白品種 ・ 少量・復興 ・ VIVC 22263 ・ 検証レベル 2

ツルキゼ・テトラ

Tsulukidzis Tetra ・ წულუკიძის თეთრა

ツルキゼ・テトラは、ジョージア北西部ラチャ地方の白ブドウ品種です。国立ワイン庁のラチャ頁は「最も広く栽培される品種は Tsulukidze Tetra と Tsolikouri、Aleksandrouli、Mudjuretuli…」と、白ではツォリコウリとともに筆頭に挙げています。VIVC(国際品種カタログ)には22263番、正名「TSULUKIDZIS TETRA」で登録され、EU品種目録にも収載。ただしVIVCの同義語欄にはハンガリー語やスペイン語の品種名が混入し、スペイン品種 ALBILLO KRIMSKII(5715)の同義語欄にも「Tsulukizis Tetri」「Rachuli Tetra」が入るため、登録に用いられた資料または供試材料の混同が疑われます。名称は人名ツルキゼに由来するとされます。栽培面積の公的統計は確認できていません。

ラチャ 少量・復興 VIVC 登録済み EU品種目録
果皮色
VIVC分類: BLANC
用途
ワイン
VIVCの用途区分
主地域
ラチャ
リオニ川上流域(国立ワイン庁ラチャ頁)
現存状態
少量・復興
面積の公的統計は未確認
VIVC番号
22263
正名 TSULUKIDZIS TETRA(2026年9月5日確認)
成熟期
未確認
国立ワイン庁に個別解説なし
DNAプロファイル
SSR あり
VIVCにSSRマーカーデータ。系譜の記載は要再確認
検証レベル
レベル 2
VIVC・国立ワイン庁で確認

「—」は本データベースで一次資料を確認できていない項目です。検証レベルの定義は方法論を参照。

01 — 名称

人の名を冠した、ラチャの白。

「ツルキゼ・テトラ(წულუკიძის თეთრა)」の前半はジョージアの姓ツルキゼ(Tsulukidze)の属格形で、人名に由来する名称とされます。ただし語源を扱った一次資料は本データベースでは未確認です。VIVC同義語の Rachuli Tetra は「ラチャの」、Tsulukidzis Tetri は「テトリ(白)」の形です。本サイトの日本語表記は国立ワイン庁の Tsulukidze Tetra に近い「ツルキゼ・テトラ」とし、URLとラテン文字標準名にはVIVC正名 Tsulukidzis Tetra を用います。

VIVCの同義語11件のうち、Rachuli Tetra、Ratchuli Tetra、Racthuli Tetri、Tsulukidze Tetra、Tsulukidzis Tetri はジョージア語名の転写ですが、Albilio Castelano、Albilio Krimski、Madi Lanyszoeloe、Tokaji Lanyszoeloe、Tuekoerszoeloe、Tukoerszoeloe はスペイン語・ハンガリー語の品種名です。一方、スペイン原産として登録される ALBILLO KRIMSKII(5715)の同義語欄には Rachuli Tetra、Tsulukizis Tetri、Sulukidzis Tetri などが入っています。同じ名が二つの登録にまたがる状態で、いずれかの資料または供試材料の混同が疑われます。本ページは22263をジョージアの品種として扱いますが、非ジョージア名は本品種の別名として採用しません。

人の名を冠した、ラチャの白
表記種類
ツルキゼ・テトラ日本語(本サイト標準)
Tsulukidzis Tetraラテン文字標準名(VIVC正名 TSULUKIDZIS TETRA)
წულუკიძის თეთრაジョージア語原綴り
Tsulukidze Tetra国立ワイン庁の表記(VIVC同義語)
Rachuli Tetra / Ratchuli Tetra / Racthuli TetriVIVC同義語(「ラチャの」を付した呼称)。5715の同義語欄にも Rachuli Tetra
Tsulukidzis TetriVIVC同義語(テトリ=白)
Albilio Castelano / Albilio KrimskiVIVC同義語欄に記載 — スペイン品種 ALBILLO KRIMSKII(5715)系の名称。本サイトは別名として採用しない(要再確認)
Tokaji Lanyszoeloe / Madi Lanyszoeloe / Tuekoerszoeloe / TukoerszoeloeVIVC同義語欄に記載 — ハンガリー語の品種名。本サイトは別名として採用しない(要再確認)

02 — 資料に見る記述

資料は、こう書いている。

資料ごとに記述を分けて示します。資料間で食い違う点、疑いのある点はそのまま残します。

2024
国立ワイン庁(ラチャ地域頁。ニュースは2019年5月)

ラチャ=レチュフミのうちラチャについて、「最も広く栽培される品種は Tsulukidze Tetra と Tsolikouri、Aleksandrouli、Mudjuretuli、Rachuli Dzelshavi、Usakhelauri、Orbeluri」と記述。畑は主にリオニ川渓谷の斜面に開かれる。ツルキゼ・テトラ自体の個別解説(面積・成熟期・ワインの特徴)は同庁の品種頁にはない。2019年5月の同庁ニュース(トビリシの新酒祭)には、ラチャ=レチュフミを含む各産地の出品ワインの品種名として「Tsulukidzis Tetra」が挙がる。

出典レベル 2 — 政府機関
2026
VIVC 22263 パスポートデータ(2026年9月5日確認)

正名 TSULUKIDZIS TETRA、果皮色 BLANC、原産国ジョージア、用途はワイン用。花性は両性。同義語11件。EU品種目録に登録あり。保有機関は6(ジョージア国内の GEO017、GEO018、GEO019 のほか、フランス FRA139、ハンガリー HUN 09・HUN045)。SSRマーカーデータあり。系譜欄は親品種を VULPEA × HEUNISCH WEISS(文献表記 BLANK BLAUER × GOUAIS BLANC)とし、「マーカーで確認済み」「完全な系譜あり」と表示する。いずれもジョージア外の欧州品種で、本サイトはこの系譜を要再確認として扱う。

出典レベル 2 — 国際データベース
2026
VIVC 5715 ALBILLO KRIMSKII パスポートデータ(2026年9月5日確認)

正名 ALBILLO KRIMSKII、白、原産国スペイン、ワイン用。同義語9件に Albillo de Crimee、Albilo Kastelyano のほか、Rachuli Tetra、Sulukidzis Tetri、Sulukidzis Tetry、Tsulukizis Tetri、Tzouloukidzis Tetri を含む。保有機関6(ブルガリア、ルーマニア2、スロバキア、ウクライナ2)で、ジョージア国内の保有はない。系譜の登録なし。「ラチュリ・テトラ」「ツルキゼ・テトリ」の名が22263と5715の両方に紐づいている。

出典レベル 2 — 国際データベース

03 — 確認状況

確認できていること、できていないこと。

確認済み正規名・ジョージア語原綴り・ラテン文字標準名・VIVC登録番号(22263)
確認済み主地域(ラチャ)と果皮色(白)— VIVC・国立ワイン庁で一致
確認済み国立ワイン庁がラチャで最も広く栽培される品種の一つに挙げていること(ラチャ地域頁)
確認済みEU品種目録への登録と、研究機関コレクションでの保存(VIVC記載の保有機関6)
未確認VIVC同義語欄の非ジョージア名の混入と、ALBILLO KRIMSKII(5715)との名称の重複の解消 — どちらの登録に誤りがあるかを判定できる資料を確認できず
未確認系譜「VULPEA × HEUNISCH WEISS」— VIVCは「マーカーで確認済み」とするが、上記の混同と同じ理由で、供試材料がジョージアのツルキゼ・テトラであったかを含め要再確認
未確認栽培面積の一次資料 — 国立ワイン庁の「最も広く栽培される」に数値はなく、公的統計を確認できず
未確認名称の由来(人名ツルキゼ)を記した一次資料
未確認成熟期・果房の形態 — 国立ワイン庁に個別解説がなく、歴史的品種誌の原本も未確認
未確認保存アクセッション番号とSSRプロファイル値の照合(VIVCの「SSRデータあり」の表示のみ確認)
未確認ワインの味わいに関する一次資料 — 産地ページの「辛口にも半甘口にも造られる」は一般的傾向の記述。このため本ページに味わいのプロファイルはありません

04 — 保存とDNA

保存アクセッション。

少量栽培の品種でも、遺伝資源として研究機関の圃場に生きた株(アクセッション)があるかを確認します。VIVCはツルキゼ・テトラの保有機関として6機関を記載し、うち3つがジョージア国内(GEO017〔園芸・ブドウ栽培・醸造研究所〕、GEO018、GEO019)、ほかにフランス(FRA139)とハンガリー(HUN 09、HUN045)です。ハンガリーの2機関が保有していることと、同義語欄にハンガリー語名が混入していることの関係は未確認です。アクセッション番号との照合はこれからです。

VIVCはSSRマーカーデータありとし、系譜欄に VULPEA × HEUNISCH WEISS を「マーカーで確認済み」として記載しています。しかし、この解析に用いられた株がジョージア国内で保存・栽培されるツルキゼ・テトラと同一かは確認できないため、本サイトはこの系譜を採用せず、要再確認として保留します。ジョージア国内の保存アクセッションについてSSRプロファイルが公表され、5715との異同が判定されれば、検証レベルは1へ上がります。

保存アクセッション
項目状態備考
保存株の有無ありVIVC記載の保有機関6(ジョージア国内3、フランス1、ハンガリー2)
アクセッション番号未確認
SSRプロファイルあり(VIVC)プロファイル値の照合は未実施
SNPプロファイル公表を確認できず
親子関係(マーカー)要再確認VIVC記載: VULPEA × HEUNISCH WEISS(マーカー確認済みと表示)。供試材料の同一性が未確認のため採用保留
ALBILLO KRIMSKII(5715)との関係同義語が重複。DNAによる比較は未確認

このページの検証状態

このページの検証状態
執筆ジョージアワインストア データベース編集部
レビュー編集部(品種データ担当が相互確認)
初回公開2026年9月5日
最終確認2026年9月5日
検証レベル2(VIVC・国立ワイン庁で確認。同義語の混同と系譜は要再確認)
主要出典VIVC 22263、国立ワイン庁(ラチャ地域頁)、VIVC 5715(ALBILLO KRIMSKII)

検証レベルの定義は方法論、運営体制はこのサイトについてを参照。

訂正を依頼する

この品種の情報を、お持ちですか。

ツルキゼ・テトラを栽培・醸造しているラチャの生産者、保存株を管理する機関、VIVC同義語の混同や系譜解析の供試材料について知る研究者、名称の由来や栽培面積に関する文献をご存じの方からの情報を求めています。確認できた情報は出典を明記して本ページに反映します。

情報を提供する