高い酸が骨格
語根が同じサペラヴィほど色は濃くならず、高い酸が骨格の中心になります。
01 — 名称
ოცხანური საფერე=オツハナ村の、染めるもの
オツハヌリ・サペレ(ოცხანური საფერე)は、西部ジョージアの村オツハナに由来する「オツハヌリ」と、サペラヴィと同じく「染める・色を付ける」を意味する語根を持つ「サペレ」から成る名前です。名前は似ていますがサペラヴィとは別の品種で、「アルグヴェトゥリ・サペレ」という別名でも知られます。
02 — 熟成で開く赤
オツハヌリ・サペレのワインは、なぜ寝かせる価値があるのか。答えは高い酸と、しっかりしたタンニンにあります。若いワインは噛みごたえのある硬さを持ち、時間とともに開いていきます。
10〜15年の熟成で、ピークを迎えます。さらに長く熟成させることもできます(国立ワイン庁)。
語根が同じサペラヴィほど色は濃くならず、高い酸が骨格の中心になります。
国立ワイン庁は「最も古いジョージア品種の一つ」とし、ジョージア西部だけで育つ品種と記しています。
2004年には5 haだった品種が、2024〜2025年に登録された2つのPDO(原産地呼称)で赤の主役になりました。
03 — 味わい
明るい果実に、硬い骨格。
辛口赤の場合の目安です。
若いうちはチェリー、森の果実、プラム、ハーブの明るい風味。
色は濃いルビー。高い酸としっかりしたタンニンが、ミディアム〜フルボディの赤を支えます。
高い酸と硬いタンニンで長く熟成する赤です。ネッビオーロやサグランティーノのように、若いうちは硬く、時間とともに開く赤をイメージしてください。
合わせる料理
仔羊や豚の煮込み、直火焼きの肉、クルミのソースを使う西ジョージアの料理、熟成チーズと。若いワインは料理の脂と合わせると硬さが和らぎます。
04 — スタイル
同じオツハヌリ・サペレでも、産地と造り方で表情が変わります。イメレティでは10月上旬から11月中旬にかけて、小さな房の色と種の熟し具合を確かめながら摘みます。好みのスタイルを見つけてください。
| 成熟期・収穫 | 晩生(1960年の記録では10月末〜11月初めに熟す) |
| 木の勢い | 中〜やや強 |
| 収量 | 1 haあたり4〜8トン(イメレティ) |
成熟期・樹勢・収量はジョージアのブドウ品種を記録した図鑑『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)によります。
STYLE 01
オブチャ村周辺で造る、イメレティの赤。
バグダティ市の呼称で、2024年12月に登録されました。ツォリコウリ主体のアンバー(オレンジ)ワインと並んで、この品種の赤が定められています。
STYLE 02
品種名を名前に含む、この品種の赤のための呼称。
イメレティのテルジョラ、ゼスタポニで造る辛口赤の呼称で、2025年9月に登録されました。
STYLE 03
家族の畑で少量仕込む、PDO表示のない赤。
2004年の5 haは、すべて家族経営の畑でした。イメレティのほか、ラチャ、レチュフミでも育てられています。
05 — ブドウとしての性質
濃い紫の小さな丸い粒に厚く丈夫な果皮、粒の詰まった房。畑でオツハヌリ・サペレを見分ける手がかりを、ジョージアのブドウ品種図鑑『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)の測定値で紹介します。
| 果皮 | 厚く丈夫、果肉から離れやすい |
| 果肉・果汁 | 固めで多汁。果汁は透明〜淡いピンク |
| 葉の切れ込み | 上側は深く切れ込むことが多く、切れ込みは開いて竪琴のような形になる |
| 葉の裏面 | 裏面はフェルト状とクモの巣状の毛が厚く重なる。表面は濃い緑 |
出典: 『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)。英訳を掲載するジョージア国立議会図書館のウェブ辞典(NPLG Wiki Dictionaries)で確認しています。同じデータは品種マスターリストでも確認できます。
06 — PDOと産地
PDO(原産地呼称)は、産地と造り方が法律で定められたワインの名前です。ラベルに「オブチャ」の赤、または「サザノス・オツハヌリ」とあれば、オツハヌリ・サペレが主体のワインです。2つのPDOは、どちらもイメレティの辛口赤の呼称です。
| PDO | 区域 | タイプ | 使用品種 |
|---|---|---|---|
| オブチャObcha | イメレティ(バグダティ) | 辛口アンバー・辛口赤 | ツォリコウリ主体(アンバー)/ オツハヌリ・サペレ(赤) |
| サザノス・オツハヌリSazanos Otskhanuri | イメレティ(テルジョラ、ゼスタポニ) | 辛口赤 | オツハヌリ・サペレ(サペラヴィを5%まで) |
07 — よくある質問
オツハヌリ・サペレはサペラヴィと同じ? どんな味? 気になる9つの疑問に、短く答えます。
ジョージア西部イメレティを中心に、ラチャ・レチュフミでも育つ黒ブドウ品種です(VIVC 8840)。酸とタンニンの強い、長く熟成できる赤を生みます。
別の品種です。どちらも「染める」を意味する語を名に持ちますが、VIVCでは別品種として登録されています(オツハヌリ・サペレは8840、サペラヴィは10708)。「オツハヌリ」は西部ジョージアの村オツハナに由来します。
若いうちはチェリー、森の果実、プラム、ハーブの明るい風味に、高い酸としっかりしたタンニン。噛みごたえのある硬さがあり、10〜15年の熟成でピークを迎えます(国立ワイン庁)。
はい。黒ブドウ品種で、辛口赤に仕立てられます。PDOのワインのほか、家族経営の畑でもチュリ(イメレティの甕)仕込みや近代的製法の赤が造られています。
仔羊や豚の煮込み、直火焼きの肉、クルミのソースを使う西ジョージアの料理、熟成チーズと合わせます。若いワインは、料理の脂と合わせると硬さが和らぎます。
2つあります。2024年12月登録のPDOオブチャ(赤はこの品種100%)と、2025年9月登録のPDOサザノス・オツハヌリ(サペラヴィは5%まで)で、どちらもイメレティの呼称です。
国立ワイン庁の調査では、2004年に5 haで、すべて家族経営の畑でした。その後、2024〜2025年に登録された2つのPDOで赤の主役になっています。
はい。VIVCに記録された別名の一つで、アルグヴェティはイメレティの歴史的な地域名です。VIVCには、これを含め14の別名やつづりの違いが記録されています。
ジョージアワインの専門店や輸入元の通販で入手できます。ラベルのPDO名「オブチャ」(赤)や「サザノス・オツハヌリ」、または品種名「オツハヌリ・サペレ(Otskhanuri Sapere)」が目印です。
08 — 飲んでみる
読んだあとは、グラスで確かめる番です。イメレティの生産者が仕込むオツハヌリ・サペレの赤を、ジョージアワイン専門店で見つけてください。
オツハヌリ・サペレは、国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC に8840番で登録され、サペラヴィとは独立した品種として扱われています。ジョージアを含む7か国11の機関に、遺伝資源として保存されています。
このページの根拠になった資料を、資料ごとに紹介します。
イメレティ(およびラチャ・レチュフミ)、5 ha
政府機関PDOオブチャの赤はオツハヌリ・サペレ100%
政府機関登録番号 8840(OTSKHANURI SAPERE、黒)。サペラヴィとは遺伝的に別
国際データベース