東部
乾燥した大陸性気候
カヘティ、カルトリ。日照が多く乾燥し、ブドウはよく熟します。力強い赤(サペラヴィ)と、果皮を長く漬け込むカヘティ式アンバー(オレンジ)ワインの本場です。ジョージアのブドウ畑の7割超がこの側に集まります。
カヘティを見るジョージアのブドウ畑は、乾燥した東部から湿潤な西部、標高の高い山間部まで、対照的な気候帯に広がります。生産の中心は東部カヘティ。地域ごとに、育つ品種も造り方も味わいも変わります。まず東と西の違いを押さえ、次に8つの産地へ。ラベルの産地名がどんな味を意味するのか、このページで読み解けます。
東部・中部・山間の5つの産地と、黒海沿岸の3つの産地。それぞれのページで、気候と土壌、主要品種、PDO(原産地呼称)、味わいの傾向、よくある質問まで読めます。
東部。ジョージアのブドウ栽培面積の7割超(2014年農業センサスで72%、国立ワイン庁カダストル2023年では約88%)を占める最大産地。サペラヴィ、ルカツィテリ、PDO多数。アンバーワインの中心地。
西部。ツォリコウリなど白品種が中心。「チュリ」と呼ばれる甕を使う独自の醸造文化。酸の生きた軽快なスタイル。
中部。首都トビリシに近く、平坦な谷が広がる。チヌリ、ゴルリ・ムツヴァネなど。スパークリングワインの伝統も。
北西の山間部。アレクサンドロウリから造る半甘口赤「フヴァンチカラ」(PDO)で知られる小さな産地。
ラチャに隣接する山間の小産地。ツォリコウリやウサヘロウリなど希少品種の残る地域。
グリア、サメグレロ、アジャラ。黒海に近い湿潤な土地に、オジャレシやチハヴェリなど、この地方ならではの在来品種が育ちます。
産地名から味を想像するときに効く、気候・標高・製法の3点です。同じ品種でも、この3つが変わると別のワインになります。
1 ・ 気候
東の乾燥した気候ではブドウが完熟し、色が濃く力強いワインになります。西の湿潤な気候では熟度が穏やかで、酸が残った軽快なワインになります。同じルカツィテリでも、東西で印象は変わります。
2 ・ 標高
カヘティの平野部は完熟した赤とアンバーの産地です。ラチャやレチュフミの山間部は冷涼で、収穫が遅く糖が残りやすいため、フヴァンチカラのような天然の半甘口赤の伝統が生まれました。
3 ・ 製法
同じクヴェヴリ(甕)でも、果皮や茎ごと長く漬け込むカヘティ式と、果皮の使用を控えるイメレティ式では、色も渋みも別物です。ラベルに産地名があれば、どちらの伝統に近いかの手がかりになります。
2つの方式を比べる位置と気候、主要品種、代表的なスタイル、PDO。8つの産地を1つの表で見比べると、ラベルの産地名から味わいの方向が見えてきます。
| 産地 | 位置・気候 | 主要品種 | 代表的なスタイル | 主なPDO |
|---|---|---|---|---|
| カヘティ | 東部・乾燥した大陸性 | サペラヴィ、ルカツィテリ、キシ、ムツヴァネ・カフリ | 力強い赤、カヘティ式アンバー | ムクザニ、ツィナンダリ、キンズマラウリほか20 |
| イメレティ | 西部・湿潤 | ツォリコウリ、ツィツカ、クラフナ | 酸の生きた白、果皮控えめの甕醸造 | スヴィリ、オブチャ、サザノス・オツハヌリ |
| カルトリ | 中部・半乾燥 | チヌリ、ゴルリ・ムツヴァネ、タヴクヴェリ | 白、スパークリング | アテニ、ボルニシ、オカミ、アスレトゥリ・シャラ |
| ラチャ | 北西・山間、冷涼 | アレクサンドロウリ、ムジュレトゥリ | 天然の半甘口赤、辛口赤 | フヴァンチカラ、ラチャ |
| レチュフミ | 北西・山間 | ツォリコウリ、ウサヘロウリ | 天然の半甘口白、希少品種の赤 | トゥヴィシ、オクレシス・ウサヘロウリ、レチュフミ |
| サメグレロ | 西部・黒海沿岸、湿潤な亜熱帯 | オジャレシ、ツォリコウリ | 辛口と半甘口の赤 | サルヒノ・オジャレシ |
| グリア | 西部・黒海沿岸、湿潤な亜熱帯 | チハヴェリ、ジャニ、ツォリコウリ | ロゼ、天然の半甘口 | 品種名で選ぶ |
| アジャラ | 南西部・黒海と山あい | ツォリコウリ、チハヴェリ | 白、ロゼ・軽い赤 | 品種名で選ぶ |
PDO(原産地呼称)の一覧と仕様はジョージアのPDO一覧で整理しています。2026年9月21日時点で国立ワイン庁の登録簿に載る名称は33です。統計の基準年は出典ページを参照。
畑は小さくても、品種の多様さではジョージアの大切な一角です。グリア、サメグレロ、アジャラの3産地はそれぞれのページで、アブハジアの品種は品種マスターリストで読めます。
黒海に近い西部の丘陵地。淡赤のチハヴェリ、黒のジャニやムテヴァンディディなど、この地方ならではの品種が残ります。
西部の低地と丘陵。樹にブドウを這わせる伝統の栽培で知られ、黒ブドウのオジャレシの故郷です。
南西部、トルコ国境に接する山と海の地域。ブロラやクラルジュリなど10の在来品種を収録しています。
北西端の黒海沿岸。カチチ、アヴァシルフヴァなど7つの名前を収録。多くは研究機関のコレクションや歴史資料に残る品種です。
地域ごとの名前の数は品種マスターリスト(2026年9月6日版、70名称)に基づきます。
東部のカヘティ、中部のカルトリ、西部のイメレティ、北西部の山間のラチャとレチュフミ、黒海沿岸のグリア、サメグレロ、アジャラの8つです。最大の産地はカヘティで、2014年の農業センサスでは全国のブドウ畑の72.4%がこの地方にあります。
リヒ山脈を境に、東部は乾燥した大陸性、西部は湿潤な亜熱帯性の気候です。東部はサペラヴィの力強い赤と、果皮を長く漬け込むカヘティ式のアンバーワイン、西部は酸を保った軽快な白と、果皮を控えめに使うイメレティ式の甕醸造が伝統です。
東部のカヘティです。2014年の農業センサスでは、全国のブドウ畑33.0千haのうち23.9千ha(72.4%)がカヘティにあり、ジョージアのPDO(原産地呼称)33のうち20もカヘティにあります。
山間のラチャで造るフヴァンチカラと、カヘティのクヴァレリ市で造るキンズマラウリが代表です。どちらも発酵を途中で止めてブドウの糖を残す、天然の半甘口の赤です。
国立ワイン庁の登録簿に載る名前は33です(2026年9月21日時点)。カヘティに20、カルトリに4、イメレティとレチュフミに3ずつ、ラチャに2、サメグレロに1あります。
東の力強い赤とアンバー、西の爽やかな白、山あいの天然の半甘口。産地を知ったら、次はグラスで。ジョージアワイン専門店なら、品種や産地から好きな一本を選べます。
| 執筆 | ジョージアワインストア データベース編集部 |
| レビュー | 編集部(相互確認) |
| 初回公開 | 2026年9月4日 |
| 最終確認 | 2026年9月28日 |
| 根拠の強さ | B(公的資料。政府統計・国立ワイン庁・PDO一覧) |
| 主要出典 | 2014年農業センサス(geostat)、国立ワイン庁 ブドウ畑カダストル(2023年)、国立ワイン庁 PDO一覧(2025年9月30日時点)、品種マスターリスト(VIVC 照合済み)。詳細は出典一覧 |
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