Protected Designation of Origin ・ 原産地呼称

ジョージアのPDO(原産地呼称)一覧

PDO(原産地呼称)とは、特定の地理的区域で、定められた品種と製法により造られたワインだけが名乗れる、法的に保護された名称です。ジョージアではツィナンダリ、ムクザニ、キンズマラウリなどの地名がPDOとして登録され、それぞれに仕様書があります。PDOは産地・品種・製法を法的に定めた区分であり、名称を見れば「どこで・何のブドウで・どんなタイプか」がおおむね分かります。

PDOの読み方 一覧表 地域別 産地一覧へ

PDOの読み方。

ラベルにPDO名が書かれていれば、産地・品種・タイプの3つが法的に確定します。

1. 産地が分かる

名称=区域

PDO名は地名です。仕様書が区域(市・村・標高)を定め、ブドウはその区域内の畑で収穫されたものに限られます。例: ムクザニならカヘティ地方グルジャアニ周辺のアラザニ川右岸。

2. 品種が分かる

使用品種は仕様書で固定

ラベルに品種名がなくても、PDO名から品種が導けます。ムクザニとキンズマラウリはサペラヴィ、ツィナンダリはルカツィテリ主体(ムツヴァネ・カフリ15%まで)です。

3. タイプが分かる

色と甘辛も規定済み

辛口白・辛口赤・天然半甘口赤・スパークリング・酒精強化など、PDOごとにタイプが定められています。キンズマラウリなら必ず「天然半甘口の赤」です。

読み方の例: ラベルに「KINDZMARAULI」とある場合

産地はカヘティ地方クヴァレリ市の特定区域、品種はサペラヴィ、タイプは天然半甘口の赤 — ここまでがPDO名だけで確定します。仕様書では、ラテン文字の名称とともに「Protected Designation of Origin」または「PDO」の表記を添えることが定められています。

補足: PDO表示のないワインが劣るわけではありません。PDOは品質保証ではなく「産地・品種・製法の規定に適合している」ことの表示です。区域外の畑や規定外の製法(たとえばクヴェヴリで果皮を漬け込んだ白)は、優れたワインであってもPDO名を名乗れないことがあります。

PDO一覧表。

国立ワイン庁(National Wine Agency)の登録一覧と各仕様書を基に、確認できたPDOを掲載しています。タイプ・品種は仕様書の主要規定の要約です。

PDO一覧表
PDO名地域(市)タイプ主要品種詳細
ツィナンダリ
Tsinandali
カヘティ(テラヴィ) 辛口白 ルカツィテリ85%以上、ムツヴァネ・カフリ15%以下 ツィナンダリの詳細
ムクザニ
Mukuzani
カヘティ(グルジャアニ) 辛口赤 サペラヴィ100% ムクザニの詳細
キンズマラウリ
Kindzmarauli
カヘティ(クヴァレリ) 天然半甘口赤 サペラヴィ キンズマラウリの詳細
アハシェニ
Akhasheni
カヘティ(グルジャアニ) 天然半甘口赤 サペラヴィ 準備中
ナパレウリ
Napareuli
カヘティ(テラヴィ) 辛口白・辛口赤 ルカツィテリ(白)/ サペラヴィ(赤) 準備中
クヴァレリ
Kvareli
カヘティ(クヴァレリ) 辛口赤 サペラヴィ 準備中
グルジャアニ
Gurjaani
カヘティ(グルジャアニ) 辛口白 ルカツィテリ、ムツヴァネ・カフリ 準備中
ヴァジスバニ
Vazisubani
カヘティ(グルジャアニ) 辛口白 ルカツィテリ、ムツヴァネ・カフリ 準備中
カルデナヒ
Kardenakhi
カヘティ(グルジャアニ) 酒精強化白 ルカツィテリ、ヒフヴィ、ムツヴァネ・カフリ 準備中
コトヒ
Kotekhi
カヘティ(グルジャアニ) 辛口白・辛口赤 ルカツィテリ(白)/ サペラヴィ(赤) 準備中
ゼガアニ
Zegaani
カヘティ(グルジャアニ) 辛口赤 サペラヴィ 準備中
テリアニ
Teliani
カヘティ(テラヴィ) 辛口赤 カベルネ・ソーヴィニヨン 準備中
マナヴィ
Manavi
カヘティ(サガレジョ) 辛口白 ムツヴァネ・カフリ主体(ルカツィテリ可) 準備中
ティバアニ
Tibaani
カヘティ(シグナギ) 辛口白 ルカツィテリ 準備中
サペラヴィ・ハシュミ
Saperavi Khashmi
カヘティ(サガレジョ) 辛口赤 サペラヴィ 準備中
アフメタ
Akhmeta
カヘティ(アフメタ) ムツヴァネ・カフリほか 準備中
ツァラピ
Tsarapi
カヘティ ルカツィテリ 準備中
カヘティ
Kakheti
カヘティ全域 辛口白ほか(地域名の呼称) ルカツィテリ、ムツヴァネ・カフリほか 準備中
フヴァンチカラ
Khvanchkara
ラチャ(アンブロラウリ) 天然半甘口赤 アレクサンドロウリ、ムジュレトゥリ 準備中
ラチャ
Racha
ラチャ(オニ、アンブロラウリ) 辛口赤 アレクサンドロウリ、ムジュレトゥリ 準備中
トゥヴィシ
Tvishi
レチュフミ(ツァゲリ) 天然半甘口白 ツォリコウリ 準備中
レチュフミ
Lechkhumi
レチュフミ(ツァゲリ) 辛口白・アンバー ツォリコウリほか 準備中
オクレシス・ウサヘロウリ
Okureshis Usakhelouri
レチュフミ —(仕様書照合中) ウサヘロウリ 準備中
スヴィリ
Sviri
イメレティ(ゼスタポニ) 辛口白 ツォリコウリ、ツィツカ、クラフナ 準備中
オブチャ
Obcha
イメレティ(バグダティ) アンバー・赤 ツォリコウリ主体、オツハヌリ・サペレ(赤) 準備中
サザノス・オツハヌリ
Sazanos Otskhanuri
イメレティ オツハヌリ・サペレ 準備中
アテニ(アテヌリ)
Atenuri
カルトリ(ゴリ) スパークリング白 チヌリ、ゴルリ・ムツヴァネ 準備中
ボルニシ
Bolnisi
カルトリ(ボルニシ) 白・赤 複数品種 準備中
サルヒノ・オジャレシ
Salkhino Ojaleshi
サメグレロ(マルトヴィリ) オジャレシ 準備中

このほか、アホエビ(Akhoebi)、キシ・マグラアニ(Kisi Magraani)、オカミ(Okami)、アスレトゥリ・シャラ(Asuretuli Shala)などが国立ワイン庁の一覧に登録されています。タイプ・品種の詳細は仕様書を確認のうえ順次追加します。

PDO数は年により変わります。2025年9月30日時点で国立ワイン庁の一覧に登録されている名称は33です。基準年は出典ページを参照。タイプ・品種の表記は各仕様書の主要規定の要約で、副次的な規定(赤の併記など)は個別ページに記載します。

地域別に見る。

登録の大半は東部カヘティに集中しています。地域の気候・品種はそれぞれの産地ページで解説しています。

東部

カヘティ

ツィナンダリ、ムクザニ、キンズマラウリ、アハシェニ、ナパレウリ、クヴァレリ、グルジャアニ、ヴァジスバニ、カルデナヒ、コトヒ、ゼガアニ、テリアニ、マナヴィ、ティバアニ、サペラヴィ・ハシュミ、アフメタ、ツァラピ、カヘティ ほか。サペラヴィとルカツィテリを軸に、辛口から天然半甘口、酒精強化まで幅広い。

カヘティ地方のページへ

西部

イメレティ

スヴィリ(ツォリコウリ、ツィツカ、クラフナの辛口白)に加え、2024年12月にオブチャ(バグダティ市。ツォリコウリ主体のアンバーとオツハヌリ・サペレの赤)、2025年9月にサザノス・オツハヌリ(オツハヌリ・サペレの赤)が登録されました。酸を保った軽快な白が特徴の地域です。

イメレティ地方のページへ

中部

カルトリ

アテニ(アテヌリ)はチヌリとゴルリ・ムツヴァネによるスパークリング白。ボルニシは2018年に出願された白・赤のPDO(登録年は照合中)。

カルトリ地方のページへ

北西部・山間

ラチャ・レチュフミ

フヴァンチカラ(ラチャ)はアレクサンドロウリとムジュレトゥリの天然半甘口赤。トゥヴィシ(レチュフミ)はツォリコウリの天然半甘口白。2022年8月にオクレシス・ウサヘロウリ(レチュフミ)、2025年4月には地域名を冠したラチャ(辛口赤)とレチュフミ(辛口白・アンバー)も登録されました。冷涼な山間の小産地です。

ラチャ地方のページへ
レチュフミ地方のページへ

黒海沿岸のサメグレロにもサルヒノ・オジャレシ(オジャレシの赤)が登録されています。同地域の産地ページは準備中です。

仕様書には何が書いてあるか。

各PDOには公開された仕様書があり、区域、使用品種、栽培条件、収量上限、収穫時の糖度、醸造方法、成分規格、熟成規定、表示方法が定められています。国立ワイン庁(LEPL National Wine Agency)が生産管理を担い、名称は国家知的財産センター(サクパテンティ)に登録されています。

本サイトの個別PDOページは、この仕様書(国立ワイン庁公開の英訳版)を一次資料として、規定の要点を日本語で整理しています。数値は英訳版に基づくため、原語版と相違がある場合は原語版が優先されます。

国立ワイン庁のPDO一覧(英語)を見る
仕様書には何が書いてあるか
仕様書の項目例(ムクザニ)
区域アラザニ川右岸、グルジャアニ市の10村、標高350〜700m
品種サペラヴィのみ
収量10t/ha以下、1tから650L以下
収穫時糖度19%以上
熟成任意。行う場合は木樽で6か月以上
成分規格アルコール11%以上、残糖4g/L以下 ほか

このページの検証状態

このページの検証状態
執筆ジョージアワインストア データベース編集部
レビュー編集部(相互確認)
初回公開2026年9月4日
最終確認2026年9月6日
検証レベル2(国立ワイン庁のPDO登録一覧・各PDO仕様書)
主要出典各項目のリンク先ページの出典に準拠。詳細は出典一覧
注記一覧表のタイプ・品種は各仕様書の主要規定の要約です。登録数は年により変わるため、基準年とともに出典ページで管理します。検証レベルの定義は方法論を参照。

検証レベルの定義は方法論、運営体制はこのサイトについてを参照。

訂正を依頼する