カルトリ頁は「注目すべき白品種はチヌリ、ゴルリ・ムツヴァネ、ブデシュリ」、赤品種はタヴクヴェリ、シャヴカピト、サペラヴィとし、「原産地呼称ワインのうちアテヌリはカルトリのみで造られる」と記す。畑はムトクヴァリ川とその支流リアフヴィ川・クサニ川の流域、標高450〜700 m。白品種頁のゴルリ・ムツヴァネの項では「ゴルリ・ムツヴァネはチヌリおよびブデシュリ・テトリともブレンドされ、スパークリング、特にPDOアテヌリになる」と記述。カヘティ頁の品種列挙にも「Budeshuri」があるが、どの品種を指すかは記されていない。
根拠の強さ B — 政府機関白品種 ・ 少量・復興 ・ VIVC 1791 ・ 根拠の強さ B
ブデシュリ・テトリ
Budeshuri Tetri ・ ბუდეშური თეთრი
ブデシュリ・テトリは、ジョージア中部カルトリの在来白ブドウ品種です。VIVC(国際的なブドウ品種の登録簿)には1791番で登録され、用途はワイン用・生食用です。国立ワイン庁はカルトリの注目すべき白品種として、チヌリ、ゴルリ・ムツヴァネとともにブデシュリを挙げています。同庁のゴルリ・ムツヴァネの解説には、チヌリやブデシュリ・テトリとブレンドしてスパークリングを造るとあります。VIVCには名前に「ブデシュリ」を含む登録がほかに3件(白・赤・黒)あるため、「テトリ(白)」まで付けた名前で区別します。
「—」は本データベースで一次資料を確認できていない項目です。根拠の強さ(A〜E)の定義は方法論を参照。
01 — 名称
ブデシュリ・テトリの意味は「白いブデシュリ」。
「ブデシュリ・テトリ(ბუდეშური თეთრი)」の「テトリ」はジョージア語で「白」を意味し、赤・黒の「ブデシュリ」と区別する呼称です。VIVCに載る11の別名には、語順を入れ替えた Tetri Budeshuri、単独名の Budeshuri、Tetri Kurdzeni(白いブドウ)、フランス語資料に由来する Boudechouri Tetri などがあります。
名前に「ブデシュリ」を含むVIVCの登録は、本品種のほかに3件あります。白の BUDESHURI KARTALINSKII(1790。ロシア語で「カルトリの」の意)、赤のブデシュリ・ツィテリ(1792。別名に Budeshuri Shavi、Tamareuli)、黒の BUDESHURI CHERNYI(5204)です。カヘティにはサペラヴィの系統「サペラヴィ・ブデシュリ」もあります。このため本サイトは、資料に「Budeshuri」とだけ書かれている場合は、文脈を見てどの品種かを判断します。日本語表記は「ブデシュリ・テトリ」を標準とし、ほかの表記が資料に現れたらこの表に追記します。
| 表記 | 種類 |
|---|---|
| ブデシュリ・テトリ | 日本語(本サイト標準) |
| Budeshuri Tetri | ラテン文字標準名(VIVCの登録名 BUDESHURI TETRI) |
| ბუდეშური თეთრი | ジョージア語原綴り |
| Tetri Budeshuri | VIVCに載る別名(語順を入れ替えた呼び名) |
| Budeshuri | VIVCに載る別名。ほかの「ブデシュリ」系品種を指すこともあるため、文脈で判断 |
| Tetri Kurdzeni / Budeshuris Kurdzeni | VIVCに載る別名(クルゼニ=ブドウ) |
| Boudechouri Tetri / Budescuri Tetri | VIVCに載る別名(欧米の資料に由来する綴り) |
| Budeshuri Kartalinskii / Budeshuri Tsiteli / Budeshuri Chernyi | 名前に「Budeshuri」を含む別の登録(VIVC 1790・1792・5204)— 区別して扱う |
| Saperavi Budeshuri | サペラヴィの別系統 — 区別して扱う |
02 — 資料に見る記述
ブデシュリ・テトリについて、資料はこう書いている。
資料ごとに記述を分けて示します。ワインの用途は国立ワイン庁の記述の引用です。
登録名 BUDESHURI TETRI。果皮色は白、原産国ジョージア、用途はワイン用・生食用。花は両性花(1つの花に雄しべと雌しべをもつ)。別名11件。株を保存する研究機関は12(ジョージア3、日本2、ロシア2のほか、アゼルバイジャン、ブルガリア、モルドバ、ルーマニア、ウクライナ各1)。DNA型(SSRマーカー)のデータあり、葉緑体DNAの型(クロロタイプ)は AAA。ほかの品種との親子関係の登録がある(両親の組み合わせまでは登録されていない)。
根拠の強さ B — 国際データベース本品種のほかに BUDESHURI KARTALINSKII(1790、白、別名 Boudechouri Kartalinsky。株を保存する機関の登録なし)、BUDESHURI TSITELI(1792、赤、別名15件に Budeshuri Shavi、Tamareuli を含む。10機関で保存)、BUDESHURI CHERNYI(5204、黒、2機関で保存)がある。本ページが扱うのは1791のみ。
根拠の強さ B — 国際データベース03 — 確認状況
確認できていること、できていないこと。
04 — 保存とDNA
ブデシュリ・テトリの苗木を守る、研究機関。
栽培が少ない品種でも、研究機関の畑に生きた株が保存されていれば、遺伝資源として残ります。VIVCによると、ブデシュリ・テトリの株は12の研究機関に保存されています。うち3つはジョージア国内(スクラの機関、園芸・ブドウ栽培・醸造研究所など)、2つは日本の機関です。
VIVCには、品種を見分けるためのDNA型(SSRマーカー)のデータと、葉緑体DNAの型(クロロタイプ AAA)が登録されています。ほかの品種との親子関係の登録もあります。
| 項目 | 状態 | 備考 |
|---|---|---|
| 保存株の有無 | あり | ジョージア国内3、日本2を含む12機関(VIVC) |
| DNA型(SSRマーカー) | データあり | VIVC(2026年9月5日確認) |
| 葉緑体DNAの型(クロロタイプ) | AAA | VIVCの登録情報 |
| 親子関係 | 登録あり | ほかの品種との親子関係(VIVC) |
| 名前に「BUDESHURI」を含む別の登録 | VIVCでは別番号 | 1790・1792・5204(VIVC) |
05 — 飲んでみる
ジョージアワインを、飲んでみる。
ブデシュリ・テトリのように、ジョージアには個性豊かな在来品種がたくさんあります。まずは定番のサペラヴィやルカツィテリから、気になる一本を。ジョージアワイン専門店なら、あなたの好きなジョージアワインがきっと見つかります。
このページの検証状態
| 執筆 | ジョージアワインストア データベース編集部 |
| レビュー | 編集部(品種データ担当が相互確認) |
| 初回公開 | 2026年9月5日 |
| 最終確認 | 2026年9月28日 |
| 根拠の強さ | B(公的資料。VIVC・国立ワイン庁で確認。保存株とDNA型(SSR)はVIVCの登録による) |
| 主要出典 | VIVC 1791、国立ワイン庁(カルトリ地域頁・白品種解説)、VIVC 同名系登録(1790、1792、5204) |