白品種 ・ ワイン用 ・ 品種登録番号 12710

ツォリコウリ

Tsolikouri ・ ცოლიკოური

ツォリコウリは、ジョージア西部イメレティを中心に、ラチャ、レチュフミ、サメグレロなど西部一帯で栽培される白ブドウ品種です。湿潤な気候に合う厚めの果皮と、バランスの取れた酸と果実味を備え、辛口白からイメレティ式の甕仕込み、天然の半甘口白「トゥヴィシ」まで幅広いスタイルを生みます。

ツォリコウリの房の接写。褐色の斑点がある黄緑色の丸い果粒、翼付きの密な円錐形の房、表面が平滑な濃い緑の3裂の葉。垣根仕立ての畑(イメージ)
主産地
イメレティ
西部の白ワインの中心産地
果皮色
白
黄緑色・厚めの果皮
使用品種に挙げるPDO
4件
トゥヴィシ、スヴィリなど
収穫
10月中旬
イメレティでの収穫の目安
根拠の強さ
A
A〜E でもっとも確か。DNAで品種を確認済み

根拠の強さ(A〜E)の定義は方法論を参照。出典は出典一覧に記載。

01 — 名称

ツォリコウリ、古代コルキスの地イメレティの白。

ცოლიკოური=Tsolikouri

ツォリコウリ(ცოლიკოური)は、古代コルキスにあたるイメレティの在来品種として、古くから記録されてきた名です。ソ連時代には「ツォリカウリ」の表記でも広く流通しました。どちらも同じ品種です。

02 — 西部でいちばん多い白

西のジョージアで、いちばん多い白。

ジョージア西部の白ワインは、どのブドウから造られるのか。まず挙がるのがツォリコウリです。西部で最も栽培面積の大きい白品種として、西部一帯で育てられています。

イメレティを中心に、西部の6つの地方で。レチュフミ、ラチャ、グリア、サメグレロ、アジャラでも育てられています。

雨に強い果皮

厚めの果皮はカビによる病気に強く、雨の多い西部の気候に合います。

辛口から半甘口まで

辛口白、イメレティ式の甕仕込み、天然の半甘口トゥヴィシまで、幅広いスタイルを生みます。

平地から山まで

平地のイメレティから山あいのレチュフミまで、標高の違う畑で育ちます。

03 — 味わい

ツォリコウリの味わいとは?

控えめな香りに、丸い口当たり。

辛口白の場合の目安です。

香り

リンゴ、洋梨、かりん、白い花、ほのかな蜂蜜。香りは控えめで、イメレティ式で醸すとナッツのニュアンスが加わります。

ブレンドではボディ役

酸と果実味の均衡と、口当たりの丸みが持ち味。同じイメレティのツィツカより厚みがあり、ブレンドではボディを担います。

国際品種で例えると

ピノ・ブランや、ソアーヴェに使われるガルガーネガに近いタイプ。丸みのある口当たりと控えめな香りが共通しています。

ツォリコウリの白ワインをグラスに、古い中庭の卓球台のそばで。洗濯物の下で笑い合う二人(イメージ)

合わせる料理

川魚と、胡桃のソース。

辛口白は川魚や白身魚、鶏肉、フレッシュチーズ、西部ジョージアの胡桃ソース料理やトウモロコシ粉のパン「ムチャディ」と。和食なら出汁を使った料理や焼き魚に。半甘口のトゥヴィシは、果物のデザートや塩気のあるチーズと。

04 — スタイル

辛口、イメレティ式、半甘口。3つのスタイル。

同じツォリコウリでも、摘む時期と造り方で味わいが変わります。収穫の中心は10月中旬。辛口は酸が残るうちに、イメレティ式の甕仕込みは果皮が熟すのを見て摘みます。好みのスタイルを見つけてください。

イメレティでのツォリコウリの収穫。葉越しの青空を背に、鋏で黄緑色の房を切り取る手元を見上げる(イメージ)
ツォリコウリの熟す時期と育ち方
成熟期・収穫晩生(遅く熟すタイプ)
木の勢い強(イメレティ)
収量多い

成熟期・樹勢・収量はジョージアのブドウ品種を記録した図鑑『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)によります。

1つの品種、3つの顔。

STYLE 01

辛口白(近代的製法)

リンゴと洋梨、丸みのある酸。

造り
ステンレスタンク、果皮接触なし
色
淡い麦わら色
味わい
リンゴと洋梨の果実味、丸みのある酸

西部の中心産地イメレティで造られます。単一品種のほか、ツィツカやクラフナとのブレンドも多く造られます。

STYLE 02

イメレティ式(チュリ醸造)

果皮を少しだけ加える、西部の甕仕込み。

造り
地中に埋めた甕「チュリ」で、果皮の一部を加えて発酵・熟成
色
淡い琥珀色
味わい
穏やかな渋み

イメレティに伝わる製法です。ジョージアの甕クヴェヴリ(土に埋めた素焼きの甕)を、この地方では「チュリ」と呼びます。東部カヘティの製法(カヘティ式)より果皮と接する量が少なく、白とアンバー(オレンジ)ワインの中間のスタイルです。ツォリコウリ、ツィツカ、クラフナで造るPDOスヴィリも、この製法で造られます。

STYLE 03

天然の半甘口(トゥヴィシ)

山の斜面で熟した、ツォリコウリだけの半甘口。

造り
糖を残して発酵を終える
色
淡い色調
香り
リンゴや蜂蜜
味わい
甘みを支える酸

レチュフミのツァゲリ地区、リオニ川沿いの特定区域で造られるPDOトゥヴィシです。山の斜面で糖度を高めた果実から造られます。

05 — ブドウとしての性質

房、粒、葉の形。

褐色の斑点がのる黄緑の粒、厚く粗い果皮、表面がなめらかな濃い緑の葉。畑でツォリコウリを見分ける手がかりを、ジョージアのブドウ品種図鑑『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)の記述と測定値で紹介します。

ツォリコウリの特徴の解説図。翼のある円錐形の房、黄緑色に褐色の斑点がある果皮、丸く厚い果皮の果粒、主に3裂で浅い切れ込みの平滑な葉(イメージ)
果皮色
黄緑に褐色の斑点
表面に白い粉(果粉)がつく
果粒
円形
長さ15〜17mm、幅14.5〜16.5mm
房
円錐〜幅広の円錐・密〜やや疎
長さ14〜16cm
葉
3つに裂ける
円形
もっと詳しく見る(皮の厚さ、果肉、葉の裏、熟す時期など)
ツォリコウリの形態
果皮厚く粗い
果粉(粒の白い粉)あり
果肉・果汁固めで多汁、甘い
房の重さ平均140〜160 g(大きな房は400〜500 g)
葉の切れ込み上側の切れ込みは浅め〜やや深めで、竪琴のような形
葉の表面濃い緑で、なめらか
葉の裏面フェルトのような厚い毛

出典: 『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)。英訳を掲載するジョージア国立議会図書館のウェブ辞典(NPLG Wiki Dictionaries)で確認しています。同じデータは品種マスターリストでも確認できます。

06 — PDOと産地

ツォリコウリで造る、4つのPDOワイン。

PDO(原産地呼称)は、産地と造り方が法律で定められたワインの名前です。ラベルに「トゥヴィシ」とあれば、それはツォリコウリだけで造る天然の半甘口白。ツォリコウリを使う4つのPDOのうち、トゥヴィシとスヴィリを中心に紹介します。

ボトルの写真はイメージです。

ほかのPDOを見る(2件)
ツォリコウリを使用品種に挙げるそのほかのPDO
PDO区域タイプ使用品種
レチュフミLechkhumiレチュフミ(ツァゲリ)辛口白・辛口アンバーツォリコウリほか
オブチャObchaイメレティ(バグダティ)辛口アンバー・辛口赤ツォリコウリ主体(アンバー)/ オツハヌリ・サペレ(赤)

07 — よくある質問

よくある質問。

ツォリコウリは辛口?半甘口? 「ツォリカウリ」と同じ品種? 気になる9つの疑問に、短く答えます。

ツォリコウリはどんなブドウですか?

ジョージア西部を代表する白ブドウ品種です。イメレティを主産地に西部一帯で育てられ、遅く熟す晩生の品種です。

ツォリコウリの味の特徴は?

リンゴ、洋梨、かりん、白い花、ほのかな蜂蜜。香りは控えめで、酸と果実味のバランスと口当たりの丸みが持ち味です。同じイメレティのツィツカより厚みがあり、ブレンドではボディを担います。

ツォリコウリの栽培面積は?

ジョージア西部で最も栽培面積の大きい白品種です。国立ワイン庁のブドウ畑の登録簿(カダストル)では、2023年、登録簿の対象地域内で228 haでした。

ツォリコウリを使うPDOは?

4つあります。天然半甘口白のトゥヴィシと、辛口白・アンバーのPDOレチュフミ(どちらもレチュフミ地方)、ツィツカ・クラフナとも組む辛口白のスヴィリと、ツォリコウリ主体のアンバーを定めるオブチャ(どちらもイメレティ地方)です。

ツォリコウリの半甘口とは?

レチュフミ地方のPDOトゥヴィシです。糖を残して発酵を終える天然の半甘口白で、果実味と酸のバランスがよく、甘みが重たくなりません。

ツォリコウリはアンバー(オレンジ)ワインにもなりますか?

はい。イメレティには、甕「チュリ」に果皮の一部を加えて発酵・熟成させる伝統の製法があり、淡い琥珀色と穏やかな渋み、ナッツの風味が加わります。PDOオブチャでは、ツォリコウリ主体のアンバーが定められています。

ツォリコウリに合う料理は?

辛口白は川魚や白身魚、鶏肉、フレッシュチーズ、西部ジョージアの胡桃ソース料理やトウモロコシ粉のパン「ムチャディ」に。和食なら出汁を使った料理や焼き魚と。半甘口のトゥヴィシは、果物のデザートや塩気のあるチーズとよく合います。

「ツォリカウリ」はツォリコウリと同じですか?

同じ品種です。「ツォリカウリ」はロシア語を経由した読み方で、ソ連時代に広く使われました。ラテン文字では Tsolikouri、ジョージア語では ცოლიკოური と書き、本サイトでは「ツォリコウリ」で統一しています。

ツォリコウリのワインは、どこで買えますか?

ジョージアワインの専門店や輸入元の通販で買えます。天然の半甘口ならトゥヴィシ、3品種の辛口白ならスヴィリと、ラベルのPDO名を目印にすると選びやすくなります。

出典と検証。

ツォリコウリは、国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC に12710番で登録され、原産国はジョージアです。ジョージアの在来品種を対象にしたDNA研究でも遺伝子型が調べられ、ジョージア国内外の研究機関で遺伝資源として保存されています。

詳細な参照情報は出典一覧および品種マスターリスト(CSV / JSON)で公開しています。

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執筆ジョージアワインストア データベース編集部
レビュー編集部(品種データ担当が相互確認)
初回公開2026年9月4日
最終確認2026年9月28日
根拠の強さA(DNA・保存株。DNAで品種を確認済み)
主要出典VIVC、『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)、PDOの規定、査読論文

根拠の強さ(A〜E)の定義は方法論、運営体制はこのサイトについてを参照。

資料は、こう書いている。

このページの根拠になった資料を、資料ごとに紹介します。

1960
『ジョージア・アンペログラフィア』

房・粒・葉の形と大きさ、熟す時期(晩生)、木の勢い、収量

品種図鑑
2023
国立ワイン庁 ブドウ畑の登録簿(カダストル)

228 ha(登録簿の対象地域内)

政府統計
2026
VIVC

登録番号 12710。原産国ジョージア

国際データベース