アレクサンドロウリ、ズヴェリ・アレクサンドロウリ、ムジュレトゥリの3品種を形態とSSRマーカーで比較。アレクサンドロウリとムジュレトゥリは遺伝的プロファイルが同一で、表現型の異なる2つのクローンとし、ムジュレトゥリはラチャでアレクサンドロウリの変異体として生じた可能性が高いとする。
出典レベル 3 — 査読論文黒品種 ・ 少量・復興 ・ VIVC 263(同義語登録) ・ 検証レベル 1
ムジュレトゥリ
Mujuretuli ・ მუჯურეთული
ムジュレトゥリは、ジョージア西部ラチャ地方アンブロラウリ周辺で栽培される黒ブドウ品種で、アレクサンドロウリとともに天然の半甘口赤「フヴァンチカラ」を構成します。2009年のSSRマーカー研究ではアレクサンドロウリと遺伝的プロファイルが同一で、表現型の異なるクローンとされ、VIVC(国際品種カタログ)には独自の番号がなくアレクサンドロウリ(263)の同義語として登録されています。一方、PDOの規定と国立ワイン庁のカダストル(2023年、183 ha)では別品種名として扱われるため、本サイトは正規品種名として掲載します。
「—」は本データベースで一次資料を確認できていない項目です。検証レベルの定義は方法論を参照。
01 — 名称
二つの名前、一つの遺伝子型。
「ムジュレトゥリ(მუჯურეთული)」の由来について、国立ワイン庁は「ムジュレティ」という語に関連づけていますが、それが地名かどうかを含め、本データベースでは一次資料で確認できていません。VIVC(国際品種カタログ)はこの名を独立した品種として登録しておらず、アレクサンドロウリ(ALEXANDROOULI、263)の15の同義語の一つとして扱います。
一方、PDOフヴァンチカラとPDOラチャの規定、国立ワイン庁の統計では、アレクサンドロウリとムジュレトゥリは別の品種名として並記されます。本サイトはこの実務上の区別に従って正規品種名として掲載し、VIVC欄には263を参照として記載します。ラテン文字は、現在ジョージア国内外で一般的な「Mujuretuli」を標準とします。
| 表記 | 種類 |
|---|---|
| ムジュレトゥリ | 日本語(本サイト標準) |
| Mujuretuli | ラテン文字標準名(本サイト・国立ワイン庁表記。VIVCでは263の同義語 MUJURETULI) |
| მუჯურეთული | ジョージア語原綴り |
| Mudzhuretuli / Moudjouretouli | ロシア語・フランス語経由の転写(VIVC同義語) |
| Mujretuli / Mugiuretuli | 綴りの揺れ(VIVC同義語) |
| Kabistona / Kabistoni | VIVCでは263の同義語。PDOラチャの規定では別品種名「カビストニ」として補助品種に列挙 — 区別して扱う |
| Alexandroouli | VIVC 263 の正名。アレクサンドロウリとして別ページで解説 |
02 — 資料に見る記述
資料は、こう書いている。
資料ごとに記述を分けて示します。資料間で異なる点はそのまま残します。
カダストルではムジュレトゥリを183 haとして別品種名で集計。PDOフヴァンチカラ(天然半甘口赤)とPDOラチャ(辛口赤、2025年4月登録)は、いずれもアレクサンドロウリとムジュレトゥリを規定品種として列挙する。
出典レベル 2 — 政府機関・PDO仕様書VIVCは独自番号を与えず、ALEXANDROOULI(263、黒、ジョージア)の同義語として登録。備考欄に「文献1401のムジュレトゥリの図はアレクサンドロウリと異なる」と記す。国立ワイン庁は、リオニ川沿いのアンブロラウリとツァゲリで栽培され、単植は稀で石灰質土壌にアレクサンドロウリと混植されると記述。果粒は濃青の卵形でやや長く、萌芽4月中旬、成熟10月上旬。べと病に非常に弱く、耐霜・耐乾性がある。2004年時点で58 ha(全てアンブロラウリ)。
出典レベル 2 — 国際データベース・政府機関注記: 国立ワイン庁の品種頁は両者を「共通の祖先を持つ2つの別品種」と記しており、2009年論文の結論(同一の遺伝子型)とは表現が異なります。本サイトは査読論文の結論を優先し、相違はそのまま記録します。
03 — 確認状況
確認できていること、できていないこと。
04 — 保存とDNA
同一の遺伝子型、異なる表現型。
ムジュレトゥリの「実在」は、他の保存品種と性格が異なります。2009年のSSRマーカー研究で、アレクサンドロウリと遺伝的プロファイルが同一であることが示され、両者は表現型の異なるクローンと位置付けられました。VIVCも独自の番号を与えず、263の同義語として統合しています。
したがって、DNAの意味では「アレクサンドロウリと同一」が確認済みで、検証レベルは1です。一方、ムジュレトゥリ名義の保存アクセッションがどの機関にあるかは、VIVCでは263に統合されるため特定できず、未確認です。クローンとして区別する形態的な差の一次資料も照合を続けます。
| 項目 | 状態 | 備考 |
|---|---|---|
| 保存株の有無 | あり(263として) | VIVC 263 の保有機関17。ムジュレトゥリ名義の株は特定できず |
| アクセッション番号 | — | 未確認 |
| SSRプロファイル | あり | アレクサンドロウリと同一(Maghradze ほか 2009) |
| SNPプロファイル | — | 公表を確認できず |
| アレクサンドロウリとの異同 | 同一遺伝子型 | 表現型の異なるクローン(2009年論文)。国立ワイン庁は「別品種」と記述 |
このページの検証状態
| 執筆 | ジョージアワインストア データベース編集部 |
| レビュー | 編集部(品種データ担当が相互確認) |
| 初回公開 | 2026年9月5日 |
| 最終確認 | 2026年9月5日 |
| 検証レベル | 1(アレクサンドロウリとのDNA同一性の研究あり) |
| 主要出典 | VIVC 263、Maghradze ほか 2009、国立ワイン庁(品種頁・カダストル2023)、PDOフヴァンチカラ・ラチャの規定 |
検証レベルの定義は方法論、運営体制はこのサイトについてを参照。
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