鶏料理、ブルーチーズと。辛口は、鶏や豚の直火焼き、キノコ料理、熟成の浅いチーズと合わせます。
ジョージア西部、黒海沿岸のサメグレロ地方が主産地です。マルトヴィリ市のサルヒノ、タマコニ、アベダティの石灰質土壌が適地で、サルヒノ周辺はPDOサルヒノ・オジャレシの区域です。
芽吹きは早いのに熟すのはとても遅く、収穫は10月末から11月中旬以降まで続きます。ジョージアで最も遅い収穫のひとつです。
サメグレロの言葉であるメグレル語で「木に生えるもの」を意味します。柿やハンノキなどの樹木に蔓を這わせる伝統的な仕立て(マグラリ)で育てられてきたことに由来します。
別の品種です。レチュフミで「オルベルリ・オジャレシ」と呼ばれるブドウは、VIVCに別品種オルベルリ(8797)として登録されています。本サイトではオルベルリのページで紹介しています。
ジョージアワインの専門店や輸入元の通販で入手できます。辛口ならラベルのPDO名「サルヒノ・オジャレシ」が目印です。伝統の半甘口は、品種名「オジャレシ(Ojaleshi)」で探すと見つかります。
08 — 飲んでみる
読んだあとは、グラスで確かめる番です。伝統の半甘口から辛口まで、ジョージアワイン専門店でオジャレシを見つけてください。
オジャレシは、国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC に8698番で登録され、「ショヌリ」「スヴァヌリ」など22の別名が記録されています。EUの品種目録にも登録されています。
このページの根拠になった資料を、資料ごとに紹介します。
サメグレロ、141 ha
政府機関登録番号 8698(OJALESHI、黒)。レチュフミの「オルベルリ・オジャレシ」は別品種(8797)
国際データベース