東部 ・ ジョージア最大のワイン産地

カヘティ地方のワイン

Kakheti ・ კახეთი

カヘティ(Kakheti)は、ジョージア東部にある同国最大のワイン産地です。全国のブドウ畑の72.4%がこの地方に集まり(2014年農業センサス)、力強い赤のサペラヴィと白のルカツィテリが育ちます。ツィナンダリ、ムクザニ、キンズマラウリなど、ジョージアのPDO(原産地呼称)33のうち20がここにあり、白ブドウを果皮ごと甕で醸す「カヘティ式」クヴェヴリ醸造の本場でもあります。

位置
ジョージア東部
アラザニ渓谷とイオリ渓谷
気候
乾燥した大陸性
日照が多く、収穫期は乾燥
ブドウ畑
23.9千ha
全国の72.4%(2014年農業センサス)
主要品種
サペラヴィ
ルカツィテリ、キシ、ムツヴァネ・カフリ
PDO
20
ジョージアの33のうち

01 — 位置

カヘティは、トビリシの東に広がる谷。

首都トビリシの東からアゼルバイジャンとの国境地帯まで。大コーカサス山脈の南に開けたアラザニ渓谷が、ジョージアワインの中心です。

カヘティの位置と概要
位置ジョージア東部。首都トビリシの東、アゼルバイジャンとの国境地帯まで
行政区分カヘティ州(州都テラヴィ)
主要な谷アラザニ渓谷、イオリ渓谷
ブドウ畑の面積23.9千ha、全国33.0千haの72.4%(2014年農業センサス)
主要品種サペラヴィ、ルカツィテリ、キシ、ムツヴァネ・カフリ、ヒフヴィ
代表的な製法カヘティ式クヴェヴリ醸造と、ステンレスタンクによる近代的醸造
PDO20(ツィナンダリ、ムクザニ、キンズマラウリほか)

02 — 気候と土壌

山に守られた乾いた谷、カヘティの気候と土壌を解説。

カヘティの気候は乾燥した大陸性で、日照が多く、ブドウが十分に熟します。大コーカサス山脈が北からの寒気を、ツィヴ・ゴンボリ山系が西からの湿気を遮り、アラザニ渓谷に安定した生育環境をつくります。

標高と雨

主要な畑は標高250〜800mに広がります。雨は西部ジョージアより大幅に少なく、収穫期は乾燥します。春の雹(ひょう)は、昔からこの地域で注意される気象です。

谷筋ごとの土壌

石灰質、粘土、沖積土が谷筋ごとに入り混じります。渓谷の北側(アラザニ川左岸)と南側(右岸)では土壌と日照が異なり、PDOの区域にもその違いが表れています。

区域の気候の例: キンズマラウリ(クヴァレリ市、左岸)

年平均気温
12.5℃
7〜8月は23.6℃
日照
2,050時間
年間
降水量
1,070mm
年間。うち生育期に800mm
畑の標高
250–550m
南向きの緩やかな斜面と段丘

数値はPDO「キンズマラウリ」の規定(国立ワイン庁)によります。

04 — 造り方

果皮ごと醸す、カヘティ式クヴェヴリ。

白ブドウを果皮・種・(生産者により)梗ごとクヴェヴリに入れ、数か月漬け込むのがカヘティ式です。タンニンのしっかりした琥珀色のワインになります。

同じカヘティで、ステンレスタンクによる果実味と酸のすっきりした白や赤も広く造られています。1本の産地名の中に、伝統と近代の両方の味わいがあります。

カヘティの製法と味わいの傾向
方式果皮とともに置く期間味わいの傾向
カヘティ式長い(数か月)琥珀色、タンニン、複雑さ
近代的製法ほぼなしクリーンな果実味と酸

05 — PDO

カヘティのPDOワイン、20の名前。

PDO(原産地呼称)は、区域・品種・製法を国が定めたワインの名前です。ジョージアの33のうち20がカヘティにあります。村や区域の名前が、そのまま味わいの手がかりになります。

辛口白

ツィナンダリ

テラヴィ市、アラザニ川右岸。ルカツィテリ85%以上にムツヴァネ・カフリを合わせる。

2005年登録 ツィナンダリの詳細へ
辛口赤

ムクザニ

グルジャアニ市、右岸の10村。サペラヴィ100%。

2005年登録 ムクザニの詳細へ
天然半甘口赤

キンズマラウリ

クヴァレリ市、左岸。発酵を途中で止め、サペラヴィの糖を残す。

2006年登録 キンズマラウリの詳細へ
天然半甘口赤

アハシェニ

グルジャアニ市、右岸。サペラヴィの天然半甘口。

2005年登録 アハシェニの詳細へ
辛口白・辛口赤

ナパレウリ

テラヴィ市。白はルカツィテリ、赤はサペラヴィ。

2007年登録 ナパレウリの詳細へ
辛口赤

クヴァレリ

クヴァレリ市、左岸。サペラヴィのみ。

2007年登録 クヴァレリの詳細へ
辛口白

グルジャアニ

グルジャアニ市。ルカツィテリにムツヴァネ・カフリを15%程度まで。

2005年登録 グルジャアニの詳細へ
辛口白

ヴァジスバニ

グルジャアニ市。ルカツィテリにムツヴァネ・カフリを15%程度まで。

2007年登録 ヴァジスバニの詳細へ
辛口アンバー・酒精強化白

カルデナヒ

グルジャアニ市。ルカツィテリにムツヴァネ・カフリとヒフヴィを合わせる。

2007年登録 カルデナヒの詳細へ
辛口白

マナヴィ

サガレジョ市。ムツヴァネ・カフリのみ。

2006年登録 マナヴィの詳細へ
辛口赤

テリアニ

テラヴィ市。カベルネ・ソーヴィニヨンの赤。

2007年登録 テリアニの詳細へ

このほかのカヘティのPDO(PDO一覧の該当行へ):

06 — よくある質問

よくある質問。

カヘティとは、どんなワイン産地ですか?

ジョージア東部にある、同国最大のワイン産地です。2014年の農業センサスでは、全国のブドウ畑33.0千haのうち23.9千ha(72.4%)がカヘティにあります。黒ブドウのサペラヴィと白ブドウのルカツィテリが中心で、ジョージアのPDO(原産地呼称)33のうち20がこの地方にあります。

カヘティのワインには、どんな特徴がありますか?

乾燥した大陸性の気候で日照が多く、ブドウがよく熟します。サペラヴィの力強い赤と、白ブドウを果皮ごとクヴェヴリ(甕)で醸す琥珀色のアンバーワインが代表的です。ステンレスタンクで造る、果実味と酸のすっきりした白や赤も広く造られています。

「カヘティ式」のクヴェヴリ醸造とは何ですか?

白ブドウを果皮・種・(生産者により)梗ごとクヴェヴリに入れ、数か月漬け込んで醸す方法です。タンニンのしっかりした琥珀色のワインになります。西部イメレティでは果皮を少量だけ使う「イメレティ式」が伝統です。

カヘティの代表的なPDOワインは?

辛口白のツィナンダリ(ルカツィテリ主体)、辛口赤のムクザニ(サペラヴィ100%)、天然半甘口赤のキンズマラウリ(サペラヴィ)がよく知られます。このほかアハシェニ、ナパレウリ、クヴァレリ、グルジャアニ、マナヴィ、テリアニなど、カヘティには20のPDOがあります。

アラザニ川の左岸と右岸で、ワインは違いますか?

アラザニ渓谷の北側(左岸)と南側(右岸)では土壌と日照が異なり、PDOの区域もそれに沿って分かれています。左岸のクヴァレリ市にはキンズマラウリとクヴァレリ、右岸にはムクザニ、アハシェニ、ツィナンダリなどがあります。

カヘティの主なブドウ品種は?

黒ブドウのサペラヴィ、白ブドウのルカツィテリ、キシ、ムツヴァネ・カフリ、ヒフヴィが代表的です。ツィナンダリやグルジャアニのように、ルカツィテリにムツヴァネ・カフリを合わせるPDOもあります。

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執筆ジョージアワインストア データベース編集部
レビュー編集部(相互確認)
初回公開2026年9月3日
最終確認2026年9月28日
根拠の強さB(公的資料。国立ワイン庁の産地区分・PDO仕様書・政府統計)
主要出典国立ワイン庁の産地区分・PDO仕様書、2014年農業センサス(geostat)、国立ワイン庁 ブドウ畑カダストル(2023年)。詳細は出典一覧
注記味わいとスタイルは、この地域の代表的なワインの傾向として記しています。統計の基準年は本文と出典一覧に記載しています。

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