11月の収穫
黒海沿岸ゾーンの収穫は11月と遅く、かつては1月末まで続くこともあったと国立ワイン庁は記しています。長い生育期間が、この土地のブドウを熟させます。
01 — 位置
黒海沿いのバトゥミから、アジャリスツカリ川をさかのぼってケダ、シュアヘヴィ、フロへ。ブドウ畑は、川の中流の山あいに集まります。
| 位置 | ジョージア南西部。西は黒海、南はトルコ、北はグリア、東はサムツヘ=ジャヴァヘティに接する。海岸部と、内陸のアジャリスツカリ川に沿う山あいからなる |
| 行政区分 | アジャラ自治共和国(首府バトゥミ)。バトゥミ市、コブレティ市、ヘルヴァチャウリ市、ケダ市、シュアヘヴィ市、フロ市 |
| 国立ワイン庁の産地区分 | 「黒海沿岸ゾーン」(グリア、サメグレロ、アジャラ、アブハジア) |
| 主要な谷 | アジャリスツカリ川の谷(ケダ、シュアヘヴィ、フロ)。ブドウ畑はケダに集まる |
| 主な村 | ケダ市街と、メリシ、オクトンベリ、コロタウリ、ズヴァレ、クヴァシュタ、サバドゥリ、ツフモリシの各村 |
| 主要品種 | ツォリコウリ(白。2014年センサスで株数の約72%)、チハヴェリ(淡赤)。歴史的な在来品種はブロラ、ホパトゥリ、クラルジュリなど10 |
| 代表的な製法 | 小規模な生産者による白・ロゼ・赤 |
02 — 畑の広さ
2014年農業センサスでは、アジャラのブドウ畑は108 ha、全国32,960 haの約0.3%にあたる小さな産地です。畑の外に単独で植えられた「散在株」が10.2万本と、畑の株数の半分近くあり、家屋や樹木のまわりでブドウを育てる形が広く残っています。
国立ワイン庁は2025年、ケダ市の市街と7つの村でブドウ畑の航空写真を作成し、畑の登録(ブドウ畑カダストル)を進めています。
| 市 | ブドウ畑(2014年) | 主な村・記述 |
|---|---|---|
| ケダ市 | 70 ha | 自治共和国のブドウ畑の約65%。ツォリコウリ11.1万本、散在株2.1万本。2025年に国立ワイン庁がケダ市街とメリシ、オクトンベリ、コロタウリ、ズヴァレ、クヴァシュタ、サバドゥリ、ツフモリシの各村でブドウ畑の航空写真を作成 |
| コブレティ市 | 14 ha | 海岸部の北側。散在株3.7万本と、畑の株数(2.1万本)より多い |
| シュアヘヴィ市 | 13 ha | アジャリスツカリ川中流の山あい。ツォリコウリ2.0万本 |
| ヘルヴァチャウリ市 | 7 ha | バトゥミ近郊。散在株1.9万本 |
| バトゥミ市 | 2 ha | 首府。散在株1.0万本 |
| フロ市 | 2 ha | アジャリスツカリ川最上流の山岳部。散在株0.7万本 |
面積は2014年農業センサス(農業経営体のブドウ畑)。村の記述は国立ワイン庁の2025年年次報告書によります。
| 項目 | 基準年 | 出典 |
|---|---|---|
| 産地区分、気候の記述、歴史、在来品種の一覧 | 2026年9月確認 | 国立ワイン庁「Viticulture and Winemaking Regions: Black Sea Coastal Zone」(wine.gov.ge、英語版・ジョージア語版) |
| ブドウ畑面積、株数、市別内訳、ツォリコウリの株数 | 2014年 | ジョージア統計局(geostat)2014年農業センサス 表3.42、表3.48 |
| ブドウ畑カダストルの範囲と全国値 | 2023年(2024年2月公表) | 国立ワイン庁 2023年年次報告書(2024年)、カダストル更新の告知(2024年2月20日) |
| ケダ市で航空写真を作成した村 | 2025年 | 国立ワイン庁 2025年年次報告書 |
| チハヴェリのアジャラでの栽培 | 2024年確認 | 国立ワイン庁 品種頁 |
| ケダ・メリシでのチハヴェリ苗木配布 | 2012年 | CENN・USAID の気候適応事業の報告(Adaptation at Altitude 掲載) |
| PDOの登録状況 | 2025年9月30日 | 国立ワイン庁 PDO一覧 |
03 — 気候
国立ワイン庁は黒海沿岸ゾーンの気候を「亜熱帯性で湿潤、場所によっては過湿」と記し、ブドウ畑は海抜2〜4mの海岸部から500mまでにあるとしています。アジャラは海岸の低地と、アジャリスツカリ川に沿って標高を上げる山あいからなり、ブドウ畑の多くは内陸のケダにあります。
黒海沿岸ゾーンの収穫は11月と遅く、かつては1月末まで続くこともあったと国立ワイン庁は記しています。長い生育期間が、この土地のブドウを熟させます。
山あいのケダでは2012年、斜面の保全を兼ねて、メリシ周辺でチハヴェリの苗木を配る事業が行われました(CENN・USAIDの報告)。
05 — 造り方
国立ワイン庁はアジャラについて、近年になって古い品種の復興が始まり、ワイン造りが再び動き出したと記しています。黒海沿岸ゾーン全体と同じく、19世紀まではブドウをほぼ全面的に樹に這わせる高仕立て(マグラリ)で育て、収穫は11月以降でした。
今も家屋や樹木のまわりでブドウを育てる形が広く残り、チハヴェリのロゼや軽い赤、ツォリコウリの白が造られています。
| スタイル | 主な品種 | 味わいの傾向 |
|---|---|---|
| ロゼ・淡い赤 | チハヴェリ | 淡い色、軽い口当たり。辛口も半甘口もある |
| 白 | ツォリコウリ | 株数で最多。酸を保った辛口〜半甘口 |
06 — 選び方
アジャラのワインは、産地名と品種名をラベルに記して届きます。チハヴェリやツォリコウリの名前が手がかりです。黒海沿岸ゾーンのPDO(原産地呼称)は、サメグレロにあります。
07 — よくある質問
ジョージア南西部、黒海に面しトルコと国境を接するアジャラ自治共和国の産地です。海岸部のバトゥミやコブレティから、アジャリスツカリ川に沿って山あいのケダ、シュアヘヴィ、フロへと続きます。国立ワイン庁の産地区分では「黒海沿岸ゾーン」に含まれます。
内陸の山あいのケダ市に集まっています。2014年の農業センサスでは、自治共和国のブドウ畑108 haのうち70 ha(約65%)がケダにありました。コブレティ、シュアヘヴィ、ヘルヴァチャウリが続きます。
国立ワイン庁は、ブロラ、ホパトゥリ、クラルジュリなど、アジャラの歴史的な在来品種を挙げ、近年その復興が始まったと記しています。本サイトの品種マスターリストには10の名前を収録し、その多くは研究機関のコレクションで保存されています。
株数で最も多い白ブドウのツォリコウリから造る白と、淡赤のチハヴェリから造るロゼや軽い赤が代表的です。チハヴェリのワインには辛口も半甘口もあります。
アジャラのワインは、産地名と品種名をラベルに記して届きます。チハヴェリ、ツォリコウリなどの品種名が手がかりです。黒海沿岸ゾーンのPDO(原産地呼称)は、サメグレロのサルヒノ・オジャレシです。
08 — 飲んでみる
山と海の小さな産地に興味がわいたら、まずはジョージアワインの定番から。ジョージアワイン専門店なら、品種や産地から好きな一本を選べます。
| 執筆 | ジョージアワインストア データベース編集部 |
| レビュー | 編集部(相互確認) |
| 初回公開 | 2026年9月6日 |
| 最終確認 | 2026年9月28日 |
| 根拠の強さ | B(公的資料。国立ワイン庁の産地区分・政府統計) |
| 主要出典 | 国立ワイン庁 産地区分「黒海沿岸ゾーン」(2026年9月確認)、2014年農業センサス(geostat、表3.42・3.48)、国立ワイン庁 2023年年次報告書(2024年)とカダストル更新の告知(2024年2月)、国立ワイン庁 2025年年次報告書、国立ワイン庁 品種頁(2024年確認)、国立ワイン庁 PDO一覧(2025年9月30日時点)。ケダの苗木配布はCENN・USAIDの報告(2012年)。詳細は出典一覧 |
| 注記 | 味わいとスタイルは、この地域の代表的なワインの傾向として記しています。統計の基準年は「畑の広さ」の節と出典一覧に記載しています。 |
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