西部 ・ 湿潤な気候の白ワイン産地

イメレティ地方のワイン

Imereti ・ იმერეთი

イメレティ(Imereti)は、リヒ山脈の西、リオニ川とその支流の流域に広がるジョージア西部のワイン産地です。黒海の影響を受けた湿潤な気候のもと、ツォリコウリ、ツィツカ、クラフナなどの白ブドウが育ち、酸を保った軽快な白が生まれます。甕を「チュリ」と呼び、果皮を控えめに使う「イメレティ式」の醸造で知られ、辛口白のスヴィリなど3つのPDO(原産地呼称)があります。

位置
ジョージア西部
リヒ山脈の西、リオニ川流域
気候
湿潤
東部より雨が多く、夜は涼しい
ブドウ畑
5.0千ha
全国の15.1%(2014年農業センサス)
主要品種
ツォリコウリ
ツィツカ、クラフナ、オツハヌリ・サペレ
PDO
3
スヴィリ、オブチャ、サザノス・オツハヌリ

01 — 位置

イメレティは、リオニ川の流れる西の丘。

リヒ山脈を越えた西側、州都クタイシを中心に、リオニ川中流域からコルヘティ低地の縁まで。ブドウ畑の広さはカヘティに次ぐ、西部最大の産地です。

イメレティの位置と概要
位置ジョージア西部。リヒ山脈の西側、リオニ川中流域からコルヘティ低地の縁にかけて
行政区分イメレティ州(州都クタイシ)
主要な河川・谷リオニ川、クヴィリラ川ほか支流の谷
下位地区・村国立ワイン庁の区分では上・中・下イメレティ。ゼスタポニ、テルジョラ、バグダティ、ヴァニ周辺などに畑が分布
ブドウ畑の面積5.0千ha、全国の15.1%(2014年農業センサス)
主要品種ツォリコウリ、ツィツカ、クラフナ(白)、オツハヌリ・サペレ(黒)
代表的な製法チュリ(甕)による果皮控えめの醸し、ステンレスタンクによる近代的醸造
PDOスヴィリ、オブチャ、サザノス・オツハヌリ

02 — 気候と土壌

黒海の雨が届く丘、イメレティの気候と土壌を解説。

イメレティの気候は湿潤で、東部カヘティより雨が多く、曇りの日や涼しい夜が夏の暑さを和らげます。黒海からの湿った空気はリヒ山脈で東へ抜けにくく、イメレティ側に雨をもたらします。

低い畑と、たっぷりの雨

主要な畑は標高50〜500mに広がります。雨は東部より大幅に多く、生育期も湿度が高いため、病気への対策に手をかけてブドウを育てます。

丘ごとに変わる土

粘土、泥灰土(マール)、沖積土、石灰質が丘陵ごとに入り混じります。こうした条件から、酸をしっかり保った白ワインが生まれます。

区域の気候の例: スヴィリ(ゼスタポニ市)

年平均気温
11.9℃
7〜8月は22.9〜23.1℃
降水量
884mm
年間。5月と6月が多い
日照
2,180時間 超
年間
畑の標高
220m
コルヘティ低地の東端

数値はPDO「スヴィリ」の規定(国立ワイン庁)によります。

04 — 造り方

果皮は少しだけ、イメレティ式の甕醸造。

イメレティでは甕を「チュリ」と呼び、白ブドウの果皮を少量だけ(または果汁のみを)入れて、カヘティ式より短い期間で醸します。琥珀色でタンニンの強いカヘティ式に対し、色が淡く酸の生きた白になります。

ステンレスタンクによる醸造も広く行われ、果実味と酸のすっきりした白も楽しめます。甕とタンク、2 つの造りの飲み比べができる産地です。

イメレティ式とカヘティ式の違い
方式果皮の使い方味わいの傾向
イメレティ式(チュリ)少量・短期淡い色、酸の生きた軽快さ
カヘティ式(参考)全量〜大部分・数か月琥珀色、タンニン、複雑さ
近代的製法ほぼなしクリーンな果実味と酸

06 — よくある質問

よくある質問。

イメレティとは、どんなワイン産地ですか?

ジョージア西部、リヒ山脈の西でリオニ川とその支流の流域に広がる産地です。2014年の農業センサスでは全国のブドウ畑の15.1%(5.0千ha)があり、カヘティに次ぐ規模です。ツォリコウリ、ツィツカ、クラフナなどの白ブドウが中心で、PDO(原産地呼称)は3つあります。

イメレティのワインには、どんな特徴がありますか?

黒海の影響を受けた湿潤な気候で、夏の暑さは曇りの日や涼しい夜に和らぎます。酸を保った軽快な白がよく知られ、黒ブドウのオツハヌリ・サペレからは熟成に向く赤も造られます。

「チュリ」「イメレティ式」とは何ですか?

イメレティでは甕(クヴェヴリ)を「チュリ」と呼びます。白ブドウの果皮を少量だけ(または果汁のみを)入れ、カヘティ式より短い期間で醸すのがイメレティ式です。色が淡く、酸の生きた白になります。

イメレティのPDOワインは?

3つあります。ゼスタポニ市の辛口白スヴィリ(2007年)、バグダティ市のアンバーと赤のオブチャ(2024年12月)、オツハヌリ・サペレの赤のサザノス・オツハヌリ(2025年9月)です。

ツォリコウリとは、どんなブドウですか?

西部ジョージアで最も広く栽培される白ブドウの一つです。イメレティのスヴィリの主要品種で、レチュフミの半甘口白トゥヴィシにも使われます。

カヘティのワインとは、どう違いますか?

リヒ山脈を境に、東のカヘティは乾燥した大陸性、西のイメレティは湿潤な気候です。カヘティは力強い赤と果皮を長く漬け込むアンバー、イメレティは酸の生きた白と果皮を控えめに使う甕醸造が伝統です。

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執筆ジョージアワインストア データベース編集部
レビュー編集部(相互確認)
初回公開2026年9月4日
最終確認2026年9月28日
根拠の強さB(公的資料。国立ワイン庁の産地区分・PDO仕様書・政府統計)
主要出典国立ワイン庁の産地区分・PDO仕様書、2014年農業センサス(geostat)、国立ワイン庁 ブドウ畑カダストル(2023年)。詳細は出典一覧
注記味わいとスタイルは、この地域の代表的なワインの傾向として記しています。統計の基準年は本文と出典一覧に記載しています。

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