「強い、力強い」の意で、Jani Bakhvis(バフヴィ、西ジョージアの村)としても知られると記述。西ジョージア原産で高品質なワインを産し、かつてグリア全域で広く植えられ、グリアのジャニ農家とサメグレロのオジャレシ農家のワイン競技会が行われていたという。菌類病害とフィロキセラで衰退し、20世紀初頭に低仕立てとアメリカ系台木で再建されたが、その後の混乱で再び失われた。2004年のブドウ畑調査で1 ha。「西ジョージア最良のワインを産する」との評判から、2014年に政府が数千本の苗木を生産者に配布し始めた。葉は円形〜やや楕円。果房は小さめの円錐形で翼を持ち、時に疎。果粒は濃青・円形、小〜中粒で果皮は非常に厚く果肉は締まる。萌芽4月上旬、成熟11月。収量はジョージア品種中で最も低い部類(2.2〜3.5 t/ha)。べと病にやや弱く、うどんこ病への耐性は平均的。ワインのアルコールは中程度(12.5%)とし、生食用としても食され、厚い果皮が輸送・保存に向くと記す。
出典レベル 2 — 政府機関(ワインの記述は同庁の解説文による)黒品種 ・ 少量・復興 ・ VIVC 3761 ・ 検証レベル 2
ジャニ
Jani ・ ჯანი
ジャニは、ジョージア西部グリア地方の黒ブドウ品種です。VIVC(国際品種カタログ)には正名「JANI BAKHVIS」(3761番)で登録され、国立ワイン庁は「Jani=Jani Bakhvis(バフヴィは西ジョージアの村)」として、グリアの歴史的品種に挙げています。19世紀末の病害とフィロキセラでほぼ消滅し、2004年のブドウ畑調査では1 haのみ。国立ワイン庁は、2014年に政府が苗木の配布を始めたと記しています。現在の栽培面積と、複数の生産者による単一品種ワインの情報は二次資料にとどまります。
「—」は本データベースで一次資料を確認できていない項目です。検証レベルの定義は方法論を参照。
01 — 名称
「強い」という名。
「ジャニ(ჯანი)」について、国立ワイン庁は「強い、力強い」を意味するとし、村の名を付した「ジャニ・バフヴィス(Jani Bakhvis)」の別名を挙げています。同庁はバフヴィを「西ジョージアの村」と注記しており、本サイトはこれをグリアのバフヴィ村と解しています。VIVCの正名もこの「JANI BAKHVIS」で、「JANI」は同義語16件の一つとして収録されています。
VIVCには「JANI」を名に含む別登録 JANI KHUNDADZIS(22030、黒、保有機関1)と JANI NAKASHIDZIS(22031、黒、保有機関2)があり、22031の同義語欄にも「JANI」が含まれます。本ページが扱うのは3761のみです。国立ワイン庁が「Jani=Jani Bakhvis」と明記していることから、同庁の「Jani」を3761に対応させています。日本語での定着表記はまだありません。本サイトは「ジャニ」を標準とし、他の表記が資料に現れた場合はこの表に追記します。
| 表記 | 種類 |
|---|---|
| ジャニ | 日本語(本サイト標準) |
| Jani | ラテン文字標準名(国立ワイン庁の表記。VIVC同義語) |
| Jani Bakhvis | VIVC正名 JANI BAKHVIS(バフヴィ村の名を付した呼称) |
| ჯანი | ジョージア語原綴り |
| Djani / Dzhani / Dzhanny | VIVC同義語(ロシア語・フランス語資料に由来する転写) |
| Janis Kurdzeni / Dzhanis Kurdzeni | VIVC同義語(クルゼニ=ブドウ) |
| Dzanny du Caucase | VIVC同義語(フランス語資料に由来する表記) |
| Jani Khundadzis / Jani Nakashidzis | 同名を含む別品種(VIVC 22030 / 22031)— 区別して扱う。22031の同義語にも「Jani」 |
02 — 資料に見る記述
資料は、こう書いている。
資料ごとに記述を分けて示します。ワインの記述は国立ワイン庁の解説文として引用し、本サイトとしての断定はしません。
正名 JANI BAKHVIS、果皮色 NOIR、原産国ジョージア、用途はワイン用・生食用。花性は両性。同義語16件(JANI、DJANI、DZHANI、JANIS KURDZENI ほか)。保有機関は6(ジョージア国内の GEO014、GEO017、GEO018、GEO019 のほか、アゼルバイジャン AZE007、ウクライナ UKR050)。SSRマーカーデータあり。親品種の登録はなく(Full pedigree: NO)、EU品種目録への登録は表示されていない。
出典レベル 2 — 国際データベース国立ワイン庁はグリアの歴史的品種として Chkhaveri、Jani、Mtevandidi、Skhilatubani、Sakmiela を列挙(グリアは同庁の産地区分で「黒海沿岸ゾーン」に含まれる)。VIVCには「JANI」を名に含む別登録 JANI KHUNDADZIS(22030、黒、保有機関 GEO019)、JANI NAKASHIDZIS(22031、黒、保有機関 GEO018・GEO019、同義語に JANI、Nakashidzis Djani)がある。本ページが扱うのは3761のみで、これらとのDNAによる異同の判定は未確認。
出典レベル 2 — 政府機関・国際データベース03 — 確認状況
確認できていること、できていないこと。
04 — 保存とDNA
保存アクセッション。
少量栽培の品種でも、遺伝資源として研究機関の圃場に生きた株(アクセッション)があるかを確認します。VIVCはジャニ(JANI BAKHVIS)の保有機関として6機関を記載し、うち4つがジョージア国内(GEO014、GEO017、GEO018、GEO019)、ほかにアゼルバイジャン(AZE007)とウクライナ(UKR050)の各1機関です。GEO017は園芸・ブドウ栽培・醸造研究所。アクセッション番号との照合はこれからです。
VIVCはSSRマーカーデータありとしていますが、親品種の登録はなく、系譜は未確定です。SSRプロファイル値と保存アクセッションの照合が済めば、検証レベルは1へ上がります。同名を含む別登録(22030、22031)との異同も、DNA情報の照合で判定できます。
| 項目 | 状態 | 備考 |
|---|---|---|
| 保存株の有無 | あり | VIVC記載の保有機関6(ジョージア国内4、アゼルバイジャン1、ウクライナ1) |
| アクセッション番号 | — | 未確認 |
| SSRプロファイル | あり(VIVC) | プロファイル値の照合は未実施 |
| SNPプロファイル | — | 公表を確認できず |
| 親子関係(マーカー) | — | VIVCに親品種の登録なし |
| 同名別登録との異同 | — | 22030 / 22031 とはVIVC上で別登録。DNAによる比較は未確認 |
関連するページ。
このページの検証状態
| 執筆 | ジョージアワインストア データベース編集部 |
| レビュー | 編集部(品種データ担当が相互確認) |
| 初回公開 | 2026年9月5日 |
| 最終確認 | 2026年9月5日 |
| 検証レベル | 2(VIVC・国立ワイン庁で確認。アクセッション・SSR値は照合中) |
| 主要出典 | VIVC 3761、国立ワイン庁(赤品種解説・黒海沿岸ゾーン頁)、VIVC 同名系登録(22030、22031) |
検証レベルの定義は方法論、運営体制はこのサイトについてを参照。
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ジャニを栽培・醸造しているグリアの生産者、2014年以降の苗木配布と復興栽培の状況をご存じの方、保存株を管理する機関、歴史的品種誌の記述や系譜に関する文献をご存じの研究者の方からの情報を求めています。確認できた情報は出典を明記して本ページに反映します。
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