同じ品種、ふたつの姿
ジョージアの白品種は、製法によってまったく別のワインになります。果汁だけをステンレスタンクで発酵させれば、酸の生きた淡い色の辛口白に。果皮・種とともにクヴェヴリで数か月醸せば、琥珀色でタンニンを持つアンバーワインになります。ルカツィテリはその両方で最も多く使われる品種です。
果皮色: 白 ・ თეთრი ・ White grape varieties
ジョージアの白ブドウ品種は、最大の栽培面積を持つルカツィテリを筆頭に、東部カヘティと西部イメレティ、中部カルトリで栽培される固有品種が中心です。同じ品種でも、ステンレスタンクで果汁だけを発酵させれば辛口白に、クヴェヴリで果皮とともに醸せばアンバー(オレンジ)ワインになります。ここでは、くわしく解説した8品種と、資料で確かめた6品種を、産地と栽培の状態とともに紹介します。
マスターリストに載る、白ブドウの正規品種。
同義語・同名異種を除いた数です。栽培の現存状態で 4 つに分けると、内訳は下のとおりです。
掲載品種は品種マスターリスト(2026年9月6日版)に基づきます。
01 — 主要品種
いちばん多く育つルカツィテリから、泡になるチヌリ、雌花だけを咲かせるサペナまで。気になる品種を選ぶと、その品種のページが開きます。
味わい、合う料理、産地まで。国立ワイン庁などの公的な資料で1つずつ確かめて、テーマごとにまとめました。
各地に残る在来品種を、名前の由来や育つ土地とともに、国立ワイン庁などの資料で確かめてまとめました。
状態区分: 商業栽培=商業規模で流通 / 少量・復興=限られた生産者が栽培 / コレクション=研究機関で保存 / 歴史資料のみ=古い文献に名が残る品種。くわしくは方法論へ。
02 — ほかの白品種
イメレティのクンザやトクラパ、アジャラの保存品種まで。各地に残るほかの白品種と、ルカツィテリの別の表記などを、品種マスターリストにまとめています。行を開くと、名前・産地・資料がわかります。
| 名称 | ジョージア語 | 判定 | 現存状態 | 主地域 | 根拠 | リスト |
|---|---|---|---|---|---|---|
クンザ Kundza(VIVC 6559) |
კუნძა | 正規品種 | 少量・復興 | イメレティ | B | 行を開く › |
トクラパ Tklapa(VIVC 12537) |
ტყლაპა | 正規品種 | 少量・復興 | イメレティ | B | 行を開く › |
ドンドグラビ Dondghlabi(VIVC 3643) |
დონდღლაბი | 正規品種 | 少量・復興 | イメレティ | B | 行を開く › |
クムシ・クヴィテリ Kumsi Kviteli(VIVC 6554) |
კუმსი ყვითელი | 正規品種 | 少量・復興 | カヘティ | B | 行を開く › |
ムツヴィヴァニ・カフリ Mtsvivani Kakhuri(VIVC 8130) |
მცვივანი კახური | 正規品種 | 少量・復興 | カヘティ | B | 行を開く › |
アラグヴィスピルリ Aragvispiruli(VIVC 20847) |
არაგვისპირული | 正規品種 | 少量・復興 | カルトリ | B | 行を開く › |
グルゼルムテヴァナ Grdzelmtevana(VIVC 4958) |
გრძელმტევანა | 正規品種 | 少量・復興 | カルトリ | B | 行を開く › |
チカパ Chkapa(VIVC 2593) |
ჭყაპა | 正規品種 | 少量・復興 | カルトリ | B | 行を開く › |
メリクダ Melikuda(VIVC 7606) |
მელიკუდა | 正規品種 | 少量・復興 | カルトリ | B | 行を開く › |
クラルジュリ Klarjuli(VIVC 6304) |
კლარჯული | 正規品種 | コレクション | アジャラ | B | 行を開く › |
ブロラ Brola(VIVC 1691) |
ბროლა | 正規品種 | コレクション | アジャラ | B | 行を開く › |
ホパトゥリ Khopaturi(VIVC 6189) |
ხოფათური | 正規品種 | コレクション | アジャラ | B | 行を開く › |
アヴァシルフヴァ Avasirkhva(VIVC 796) |
ავასირხვა | 正規品種 | コレクション | アブハジア | B | 行を開く › |
フナリジ Khunaliji(VIVC 22057) |
ხუნალიჟი | 正規品種 | コレクション | アブハジア | B | 行を開く › |
サクミエラ Sakmiela(VIVC 10487) |
საკმიელა | 正規品種 | コレクション | グリア | B | 行を開く › |
チヴィティルリ Chvitiluri(VIVC 2639) |
ჭვიტილური | 正規品種 | コレクション | サメグレロ | B | 行を開く › |
チェチペシ Chechipeshi(VIVC 2511) |
ჩეჭიფეში | 正規品種 | コレクション | サメグレロ | B | 行を開く › |
クヴィリスタヴァ Kviristava(VIVC 27331) |
კვირისთავა | 正規品種 | 歴史資料のみ | アジャラ | B | 行を開く › |
アムラフ Amlakhu(VIVC 20811) |
ამლახუ | 正規品種 | 歴史資料のみ | アブハジア | B | 行を開く › |
Ркацители 同義語 → 正規品種「ルカツィテリ」 |
同義語 | 商業栽培 | — | B | 行を開く › | |
ムツヴァネ Mtsvane(複数の品種が同名) |
მწვანე | 同名異種 | 商業栽培 | 複数 | B | 行を開く › |
「根拠」は根拠の強さです(A〜E)。A=DNA鑑定や研究機関に保存された株、B=国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC・政府・PDOの規定、C=学術論文、D=歴史的な品種誌、E=生産者・メディア。A がもっとも確かな根拠で、B・C・D・E の順に続きます。
03 — スタイルの傾向
同じ白ブドウが、造り方と産地で、まったく別のワインになります。
ジョージアの白品種は、製法によってまったく別のワインになります。果汁だけをステンレスタンクで発酵させれば、酸の生きた淡い色の辛口白に。果皮・種とともにクヴェヴリで数か月醸せば、琥珀色でタンニンを持つアンバーワインになります。ルカツィテリはその両方で最も多く使われる品種です。
東部カヘティでは、果皮の全量〜大部分を投入して越冬させる「カヘティ式」が伝統で、ルカツィテリ、ムツヴァネ・カフリ、キシ、ヒフヴィから力強いアンバーワインが生まれます。西部イメレティでは、果皮を少量のみ使う「イメレティ式」が典型で、ツォリコウリやツィツカは淡い色と軽快な酸を保った白になります。
ルカツィテリやツォリコウリは香りが穏やかで酸が骨格になるのに対し、ムツヴァネ・カフリやキシは花や果実の香りが華やかに広がります。中部カルトリのチヌリとゴルリ・ムツヴァネ、西部のツィツカは酸を活かしてスパークリングワインにもなります。チヌリとゴルリ・ムツヴァネからは、スパークリング「アテヌリ」が生まれます。
04 — よくある質問
ジョージアの白品種は、果皮・種とともにクヴェヴリで数か月醸すと、琥珀色でタンニンを持つアンバーワインになります。東部カヘティの伝統的な「カヘティ式」では、ルカツィテリ、ムツヴァネ・カフリ、キシ、ヒフヴィから力強いアンバーワインが生まれます。
はい。果汁だけをステンレスタンクで発酵させれば、酸の生きた淡い色の辛口白に。果皮・種とともにクヴェヴリで醸せば、アンバーワインになります。ルカツィテリはその両方で最も多く使われる品種です。
酸のしっかりしたチヌリとゴルリ・ムツヴァネ(中部カルトリ)、西部のツィツカです。チヌリとゴルリ・ムツヴァネからは、スパークリング「アテヌリ」が生まれます。
05 — 飲んでみる
すっきりした辛口白から、琥珀色のアンバーワインまで。気になる品種の一本を、グラスで確かめてみませんか。