辛口白・単一品種(近代的製法)
ステンレスタンクで果皮接触なし。緑がかった淡い色調、桃と白い花の芳香、フレッシュな酸。若いうちに楽しむスタイルが中心。
01 — 名称
「ムツヴァネ(მწვანე)」はジョージア語で「緑」を意味し、熟しても緑がかった黄色を保つ果粒の色に由来するとされます。「カフリ(კახური)」は「カヘティの」の意で、産地を示す形容詞です。
「ムツヴァネ」は同名異種です。カルトリのゴルリ・ムツヴァネ(Goruli Mtsvane)など、「緑」を冠する別品種が複数存在し、ラベルや文献で単に「ムツヴァネ」と書かれた場合はどの品種か確認が必要です。本サイトでは地域名を付して区別し、単独名「ムツヴァネ」はマスターリストで同名異種として扱います。
下表の表記は、いずれもムツヴァネ・カフリ(本品種)を指します。
| 表記 | 種類 |
|---|---|
| ムツヴァネ・カフリ | 日本語(本サイト標準) |
| ムツワネ / ムツヴァネ・カヘティ 等 | 日本語の揺れ |
| Mtsvane Kakhuri | ラテン文字標準名(VIVC prime name) |
| მწვანე კახური | ジョージア語原綴り |
| Мцване кахетинский | ロシア語転写(ソ連時代の文献・流通) |
| ムツヴァネ(単独) | 同名異種 — 本品種のほかゴルリ・ムツヴァネ等を指しうる。判定はマスターリスト |
02 — 味わい
辛口白(近代的製法)の一般的傾向です。クヴェヴリ醸造のアンバーでは色とタンニンが大きく増します。製法・産地・生産者により異なります。
白桃、熟したリンゴ、杏、柑橘、白い花に、ハーブや若草を思わせる緑のニュアンス。ルカツィテリより香りが華やかで、酸はやや柔らかい傾向とされます。この対照が、両者をブレンドする古典的な理由です。クヴェヴリで醸すと琥珀色になり、ドライアプリコット、蜂蜜、紅茶、ナッツの香りと明確なタンニンが加わります。
辛口白はハーブを効かせた鶏肉や魚料理、ジョージアの香草サラダ、山羊のフレッシュチーズ、和食では香味野菜を使った料理と。アンバーは胡桃ソースの料理、熟成チーズ、スパイスの効いた料理と。ペアリング詳細へ
03 — スタイルと産地
芳香が主役のムツヴァネ・カフリは、単独で仕込むか、ルカツィテリに重ねるか、クヴェヴリで醸すかで別の顔を見せます。カヘティの大陸性気候と、アラザニ渓谷・イオリ高原の立地差がその幅を支えています。
ステンレスタンクで果皮接触なし。緑がかった淡い色調、桃と白い花の芳香、フレッシュな酸。若いうちに楽しむスタイルが中心。
ルカツィテリ主体にムツヴァネ・カフリを加える辛口白。ルカツィテリの酸の骨格に、ムツヴァネの芳香が重なるジョージアの古典。
果皮・種とともにクヴェヴリで醸す。琥珀色、杏や蜂蜜の香り、しっかりしたタンニン。芳香系品種ならではの華やかなアンバー。
栽培メモ: 萌芽は遅め、成熟は中晩生とされる(資料による)。うどんこ病に弱く、べと病には比較的強いとされる。果皮が薄いため、収穫後の酸化や過熟に注意が必要と説明される。