暗褐色の炭酸塩土
仕様書は土壌を7種に分けています。主体はレス状の粘土の上にできた暗褐色(黒に近い)の炭酸塩土で、厚さ0.8〜1.2m、腐植の層は35〜50cm。上は暗褐色から黒、下は炭酸塩のために麦わら色から白へ変わります。
ジョージアの辛口白ワイン ・ カヘティ ・ PDO
Manavi ・ მანავი
マナヴィ(Manavi)とは、ジョージア・カヘティ地方の西の入口にあたる外カヘティ、サガレジョ市のツィヴ・ゴンボリ山系南麓の特定区域で、カヘティ固有の白ブドウ、ムツヴァネ・カフリだけから造られる辛口の白ワインです。名前は産地呼称(PDO)で、規定を満たしたワインだけが名乗れます。仕様書は自然流下の果汁を完全に発酵させる製法、残糖4g/L以下、アルコール11%以上、そして「野の花の香り」を定めています。標高450〜800mの畑は、カヘティのPDOで最も高い場所のひとつ。1938年から造られ、2006年に登録番号788として登録されました。
出典は国立ワイン庁の仕様書(英訳版)。公式の登録ページ(英語) ・ 根拠の強さ(A〜E)の定義は方法論を参照。
01 — 規定
仕様書は、ブドウの熟度から瓶の中の成分までを数値で定めています。どの生産者のマナヴィも、この枠の中で造られます。
| タイプ | 白・辛口。色は淡い緑がかった麦わら色 |
| 使用品種 | ムツヴァネ・カフリ。他品種の使用は禁止 |
| 地域・区域 | 外カヘティ、サガレジョ市(北緯41°44′・東経45°27′)。ツィヴ・ゴンボリ山系南斜面の山麓とその周辺、鉄道まで。トフリアウリ、マナヴィ、ブルディアニ、ギオルギツミンダ、アントキ、マリアムジュヴァリ、ディディ・チャイルリ、パタラ・チャイルリ、カカベティ、ヴェルフヴィアニの各村 |
| 畑 | 標高450〜800m。畝間1〜3m、株間0.8〜1.5m、幹の高さ60〜90cm。剪定は片側式、ジョージア式両側、または自由 |
| 収穫と輸送 | 完熟ブドウのみ、収穫時の糖度19%以上。輸送は木箱・プラスチック箱、またはステンレス製か専用塗装の荷台。ポリエチレンの袋は使用不可 |
| 収量 | 10t/ha以下。ブドウ1tからワイン650L以下(1haから5,200L以下) |
| 製法 | 自然流下の果汁の完全アルコール発酵。使用できる操作・材料はジョージアの法令が認めるものに限る |
| 成分 | アルコール11%以上、残糖4g/L以下、エキス分16g/L以上、酸度5g/L以上 |
| 醸造場所 | ブドウは区域内の畑のものに限る。処理と醸造はカヘティ内、瓶詰めはジョージア国内であればカヘティ外でも可。流通は容器に詰めたもののみ |
| 表示 | ラテン文字で「MANAVI」、「Protected Designation of Origin」または「PDO」。キリル文字の表記も定められている |
| 登録・管理 | 登録番号788、2006年8月21日。申請者・管理機関は国立ワイン庁 |
数値は仕様書(英訳版)に基づきます。原語版と相違がある場合は原語版が優先されます。
02 — 産地
マナヴィの区域は、カヘティの主な産地であるアラザニ渓谷ではなく、山をはさんだ南側の外カヘティにあります。トビリシからカヘティへ向かう街道沿い、サガレジョ市のツィヴ・ゴンボリ山系南麓の山麓と、その下に広がる鉄道までの一帯です。仕様書はこの土地を「イオリ平原の一部で、台地状の起伏と、大陸性から海洋性へ移り変わる気候を持つ」と表しています。
区域はトフリアウリ、マナヴィ、ブルディアニ、ギオルギツミンダ、アントキ、マリアムジュヴァリ、ディディ・チャイルリ、パタラ・チャイルリ、カカベティ、ヴェルフヴィアニの10村。畑は標高450〜800mで、ブドウの処理と醸造はカヘティ内、瓶詰めはジョージア国内で行います。
地域
ジョージア最大のワイン産地。アラザニ渓谷の内カヘティと、ツィヴ・ゴンボリ山系の南側の外カヘティ(イオリ川流域)に分かれ、マナヴィは後者の代表です。
山の向こうの、別の白
ツィヴ・ゴンボリ山系の北側、アラザニ渓谷のテラヴィで、ルカツィテリを主体にムツヴァネ・カフリを15%まで加える辛口白のPDO。マナヴィはムツヴァネだけで造ります。
03 — 気候と土壌
仕様書は、乾いた亜熱帯から湿潤な亜熱帯へ移り変わる気候と、レス状の粘土の上にできた暗褐色の炭酸塩土が、この土地のムツヴァネ・カフリに特別な性質を与えると説明しています。
畑は標高450mから800mまで。アラザニ渓谷の白のPDO(ツィナンダリ350〜600m、グルジャアニ350〜700m)より高く、年平均気温は9〜12℃と幅があります。仕様書は、積算温度が3,300℃を超える年(およそ2年に1度)の9月末に、最も良い原料ができると記しています。
仕様書は土壌を7種に分けています。主体はレス状の粘土の上にできた暗褐色(黒に近い)の炭酸塩土で、厚さ0.8〜1.2m、腐植の層は35〜50cm。上は暗褐色から黒、下は炭酸塩のために麦わら色から白へ変わります。
山麓とイオリ川の谷では西風(25%)が卓越し、年平均風速は2.2〜2.6m/s、春は2.8〜3.3m/s。20年に一度は40m/sの強風もあります。仕様書は風害の第I群に分類し、200〜250m間隔の防風林を求めています。
気候と土壌の数値は、仕様書 第10章「品質・評判と地理的区域との結びつき」によります。降水量は5月が最多(90〜130mm)、12月が最少(25mm)。相対湿度は年69〜70%。降雹は年0.9〜2.6日。土壌の腐植は1.5〜3.5%。
04 — 品種
仕様書は「ムツヴァネ・カフリのブドウから造り、他品種の使用を禁止する」と定めています。カヘティの白のPDOの多くがルカツィテリ主体なのに対し、マナヴィはムツヴァネだけで造る唯一の呼称です。
Mtsvane Kakhuri ・ 白
「緑」を意味する名のカヘティ固有の白ブドウ。野の花の香りと、熟成で開く果実のトーン。
ルカツィテリとの違い
仕様書によれば、この区域ではムツヴァネ・カフリの開花はルカツィテリより3日早く始まります。芽吹きは4月22日頃、成熟の始まりは8月後半で、9月末に最も良い原料になります。
土地が引き出すもの
仕様書は、移り変わりの気候と暗褐色の炭酸塩土が、ムツヴァネ・カフリにこの区域ならではの性質を引き出し、それがマナヴィの品質を決めると記しています。
05 — 造り方
果皮を漬け込まず、圧力をかけずに流れ出た果汁だけを完全に発酵させる。仕様書が定める流れを、畑から出荷まで順に追います。
使えるのは完熟したブドウだけ。収穫時の糖度は19%以上。収量は1haあたり10t以下です。
輸送は木箱かプラスチック箱、またはステンレス製か専用塗装の荷台で。ポリエチレンの袋は使えません。
圧力をかけずに流れ出る果汁を使います。果皮を漬け込まないので、色は淡い緑がかった麦わら色にとどまります。ブドウ1tからワイン650L以下。
果汁を完全にアルコール発酵させ、糖は4g/L以下まで減り、アルコールは11%以上になります。
処理と醸造はカヘティ内、瓶詰めはジョージア国内であればカヘティ外でも可。流通できるのは容器に詰めたもので、ラベルには「MANAVI」と「PDO」の表示が入ります。
06 — 歴史
仕様書によれば、ワイン「マナヴィ」は当時の国営組織「サムトレスト」の主導的な専門家たちによって生み出され、1938年から造られています。
仕様書の「人的要因」の章は簡潔で、上記の2点のみを記しています。
07 — 味わい
高い畑が、野の花の香りを残す。
淡い緑がかった麦わら色。欠点がなく、繊細で柔らかく、調和がとれ、軽やかで上品。土地を特徴づける香りと野の花のトーンを持ち、熟成により果実のトーンが現れる。
どちらもカヘティの辛口白ですが、ツィナンダリはルカツィテリ主体、マナヴィはムツヴァネ・カフリだけ。ムツヴァネは香りが華やかで酸がやわらかく、ルカツィテリより早く飲み頃を迎えるとされます。標高の高い畑が、香りと軽やかさを支えます。
よく冷やして(8〜10℃前後)供されることが多く、ハーブを使った料理、川魚、フレッシュチーズ、プハリなどの野菜料理と合わせる例が紹介されます。
08 — 似たPDOと比べる
カヘティの辛口白のPDOは、品種の組み合わせと畑の場所で名前が分かれます。数値は各PDOの仕様書によります。
09 — 名乗る条件
区域・品種・製法・成分。国立ワイン庁の仕様書が定める 4 つを満たしたワインだけが、マナヴィを名乗れます。


マナヴィはサガレジョ市の村の名前でもあります。PDOの区域は村より広く、山麓の10村を含みます。ラベルの「マナヴィ」はPDO名であり、マナヴィ村の畑に限られるわけではありません。
マナヴィは必ずムツヴァネ・カフリ100%ですが、ムツヴァネの白がすべてマナヴィなわけではありません。区域外の畑のブドウや、ルカツィテリを混ぜた白は、マナヴィと名乗れません。
名前は商標ではなく PDO(原産地呼称)。申請者は国立ワイン庁で、規定に適合したワインだけがこの名前を名乗れます。ボトルの写真はイメージです。
10 — よくある質問
ジョージア東部カヘティ地方の外カヘティ、サガレジョ市のツィヴ・ゴンボリ山系南麓の特定区域で、カヘティ固有の白ブドウ、ムツヴァネ・カフリだけから造られる辛口の白ワインです。自然流下の果汁を完全に発酵させる製法が仕様書で定められ、残糖4g/L以下、アルコール度数11%以上。名前は産地呼称(PDO)で、2006年に登録されました。1938年から造られています。
いいえ、辛口です。仕様書は残糖を4g/L以下と定めています。淡い緑がかった麦わら色で、野の花の香りと、繊細で柔らかな口当たりを持ちます。
ムツヴァネ・カフリだけです。仕様書は他品種の使用を禁止しています。カヘティの白のPDOの多くはルカツィテリ主体で、ムツヴァネ100%で造る呼称はマナヴィだけです。収穫時の糖度は19%以上、収量は10t/ha以下です。
ラベルに「MANAVI」とPDOの表示があり、仕様書の規定を満たしていればマナヴィです。「マナヴィ・ムツヴァネ」は、品種名を添えた呼び方として使われることがあります。PDOのワインかどうかは表示で確かめます。
ジョージア東部、カヘティ地方の外カヘティ(サガレジョ市)です。カヘティの主要産地であるアラザニ渓谷ではなく、ツィヴ・ゴンボリ山系の南側、イオリ平原に面した山麓の標高450〜800mの畑で、仕様書はトフリアウリ、マナヴィ、カカベティなど10村を区域としています。醸造はカヘティ内、瓶詰めはジョージア国内で行います。
仕様書は「1938年から」と記しています。当時の国営組織サムトレストの専門家たちが生み出したワインです。PDOとしての登録は2006年8月21日(登録番号788)で、2005年の最初の5件に続く6番目の登録です。
品種と場所が違います。ツィナンダリはアラザニ渓谷のテラヴィで、ルカツィテリ85%以上にムツヴァネ・カフリを15%まで加えます。マナヴィは山をはさんだ南側の外カヘティで、ムツヴァネ・カフリだけを使います。マナヴィの畑はより高く(450〜800m)、香りが華やかで軽やかな白になるとされます。
いいえ。マナヴィは商標ではなくPDO(原産地呼称)の名前で、申請者は国立ワイン庁です。複数の生産者がこの名前でワインを造っており、いずれも仕様書の区域・品種・製法・成分の規定に適合している必要があります。
ジョージアワインの専門店や輸入元の通販で入手できます。ラベルに「MANAVI」と PDO の表示があるものを選ぶと確実です。ムツヴァネ100%の白は生産量が限られるため、ルカツィテリの白より取扱いは少なめです。
11 — 飲んでみる
ここまで読んだマナヴィを、グラスで確かめる。ジョージアワイン専門店で、ルカツィテリの白(ツィナンダリ)と飲み比べるのもおすすめです。
本ページの規定に関する記述は、国立ワイン庁(LEPL National Wine Agency)が公開するPDO「マナヴィ」仕様書(登録番号788、2006年8月21日登録)の英訳版に基づきます。気候・土壌・歴史の記述も同仕様書の「地理的要因との関連」の章によります。