黒品種 ・ 少量・復興 ・ VIVC 3761 ・ 根拠の強さ B

ジャニ

Jani ・ ჯანი

ジャニは、ジョージア西部グリア地方の黒ブドウ品種です。VIVC(国際的なブドウ品種の登録簿)には「JANI BAKHVIS」(3761番)の名で登録されています。国立ワイン庁は、ジャニとジャニ・バフヴィス(バフヴィは西ジョージアの村)を同じ品種とし、グリアの歴史的な品種に挙げています。19世紀末の病害とフィロキセラ(ブドウの根を枯らす害虫)でほぼ姿を消し、2004年のブドウ畑調査ではわずか1 ha。国立ワイン庁によれば、2014年に政府が苗木の配布を始めました。

黒 グリア 少量・復興 VIVC 登録済み 晩生
果皮色
黒
VIVCの分類でも黒。果粒は濃い青(国立ワイン庁)
用途
ワイン・生食
VIVCの用途区分。国立ワイン庁も生食に言及
主地域
グリア
西部・黒海沿岸ゾーン(国立ワイン庁)
現存状態
少量・復興
1 ha(2004年)。2014年から苗木を配布(国立ワイン庁)
VIVC番号
3761
登録名 JANI BAKHVIS(2026年9月5日確認)
成熟期
11月
芽吹きは4月上旬(国立ワイン庁)
DNAプロファイル
VIVCに記載
品種を見分けるDNA型(SSRマーカー)のデータあり
根拠の強さ
B
公的資料。VIVC・国立ワイン庁で確認

「—」は本データベースで一次資料を確認できていない項目です。根拠の強さ(A〜E)の定義は方法論を参照。

01 — 名称

ジャニの意味は「強い」。

「ジャニ(ჯანი)」について、国立ワイン庁は「強い、力強い」を意味するとし、村の名を付した「ジャニ・バフヴィス(Jani Bakhvis)」の別名を挙げています。同庁はバフヴィを「西ジョージアの村」と注記しており、本サイトはこれをグリアのバフヴィ村と解しています。VIVCでの登録名もこの「JANI BAKHVIS」で、「JANI」は16ある別名の一つとして収録されています。

VIVCには、名前に「JANI」を含む別の登録がほかに2件(JANI KHUNDADZIS と JANI NAKASHIDZIS)あり、本ページはそのうち3761番のジャニ・バフヴィスを扱います。国立ワイン庁が「Jani=Jani Bakhvis」と明記しているため、同庁の「Jani」をこの3761番に対応させています。本サイトは日本語表記を「ジャニ」とし、ほかの表記が資料に現れたらこの表に追記します。

ジャニの表記
表記種類
ジャニ日本語(本サイト標準)
Janiラテン文字標準名(国立ワイン庁の表記。VIVCでは別名)
Jani BakhvisVIVCの登録名 JANI BAKHVIS(バフヴィ村の名を付した呼び名)
ჯანიジョージア語原綴り
Djani / Dzhani / DzhannyVIVCに載る別名(ロシア語・フランス語の資料に由来する綴り)
Janis Kurdzeni / Dzhanis KurdzeniVIVCに載る別名(クルゼニ=ブドウ)
Dzanny du CaucaseVIVCに載る別名(フランス語の資料に由来する表記)
Jani Khundadzis / Jani Nakashidzis名前に「Jani」を含む別の登録(VIVC 22030・22031)— 区別して扱う。22031の別名にも「Jani」がある

02 — 資料に見る記述

ジャニについて、資料はこう書いている。

資料ごとに記述を分けて示します。ワインについての記述は国立ワイン庁の解説文の引用です。

2004
国立ワイン庁 品種解説(赤品種頁。面積は2004年ブドウ畑調査)

「強い、力強い」の意で、Jani Bakhvis(バフヴィ、西ジョージアの村)としても知られると記述。西ジョージア原産で高品質なワインを産し、かつてグリア全域で広く植えられ、グリアのジャニ農家とサメグレロのオジャレシ農家のワイン競技会が行われていたという。カビによる病気とフィロキセラで衰退し、20世紀初頭に低い仕立てと、害虫に強いアメリカ系の台木(接ぎ木の土台)で植え直されたが、その後の混乱で再び失われた。2004年のブドウ畑調査で1 ha。「西ジョージア最良のワインを産する」との評判から、2014年に政府が数千本の苗木を生産者に配布し始めた。葉は円形〜やや楕円。果房は小さめの円錐形で、脇に小さな房(翼)が付き、粒がまばらなこともある。果粒は濃青・円形、小〜中粒で果皮は非常に厚く果肉は締まる。芽吹きは4月上旬、成熟は11月。収量はジョージア品種中で最も低い部類(2.2〜3.5 t/ha)。べと病にやや弱く、うどんこ病への耐性は平均的。ワインのアルコールは中程度(12.5%)とし、生食用としても食され、厚い果皮が輸送・保存に向くと記す。

根拠の強さ B — 政府機関(ワインの記述は同庁の解説文による)
2026
VIVC 3761 の登録情報(2026年9月5日確認)

登録名 JANI BAKHVIS。果皮色は黒、原産国ジョージア、用途はワイン用・生食用。花は両性花(1つの花に雄しべと雌しべをもつ)。別名16件(JANI、DJANI、DZHANI、JANIS KURDZENI ほか)。株を保存する研究機関は6(ジョージア国内4、アゼルバイジャン1、ウクライナ1)。DNA型(SSRマーカー)のデータあり。

根拠の強さ B — 国際データベース
2026
国立ワイン庁(黒海沿岸ゾーン頁)/ VIVC「JANI」を含む登録(2026年9月5日確認)

国立ワイン庁はグリアの歴史的品種としてチハヴェリ、ジャニ、ムテヴァンディディ、スヒラトゥバニ、サクミエラを挙げる(グリアは同庁の産地区分で「黒海沿岸ゾーン」に含まれる)。VIVCには、名前に「JANI」を含む別の登録として JANI KHUNDADZIS(22030、黒、ジョージアの1機関で保存)と JANI NAKASHIDZIS(22031、黒、ジョージアの2機関で保存、別名に JANI、Nakashidzis Djani)がある。本ページが扱うのは3761のみ。

根拠の強さ B — 政府機関・国際データベース

03 — 確認状況

確認できていること、できていないこと。

確認済み正規名・ジョージア語原綴り・ラテン文字標準名・VIVC登録番号(3761、正名 JANI BAKHVIS)
確認済み原産・主地域(グリア)と果皮色(黒)— VIVC・国立ワイン庁で一致
確認済み「Jani=Jani Bakhvis」の対応(国立ワイン庁の品種解説)
確認済み栽培面積 1 ha(2004年、国立ワイン庁)と、2014年の政府による苗木配布の開始(国立ワイン庁の記述)
確認済み研究機関での株の保存(VIVC記載の6機関)
未確認現在の栽培面積 — 2004年以降の公的統計を確認できず
未確認復興栽培の現状と、複数の生産者による単一品種ワインの醸造 — 生産者の情報は二次資料のみ
未確認DNAプロファイル — VIVCは「SSRデータあり」の表示のみで、プロファイル値の照合は未実施。親品種の登録もない
未確認名前に「JANI」を含む別の登録 JANI KHUNDADZIS(22030)・JANI NAKASHIDZIS(22031)と同じ品種かどうか
未確認1960年『ジョージアのアンペログラフィー(ブドウ品種誌)』など歴史的な品種誌への収録(原本未確認)
未確認ワインの味わいを評価した一次資料 — 国立ワイン庁の解説文(アルコール12.5%)のみ。このため本ページに味わいのプロファイルはありません

04 — 保存とDNA

ジャニの苗木を守る、研究機関。

栽培が少ない品種でも、研究機関の畑に生きた株が保存されていれば、遺伝資源として残ります。VIVCによると、ジャニ(JANI BAKHVIS)の株は6つの研究機関に保存されています。4つはジョージア国内(園芸・ブドウ栽培・醸造研究所など)、残りはアゼルバイジャンとウクライナの各1機関です。

VIVCには、品種を見分けるためのDNA型(SSRマーカー)のデータが登録されています。このデータと照らし合わせれば、名前に「JANI」を含む別の2件の登録(22030、22031)と同じ品種かどうかも確かめられます。

研究機関での保存
項目状態備考
保存株の有無ありジョージア国内4、アゼルバイジャン1、ウクライナ1の計6機関(VIVC)
DNA型(SSRマーカー)データありVIVC(2026年9月5日確認)
名前に「JANI」を含む別の登録VIVCでは別番号22030・22031(VIVC)

このページの検証状態

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執筆ジョージアワインストア データベース編集部
レビュー編集部(品種データ担当が相互確認)
初回公開2026年9月5日
最終確認2026年9月28日
根拠の強さB(公的資料。VIVC・国立ワイン庁で確認。保存株とDNA型(SSR)はVIVCの登録による)
主要出典VIVC 3761、国立ワイン庁(赤品種解説・黒海沿岸ゾーン頁)、VIVC 同名系登録(22030、22031)

根拠の強さ(A〜E)の定義は方法論、運営体制はこのサイトについてを参照。

ジャニの情報を、お持ちですか。

ジャニを栽培・醸造しているグリアの生産者、2014年以降の苗木配布と復興栽培の状況をご存じの方、保存株を管理する機関、歴史的品種誌の記述や系譜に関する文献をご存じの研究者の方からの情報を求めています。確認できた情報は出典を明記して本ページに反映します。