ジョージアワインの産地

ジョージアのブドウ畑は、乾燥した東部から湿潤な西部、標高の高い山間部まで、対照的な気候帯に広がります。生産の中心は東部カヘティ。地域ごとに、育つ品種も造り方も味わいも変わります。まず東と西の違いを押さえ、次に8つの産地へ。ラベルの産地名がどんな味を意味するのか、このページで読み解けます。

まず、東と西。

ジョージアはリヒ山脈を境に、気候の異なる東西に分かれます。どちらの側かが分かれば、ワインの方向はおおよそ読めます。

東部

乾燥した大陸性気候

カヘティ、カルトリ。日照が多く乾燥し、ブドウはよく熟します。力強い赤(サペラヴィ)と、果皮を長く漬け込むカヘティ式アンバー(オレンジ)ワインの本場です。ジョージアのブドウ畑の7割超がこの側に集まります。

カヘティを見る

西部

湿潤な亜熱帯性気候

イメレティ、ラチャ、レチュフミ、そして黒海沿岸のグリア、サメグレロ、アジャラ。降水量が多く、酸を保った軽快なワインが特徴。果皮の使用が控えめなイメレティ式の甕醸造が伝統です。

イメレティを見る

産地を読む、3つの軸。

産地名から味を想像するときに効く、気候・標高・製法の3点です。同じ品種でも、この3つが変わると別のワインになります。

1 ・ 気候

日照と降水

東の乾燥した気候ではブドウが完熟し、色が濃く力強いワインになります。西の湿潤な気候では熟度が穏やかで、酸が残った軽快なワインになります。同じルカツィテリでも、東西で印象は変わります。

2 ・ 標高

平野か、山間か

カヘティの平野部は完熟した赤とアンバーの産地です。ラチャやレチュフミの山間部は冷涼で、収穫が遅く糖が残りやすいため、フヴァンチカラのような天然の半甘口赤の伝統が生まれました。

3 ・ 製法

カヘティ式か、イメレティ式か

同じクヴェヴリ(甕)でも、果皮や茎ごと長く漬け込むカヘティ式と、果皮の使用を控えるイメレティ式では、色も渋みも別物です。ラベルに産地名があれば、どちらの伝統に近いかの手がかりになります。

2つの方式を比べる

産地を比較する。

位置と気候、主要品種、代表的なスタイル、PDO。8つの産地を1つの表で見比べると、ラベルの産地名から味わいの方向が見えてきます。

8つの産地の位置・気候・主要品種・スタイル・PDOの比較
産地位置・気候主要品種代表的なスタイル主なPDO
カヘティ東部・乾燥した大陸性サペラヴィ、ルカツィテリ、キシ、ムツヴァネ・カフリ力強い赤、カヘティ式アンバームクザニ、ツィナンダリ、キンズマラウリほか20
イメレティ西部・湿潤ツォリコウリ、ツィツカ、クラフナ酸の生きた白、果皮控えめの甕醸造スヴィリ、オブチャ、サザノス・オツハヌリ
カルトリ中部・半乾燥チヌリ、ゴルリ・ムツヴァネ、タヴクヴェリ白、スパークリングアテニ、ボルニシ、オカミ、アスレトゥリ・シャラ
ラチャ北西・山間、冷涼アレクサンドロウリ、ムジュレトゥリ天然の半甘口赤、辛口赤フヴァンチカラ、ラチャ
レチュフミ北西・山間ツォリコウリ、ウサヘロウリ天然の半甘口白、希少品種の赤トゥヴィシ、オクレシス・ウサヘロウリ、レチュフミ
サメグレロ西部・黒海沿岸、湿潤な亜熱帯オジャレシ、ツォリコウリ辛口と半甘口の赤サルヒノ・オジャレシ
グリア西部・黒海沿岸、湿潤な亜熱帯チハヴェリ、ジャニ、ツォリコウリロゼ、天然の半甘口品種名で選ぶ
アジャラ南西部・黒海と山あいツォリコウリ、チハヴェリ白、ロゼ・軽い赤品種名で選ぶ

PDO(原産地呼称)の一覧と仕様はジョージアのPDO一覧で整理しています。2026年9月21日時点で国立ワイン庁の登録簿に載る名称は33です。統計の基準年は出典ページを参照。

黒海沿岸の3産地と、アブハジア。

畑は小さくても、品種の多様さではジョージアの大切な一角です。グリア、サメグレロ、アジャラの3産地はそれぞれのページで、アブハジアの品種は品種マスターリストで読めます。

グリア

黒海に近い西部の丘陵地。淡赤のチハヴェリ、黒のジャニやムテヴァンディディなど、この地方ならではの品種が残ります。

サメグレロ

西部の低地と丘陵。樹にブドウを這わせる伝統の栽培で知られ、黒ブドウのオジャレシの故郷です。

アジャラ

南西部、トルコ国境に接する山と海の地域。ブロラやクラルジュリなど10の在来品種を収録しています。

アブハジア

北西端の黒海沿岸。カチチ、アヴァシルフヴァなど7つの名前を収録。多くは研究機関のコレクションや歴史資料に残る品種です。

地域ごとの名前の数は品種マスターリスト(2026年9月6日版、70名称)に基づきます。

よくある質問。

ジョージアワインの主な産地は?

東部のカヘティ、中部のカルトリ、西部のイメレティ、北西部の山間のラチャとレチュフミ、黒海沿岸のグリア、サメグレロ、アジャラの8つです。最大の産地はカヘティで、2014年の農業センサスでは全国のブドウ畑の72.4%がこの地方にあります。

東部と西部のジョージアワインは、どう違いますか?

リヒ山脈を境に、東部は乾燥した大陸性、西部は湿潤な亜熱帯性の気候です。東部はサペラヴィの力強い赤と、果皮を長く漬け込むカヘティ式のアンバーワイン、西部は酸を保った軽快な白と、果皮を控えめに使うイメレティ式の甕醸造が伝統です。

ジョージアで一番大きなワイン産地は?

東部のカヘティです。2014年の農業センサスでは、全国のブドウ畑33.0千haのうち23.9千ha(72.4%)がカヘティにあり、ジョージアのPDO(原産地呼称)33のうち20もカヘティにあります。

半甘口の赤ワインで知られる産地は?

山間のラチャで造るフヴァンチカラと、カヘティのクヴァレリ市で造るキンズマラウリが代表です。どちらも発酵を途中で止めてブドウの糖を残す、天然の半甘口の赤です。

ジョージアのPDO(原産地呼称)はいくつありますか?

国立ワイン庁の登録簿に載る名前は33です(2026年9月21日時点)。カヘティに20、カルトリに4、イメレティとレチュフミに3ずつ、ラチャに2、サメグレロに1あります。

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執筆ジョージアワインストア データベース編集部
レビュー編集部(相互確認)
初回公開2026年9月4日
最終確認2026年9月28日
根拠の強さB(公的資料。政府統計・国立ワイン庁・PDO一覧)
主要出典2014年農業センサス(geostat)、国立ワイン庁 ブドウ畑カダストル(2023年)、国立ワイン庁 PDO一覧(2025年9月30日時点)、品種マスターリスト(VIVC 照合済み)。詳細は出典一覧

根拠の強さは、記述のもとになった資料がどれだけ確かかを A〜E で示す本サイトの目安です(A がもっとも確かで、B は政府機関の統計や PDO の規定などの公的資料)。定義は方法論、運営体制はこのサイトについてを参照。

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