黒品種 ・ ワイン用 ・ 品種登録番号 8698

オジャレシ

Ojaleshi ・ ოჯალეში

オジャレシは、ジョージア西部、黒海沿岸のサメグレロ地方を主産地とする黒ブドウ品種です。名前はメグレル語で「木に生える」を意味し、かつては柿やハンノキの木に這わせて育てられました。芽吹きは早いのに熟すのはとても遅く、収穫は10月末から11月中旬以降まで続きます。ルビー色の半甘口赤で知られ、近年は辛口も造られます。マルトヴィリ市サルヒノ周辺のPDOサルヒノ・オジャレシは、この品種で造る辛口赤です。

オジャレシの房の接写。濃い青からほぼ黒の小さな楕円形の果粒、翼付きの小さな円筒円錐形の房、表面がふくれ裏面が灰白色の3裂の葉。垣根仕立ての畑(イメージ)
栽培面積
141ha
2004年、国立ワイン庁の調査
主産地
サメグレロ
黒海沿岸、マルトヴィリ市サルヒノ周辺
使用品種に挙げるPDO
1件
サルヒノ・オジャレシ(辛口赤)
収穫
10月末〜
極晩生。11月中旬以降まで摘む
根拠の強さ
B
公的資料。国際登録簿と国立ワイン庁の資料で確認

根拠の強さ(A〜E)の定義は方法論を参照。出典は出典一覧に記載。

01 — 名称

オジャレシの意味は「木に生えるもの」。

ოჯალეში=木に生えるもの

オジャレシ(ოჯალეში)は、サメグレロの言葉であるメグレル語で「木に生える(もの)」を意味する名前です。国立ワイン庁は「ja=木」と説明しています。柿やハンノキに蔓を這わせる「マグラリ」仕立てで育てられてきた歴史を、名前が伝えています。レチュフミで「オルベルリ・オジャレシ」と呼ばれるブドウは、別の品種です。

02 — 遅い収穫

11月まで、待つ。

オジャレシは、ジョージアのブドウの中でもとりわけ遅く熟す品種です。黒海沿岸のサメグレロでは、晩秋の11月まで房が熟すのを待ちます。

収穫は10月末から、11月中旬以降まで。萌芽は4月上旬と早いのに、成熟は極めて遅い極晩生の品種です。

冷え込む朝に摘む

ジョージアで最も遅い収穫のひとつを、冷え込む朝に行います。半甘口に向ける房ほど、糖が乗るのを待って摘みます。

木に這わせた歴史

かつてはサメグレロだけでなくグリアの山間の村々でも、柿やハンノキの木に蔓を這わせて育てられました。今は垣根仕立ての一種、ギヨ仕立ての畑で植え直されています。

家族の畑が守る

2004年の141 haのうち、137 haが家族経営の畑でした。サメグレロの家々が、この遅い秋の赤を受け継いでいます。

03 — 味わい

オジャレシの味わいとは?

ルビー色に、胡椒のひと振り。

香り

赤系果実の穏やかな香りに、胡椒やスパイスのニュアンス。スミレやバラのような花の香りを感じることもあります。

控えめなアルコール

アルコールは10〜12%程度と控えめ。瓶熟成で複雑さが増し、辛口に近づいていきます。

国際品種で例えると

ルビー色で穏やかなタンニンを持ち、半甘口が伝統の赤です。色と骨格の目安はピノ・ノワール程度です。

オジャレシの赤ワインをグラスに、夕暮れのトビリシのアパートの一室で。髪を結ってもらいながら窓の外に丘の上の教会(イメージ)

合わせる料理

クルミの料理と、辛い鶏料理。

半甘口は、クルミやチーズを使うサメグレロの料理(エラルジなど)、辛味のある鶏料理、ブルーチーズと。辛口は鶏や豚の直火焼き、キノコ料理と合わせます。

04 — スタイル

半甘口、PDOの辛口、ブレンドの辛口。3つのスタイル。

同じオジャレシでも、甘さの残し方と、ほかの品種を混ぜるかどうかで味わいが変わります。好みのスタイルを見つけてください。

サメグレロでのオジャレシの遅い収穫。朝霧の残る晩秋の畑で、湯気の立つマグを手に休む摘み手と、傍らの黒い房(イメージ)
オジャレシの熟す時期と育ち方
成熟期・収穫極晩生(1960年の記録では12月前半に熟す)
木の勢い強(山地)
収量木に這わせた株で1株30 kgほど

成熟期・樹勢・収量はジョージアのブドウ品種を記録した図鑑『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)によります。

1つの品種、3つの顔。

STYLE 01

天然の半甘口(伝統)

国立ワイン庁が「典型」とする、伝統のスタイル。

色
ルビー色
香り
赤系果実と胡椒
味わい
控えめなアルコールの半甘口

ジョージア西部の半甘口赤の一つで、サメグレロで伝統的に造られてきました。PDOの名は辛口だけのものなので、半甘口は品種名で探すのが近道です。

STYLE 02

辛口赤(PDOサルヒノ・オジャレシ)

酸と果実味が骨格になる、サルヒノの辛口。

造り
オジャレシ100%
味わい
残糖4 g/L以下の辛口

マルトヴィリ市サルヒノ周辺を区域とする呼称で、2020年に登録されました。ルビー色の果実味を、甘さを残さずに仕上げます。

STYLE 03

ブレンドの辛口赤

サペラヴィを少し加える、PDO表示のない辛口。

造り
オジャレシ主体、サペラヴィを少量
産地
マルトヴィリ市の石灰質土壌

マルトヴィリ市ではサルヒノのほか、タマコニ、アベダティの石灰質土壌が適地です。国立ワイン庁は、サペラヴィを少量ブレンドする辛口の例も記しています。

05 — ブドウとしての性質

房、粒、葉の形。

青黒の粒に厚い果皮、深く切れ込む3裂の葉と、灰色の毛に覆われた葉の裏。畑でオジャレシを見分ける手がかりを、ジョージアのブドウ品種図鑑『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)の測定値で紹介します。

オジャレシの特徴の解説図。小さな円筒円錐形で翼付きの房、濃青〜黒の果皮、小さくやや楕円形の果粒、3裂で深い切れ込みの葉、ふくれ状の葉面(イメージ)
果皮色
濃い青〜ほぼ黒
表面に白い粉(果粉)がつく
果粒
やや楕円
長さ13.4 mm、幅12.5 mm(小粒)
房
円筒円錐・中
長さ8〜14 cm、幅5〜10 cm
葉
3つに裂ける
楕円〜ほぼ円形
もっと詳しく見る(皮の厚さ、果肉、葉の裏、熟す時期など)
オジャレシの形態
果皮かなり厚く、果肉から離れやすい
果肉・果汁かなり多汁
房の重さ平均 108〜116 g
葉の切れ込み上側は深い
葉の裏面灰色のフェルト状の毛に覆われる

出典: 『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)。英訳を掲載するジョージア国立議会図書館のウェブ辞典(NPLG Wiki Dictionaries)で確認しています。同じデータは品種マスターリストでも確認できます。

06 — PDOと産地

オジャレシで造る、1つのPDOワイン。

PDO(原産地呼称)は、産地と造り方が法律で定められたワインの名前です。ラベルに「サルヒノ・オジャレシ」とあれば、マルトヴィリ市サルヒノ周辺で造るオジャレシの辛口赤です。伝統の半甘口は、この名を名乗りません。

PDOの一覧を見る(1件)
オジャレシを使用品種に挙げるPDO
PDO区域タイプ使用品種
サルヒノ・オジャレシSalkhino Ojaleshiサメグレロ(マルトヴィリ)辛口赤(残糖4 g/L以下)オジャレシ100%

07 — よくある質問

よくある質問。

オジャレシは甘口?辛口? 名前の意味は? 気になる9つの疑問に、短く答えます。

オジャレシはどんなブドウですか?

ジョージア西部サメグレロの黒ブドウ品種です(VIVC 8698)。熟すのがとても遅い極晩生で、伝統的に天然の半甘口赤に仕立てられます。2004年の栽培面積は141 ha(国立ワイン庁)です。

オジャレシの味の特徴は?

ルビー色で、赤系果実の穏やかな香りに胡椒やスパイスのニュアンスが加わります。国立ワイン庁は、典型的なオジャレシを半甘口〜甘口としています。アルコールは10〜12%程度と控えめで、瓶熟成で複雑さが増します。

オジャレシは甘口ですか、辛口ですか?

伝統は天然の半甘口で、近年は辛口も造られます。PDOサルヒノ・オジャレシは辛口赤だけの呼称なので、半甘口はPDO名ではなく品種名で探します。

オジャレシに合う料理は?

半甘口は、クルミやチーズを使うサメグレロの料理(エラルジなど)、辛味のある鶏料理、ブルーチーズと。辛口は、鶏や豚の直火焼き、キノコ料理、熟成の浅いチーズと合わせます。

オジャレシの産地はどこですか?

ジョージア西部、黒海沿岸のサメグレロ地方が主産地です。マルトヴィリ市のサルヒノ、タマコニ、アベダティの石灰質土壌が適地で、サルヒノ周辺はPDOサルヒノ・オジャレシの区域です。

オジャレシの収穫時期は?

芽吹きは早いのに熟すのはとても遅く、収穫は10月末から11月中旬以降まで続きます。ジョージアで最も遅い収穫のひとつです。

オジャレシという名前の意味は?

サメグレロの言葉であるメグレル語で「木に生えるもの」を意味します。柿やハンノキなどの樹木に蔓を這わせる伝統的な仕立て(マグラリ)で育てられてきたことに由来します。

オルベルリ・オジャレシと同じですか?

別の品種です。レチュフミで「オルベルリ・オジャレシ」と呼ばれるブドウは、VIVCに別品種オルベルリ(8797)として登録されています。本サイトではオルベルリのページで紹介しています。

オジャレシのワインは、どこで買えますか?

ジョージアワインの専門店や輸入元の通販で入手できます。辛口ならラベルのPDO名「サルヒノ・オジャレシ」が目印です。伝統の半甘口は、品種名「オジャレシ(Ojaleshi)」で探すと見つかります。

出典と検証。

オジャレシは、国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC に8698番で登録され、「ショヌリ」「スヴァヌリ」など22の別名が記録されています。EUの品種目録にも登録されています。

詳細な参照情報は出典一覧および品種マスターリスト(CSV / JSON)で公開しています。

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執筆ジョージアワインストア データベース編集部
レビュー編集部(品種データ担当が相互確認)
初回公開2026年9月5日
最終確認2026年9月28日
根拠の強さB(公的資料。国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC と国立ワイン庁の資料で確認)
主要出典VIVC、国立ワイン庁、PDOの規定(サルヒノ・オジャレシ)

根拠の強さ(A〜E)の定義は方法論、運営体制はこのサイトについてを参照。

資料は、こう書いている。

このページの根拠になった資料を、資料ごとに紹介します。

2004
国立ワイン庁

サメグレロ、141 ha

政府機関
2026
VIVC

登録番号 8698(OJALESHI、黒)。レチュフミの「オルベルリ・オジャレシ」は別品種(8797)

国際データベース