PDO ・ カヘティ ・ 辛口白

ツィナンダリ

Tsinandali ・ წინანდალი

ツィナンダリは、カヘティ地方テラヴィ市、アラザニ川右岸の特定区域で造られる辛口白ワインのPDO(原産地呼称)です。ルカツィテリ85%以上にムツヴァネ・カフリを15%まで加えるブレンド規定を持ち、果皮を漬け込まない製法で造ります。2005年登録(登録番号3)。19世紀のチャフチャヴァゼ家の醸造所に由来する、ジョージアの古典的な白です。

仕様の要点 産地 品種 よくある混同 PDO一覧へ戻る

仕様の要点。

国立ワイン庁(National Wine Agency)が公開する仕様書(英訳版)の主要規定を要約しています。

仕様の要点
タイプ白・辛口。仕様書は赤・辛口(サペラヴィ100%)も併せて規定するが、一般に流通するツィナンダリは白
使用品種(白)ルカツィテリ85%以上、ムツヴァネ・カフリ15%以下。他品種の使用は禁止
地域・区域カヘティ地方テラヴィ市、アラザニ川右岸。ツィヴ・ゴンボリ山系の北東斜面から山麓・アラザニ渓谷にかけて。北西をチュマ渓谷、南東をアクリ渓谷に区切られる。15村(アクラ、ヴァンタ、ブシェティ、クヴェモ・ホダシェニ、ツィナンダリ、キシスヘヴィ、コンドリ、ナサムフラリ、シャラウラ、クルドゲラウリ、ヴァルディスバニ、ルイスピリ、カラジャラ、グルグラ、イカルト)を含む
標高畑は標高350〜700m
熟成規定熟成は任意(熟成せずに瓶詰めも可)。熟成する場合は木樽で6か月以上。消費者市場では瓶詰めのみ
甘辛辛口。残糖4g/L以下
アルコール実アルコール11%以上(総アルコール15%以下)
製法(白)自然流下の果汁(フリーラン果汁)を澱下げしたのち、20℃以下で完全発酵。果皮の浸漬は行わない
収量・糖度ルカツィテリ10t/ha以下、ムツヴァネ・カフリ8t/ha以下。ブドウ1tからワイン650L以下。収穫時の糖度19%以上
醸造場所ブドウは区域内の畑のものに限る。醸造は区域内、または区域外でもカヘティ栽培地域内であれば可
登録登録番号3、2005年8月30日。申請者は国立ワイン庁

数値は仕様書(英訳版、2023年1月印刷)に基づきます。原語版と相違がある場合は原語版が優先されます。国立ワイン庁の登録ページ(英語)

テラヴィの周り、アラザニ右岸。

ツィナンダリの区域は、カヘティの中心都市テラヴィを囲む、アラザニ渓谷の南側(右岸)の一帯です。ツィヴ・ゴンボリ山系の北東斜面から山麓、そしてアラザニ川の段丘へと下ります。

仕様書によれば、気候は夏が暑く冬が穏やかな「やや湿潤」型で、年間日照は2,300時間超、年間降水量は約845mm(5月が最多)。土壌は上部が褐色森林土・褐色土、下部が沖積土・崖錐性の土壌で、炭酸カルシウムを含みます。畑は標高350〜700mに分布します。

1835年、アレクサンドレ・チャフチャヴァゼが領地の整備のために融資を受け、ツィナンダリ村に実験室を備えた大規模なワインセラーを建てました。1880年代以降はロシア帝室領の管理下で約2,000haが集約され、1886〜87年に新しい醸造工場と宮殿が建設。1892年のシカゴ万国博覧会では「ルカツィテリ・ツィナンダリ」「サペラヴィ・ツィナンダリ」などが最高評価を受けています。

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地域

カヘティ

ジョージア最大のワイン産地。乾燥した大陸性気候、サペラヴィとルカツィテリ、主要PDOの多くが集中する東部の地域です。

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歴史との接点

ヨーロッパ式醸造の導入地

19世紀のツィナンダリは、ジョージアにヨーロッパ式の瓶詰めワインが根づいた場所の一つです。クヴェヴリ醸造との対比は歴史のページで扱います。

味わいの一般的傾向。

以下は一般的傾向です。樽熟成の有無やムツヴァネ・カフリの比率により、生産者ごとの印象は異なります。

  • 仕様書が求める官能特性(白):淡い麦わら色。繊細で柔らかく調和がとれ、野の花・果実・柑橘のトーン。熟成により果実のブーケが強く現れる。
  • 一般的傾向:ルカツィテリのしっかりした酸を土台に、ムツヴァネ・カフリの芳香が重なる、クリーンで辛口の白として扱われます。果皮を漬け込まないため、琥珀色にはなりません。
  • 樽の影響:木樽で熟成したものは、ナッツや蜜のようなニュアンスを帯びることがあるとされます。

品種としてのルカツィテリの味わいプロファイルはルカツィテリのページを、料理との相性はペアリングを参照してください。

よくある混同。

単一品種ではない

ツィナンダリは品種名ではなく、ルカツィテリ主体のブレンドを定めたPDO名です。ルカツィテリ100%でも規定(85%以上)には適合しますが、「ツィナンダリ=ルカツィテリ」と同一視するのは正確ではありません。

村・宮殿の名でもある

ツィナンダリはテラヴィ市の村名であり、チャフチャヴァゼ家の宮殿と庭園(現在は博物館)の名でもあります。PDOの区域は村より広く、周辺15村を含みます。

特定ワイナリーの銘柄ではない

複数の生産者が「ツィナンダリ」の名でワインを販売しています。これは商標ではなくPDO名で、いずれも仕様書の区域・品種比率・製法に適合している必要があります。

アンバー(オレンジ)ワインではない

カヘティの白といっても、ツィナンダリは果汁のみを発酵させる製法が規定されており、果皮を漬け込むカヘティ式のアンバーワインとは別物です。アンバーワインの解説へ

出典と検証。

本ページの規定に関する記述は、国立ワイン庁(LEPL National Wine Agency)が公開するPDO「ツィナンダリ」仕様書(登録番号3、2005年8月30日登録)の英訳版に基づきます。気候・土壌・歴史の記述も同仕様書の「地理的要因との関連」の章によります。

検証レベルの定義は方法論、出典の一覧は出典ページを参照してください。

国立ワイン庁のPDO一覧(英語)

このページの検証状態

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執筆ジョージアワインストア データベース編集部
レビュー編集部(相互確認)
初回公開2026年9月4日
最終確認2026年9月4日
検証レベル2(PDO仕様書・法令)
主要出典国立ワイン庁 PDO仕様書「Tsinandali」(英訳版)、国立ワイン庁PDO登録一覧
注記味わいの記述は一般的傾向。仕様書の数値は英訳版に基づく。村名の日本語表記は英語表記からの転写

検証レベルの定義は方法論、運営体制はこのサイトについてを参照。

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