黒品種 ・ ワイン用 ・ 品種登録番号 8840

オツハヌリ・サペレ

Otskhanuri Sapere ・ ოცხანური საფერე

オツハヌリ・サペレは、ジョージア西部イメレティ(およびラチャ・レチュフミ)で少量栽培される黒ブドウ品種です。名前はサペラヴィと同じ「染める」を意味する語根を持ちますが、遺伝的には別の品種です。酸とタンニンの強い、長く熟成できる赤を生み、2024年12月に登録されたPDOオブチャの赤はこの品種100%と定められています。2004年の栽培面積はわずか5 haで、復興の途中にある品種です。

オツハヌリ・サペレの房の接写。濃い紫からほぼ黒の丸い果粒が大きさ不揃いに詰まった小さな円錐形の房と、深く開いた切れ込みの葉。手前に半分に切った果粒(イメージ)
栽培面積
5ha
2004年、国立ワイン庁の調査。すべて家族経営の畑
使用品種に挙げるPDO
2件
オブチャ、サザノス・オツハヌリ
熟成のピーク
10〜15年
国立ワイン庁の記述
収穫
10月上旬〜
晩生。11月中旬まで続くことも
根拠の強さ
B
公的資料。国際登録簿と国立ワイン庁の資料で確認

根拠の強さ(A〜E)の定義は方法論を参照。出典は出典一覧に記載。

01 — 名称

オツハヌリ・サペレの意味は「オツハナ村の、染めるもの」。

ოცხანური საფერე=オツハナ村の、染めるもの

オツハヌリ・サペレ(ოცხანური საფერე)は、西部ジョージアの村オツハナに由来する「オツハヌリ」と、サペラヴィと同じく「染める・色を付ける」を意味する語根を持つ「サペレ」から成る名前です。名前は似ていますがサペラヴィとは別の品種で、「アルグヴェトゥリ・サペレ」という別名でも知られます。

02 — 熟成で開く赤

若いうちは硬く、時間で開く。

オツハヌリ・サペレのワインは、なぜ寝かせる価値があるのか。答えは高い酸と、しっかりしたタンニンにあります。若いワインは噛みごたえのある硬さを持ち、時間とともに開いていきます。

10〜15年の熟成で、ピークを迎えます。さらに長く熟成させることもできます(国立ワイン庁)。

高い酸が骨格

語根が同じサペラヴィほど色は濃くならず、高い酸が骨格の中心になります。

最も古い品種の一つ

国立ワイン庁は「最も古いジョージア品種の一つ」とし、ジョージア西部だけで育つ品種と記しています。

2つのPDOの主役

2004年には5 haだった品種が、2024〜2025年に登録された2つのPDO(原産地呼称)で赤の主役になりました。

03 — 味わい

オツハヌリ・サペレの味わいとは?

明るい果実に、硬い骨格。

辛口赤の場合の目安です。

香り

若いうちはチェリー、森の果実、プラム、ハーブの明るい風味。

濃いルビー、高い酸

色は濃いルビー。高い酸としっかりしたタンニンが、ミディアム〜フルボディの赤を支えます。

国際品種で例えると

高い酸と硬いタンニンで長く熟成する赤です。ネッビオーロやサグランティーノのように、若いうちは硬く、時間とともに開く赤をイメージしてください。

オツハヌリ・サペレの赤ワインをグラスに、雨の夕暮れ、石畳の通りに面したワインバーの軒先で(イメージ)

合わせる料理

煮込みの肉と、クルミのソース。

仔羊や豚の煮込み、直火焼きの肉、クルミのソースを使う西ジョージアの料理、熟成チーズと。若いワインは料理の脂と合わせると硬さが和らぎます。

04 — スタイル

2つのPDOと、家族の畑。3つのスタイル。

同じオツハヌリ・サペレでも、産地と造り方で表情が変わります。イメレティでは10月上旬から11月中旬にかけて、小さな房の色と種の熟し具合を確かめながら摘みます。好みのスタイルを見つけてください。

イメレティでのオツハヌリ・サペレの収穫の昼食。畑の草地に広げた布の上のパン、チーズ、トマトと、摘んだばかりの黒い房と鋏(イメージ)
オツハヌリ・サペレの熟す時期と育ち方
成熟期・収穫晩生(1960年の記録では10月末〜11月初めに熟す)
木の勢い中〜やや強
収量1 haあたり4〜8トン(イメレティ)

成熟期・樹勢・収量はジョージアのブドウ品種を記録した図鑑『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)によります。

1つの品種、3つの顔。

STYLE 01

辛口赤(PDOオブチャ)

オブチャ村周辺で造る、イメレティの赤。

造り
オツハヌリ・サペレ100%
色
濃いルビー
味わい
高い酸と硬いタンニン

バグダティ市の呼称で、2024年12月に登録されました。ツォリコウリ主体のアンバー(オレンジ)ワインと並んで、この品種の赤が定められています。

STYLE 02

辛口赤(PDOサザノス・オツハヌリ)

品種名を名前に含む、この品種の赤のための呼称。

造り
オツハヌリ・サペレ主体(サペラヴィは5%まで)

イメレティのテルジョラ、ゼスタポニで造る辛口赤の呼称で、2025年9月に登録されました。

STYLE 03

家族経営の畑の赤

家族の畑で少量仕込む、PDO表示のない赤。

造り
チュリ(イメレティの甕)仕込みから近代的製法まで

2004年の5 haは、すべて家族経営の畑でした。イメレティのほか、ラチャ、レチュフミでも育てられています。

05 — ブドウとしての性質

房、粒、葉の形。

濃い紫の小さな丸い粒に厚く丈夫な果皮、粒の詰まった房。畑でオツハヌリ・サペレを見分ける手がかりを、ジョージアのブドウ品種図鑑『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)の測定値で紹介します。

オツハヌリ・サペレの特徴の解説図。小さな円錐形で肩付きの房、濃紫〜黒の果皮、小さく大きさ不揃いの果粒、淡色の果肉と透明〜淡桃色の果汁、深く開く切れ込みの葉(イメージ)
果皮色
濃い紫〜ほぼ黒
表面に白い粉(果粉)がつく
果粒
円形
長さ12〜13 mm、幅11〜12 mm(小粒)
房
円錐〜円錐円筒・密
長さ8〜13 cm、幅6〜8 cm(やや小ぶり)
葉
3裂または5裂
円形
もっと詳しく見る(皮の厚さ、果肉、葉の裏、熟す時期など)
オツハヌリ・サペレの形態
果皮厚く丈夫、果肉から離れやすい
果肉・果汁固めで多汁。果汁は透明〜淡いピンク
葉の切れ込み上側は深く切れ込むことが多く、切れ込みは開いて竪琴のような形になる
葉の裏面裏面はフェルト状とクモの巣状の毛が厚く重なる。表面は濃い緑

出典: 『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)。英訳を掲載するジョージア国立議会図書館のウェブ辞典(NPLG Wiki Dictionaries)で確認しています。同じデータは品種マスターリストでも確認できます。

06 — PDOと産地

オツハヌリ・サペレで造る、2つのPDOワイン。

PDO(原産地呼称)は、産地と造り方が法律で定められたワインの名前です。ラベルに「オブチャ」の赤、または「サザノス・オツハヌリ」とあれば、オツハヌリ・サペレが主体のワインです。2つのPDOは、どちらもイメレティの辛口赤の呼称です。

PDOの一覧を見る(2件)
オツハヌリ・サペレを使用品種に挙げるPDO
PDO区域タイプ使用品種
オブチャObchaイメレティ(バグダティ)辛口アンバー・辛口赤ツォリコウリ主体(アンバー)/ オツハヌリ・サペレ(赤)
サザノス・オツハヌリSazanos Otskhanuriイメレティ(テルジョラ、ゼスタポニ)辛口赤オツハヌリ・サペレ(サペラヴィを5%まで)

07 — よくある質問

よくある質問。

オツハヌリ・サペレはサペラヴィと同じ? どんな味? 気になる9つの疑問に、短く答えます。

オツハヌリ・サペレとは、どんなブドウですか?

ジョージア西部イメレティを中心に、ラチャ・レチュフミでも育つ黒ブドウ品種です(VIVC 8840)。酸とタンニンの強い、長く熟成できる赤を生みます。

オツハヌリ・サペレはサペラヴィと同じ品種ですか?

別の品種です。どちらも「染める」を意味する語を名に持ちますが、VIVCでは別品種として登録されています(オツハヌリ・サペレは8840、サペラヴィは10708)。「オツハヌリ」は西部ジョージアの村オツハナに由来します。

オツハヌリ・サペレの味の特徴は?

若いうちはチェリー、森の果実、プラム、ハーブの明るい風味に、高い酸としっかりしたタンニン。噛みごたえのある硬さがあり、10〜15年の熟成でピークを迎えます(国立ワイン庁)。

オツハヌリ・サペレは赤ワインの品種ですか?

はい。黒ブドウ品種で、辛口赤に仕立てられます。PDOのワインのほか、家族経営の畑でもチュリ(イメレティの甕)仕込みや近代的製法の赤が造られています。

オツハヌリ・サペレに合う料理は?

仔羊や豚の煮込み、直火焼きの肉、クルミのソースを使う西ジョージアの料理、熟成チーズと合わせます。若いワインは、料理の脂と合わせると硬さが和らぎます。

オツハヌリ・サペレを使うPDOは?

2つあります。2024年12月登録のPDOオブチャ(赤はこの品種100%)と、2025年9月登録のPDOサザノス・オツハヌリ(サペラヴィは5%まで)で、どちらもイメレティの呼称です。

オツハヌリ・サペレの栽培面積は?

国立ワイン庁の調査では、2004年に5 haで、すべて家族経営の畑でした。その後、2024〜2025年に登録された2つのPDOで赤の主役になっています。

「アルグヴェトゥリ・サペレ」はオツハヌリ・サペレと同じ品種ですか?

はい。VIVCに記録された別名の一つで、アルグヴェティはイメレティの歴史的な地域名です。VIVCには、これを含め14の別名やつづりの違いが記録されています。

オツハヌリ・サペレのワインは、どこで買えますか?

ジョージアワインの専門店や輸入元の通販で入手できます。ラベルのPDO名「オブチャ」(赤)や「サザノス・オツハヌリ」、または品種名「オツハヌリ・サペレ(Otskhanuri Sapere)」が目印です。

出典と検証。

オツハヌリ・サペレは、国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC に8840番で登録され、サペラヴィとは独立した品種として扱われています。ジョージアを含む7か国11の機関に、遺伝資源として保存されています。

詳細な参照情報は出典一覧および品種マスターリスト(CSV / JSON)で公開しています。

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執筆ジョージアワインストア データベース編集部
レビュー編集部(品種データ担当が相互確認)
初回公開2026年9月5日
最終確認2026年9月28日
根拠の強さB(公的資料。国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC と国立ワイン庁の資料で確認)
主要出典VIVC、国立ワイン庁、PDOの規定(オブチャ、サザノス・オツハヌリ)

根拠の強さ(A〜E)の定義は方法論、運営体制はこのサイトについてを参照。

資料は、こう書いている。

このページの根拠になった資料を、資料ごとに紹介します。

2004
国立ワイン庁

イメレティ(およびラチャ・レチュフミ)、5 ha

政府機関
2024
国立ワイン庁(PDOオブチャ)

PDOオブチャの赤はオツハヌリ・サペレ100%

政府機関
2026
VIVC

登録番号 8840(OTSKHANURI SAPERE、黒)。サペラヴィとは遺伝的に別

国際データベース