雨に強い果皮
厚めの果皮はカビによる病気に強く、雨の多い西部の気候に合います。
01 — 名称
ცოლიკოური=Tsolikouri
ツォリコウリ(ცოლიკოური)は、古代コルキスにあたるイメレティの在来品種として、古くから記録されてきた名です。ソ連時代には「ツォリカウリ」の表記でも広く流通しました。どちらも同じ品種です。
02 — 西部でいちばん多い白
ジョージア西部の白ワインは、どのブドウから造られるのか。まず挙がるのがツォリコウリです。西部で最も栽培面積の大きい白品種として、西部一帯で育てられています。
イメレティを中心に、西部の6つの地方で。レチュフミ、ラチャ、グリア、サメグレロ、アジャラでも育てられています。
厚めの果皮はカビによる病気に強く、雨の多い西部の気候に合います。
辛口白、イメレティ式の甕仕込み、天然の半甘口トゥヴィシまで、幅広いスタイルを生みます。
平地のイメレティから山あいのレチュフミまで、標高の違う畑で育ちます。
03 — 味わい
控えめな香りに、丸い口当たり。
辛口白の場合の目安です。
リンゴ、洋梨、かりん、白い花、ほのかな蜂蜜。香りは控えめで、イメレティ式で醸すとナッツのニュアンスが加わります。
酸と果実味の均衡と、口当たりの丸みが持ち味。同じイメレティのツィツカより厚みがあり、ブレンドではボディを担います。
ピノ・ブランや、ソアーヴェに使われるガルガーネガに近いタイプ。丸みのある口当たりと控えめな香りが共通しています。
合わせる料理
辛口白は川魚や白身魚、鶏肉、フレッシュチーズ、西部ジョージアの胡桃ソース料理やトウモロコシ粉のパン「ムチャディ」と。和食なら出汁を使った料理や焼き魚に。半甘口のトゥヴィシは、果物のデザートや塩気のあるチーズと。
04 — スタイル
同じツォリコウリでも、摘む時期と造り方で味わいが変わります。収穫の中心は10月中旬。辛口は酸が残るうちに、イメレティ式の甕仕込みは果皮が熟すのを見て摘みます。好みのスタイルを見つけてください。
| 成熟期・収穫 | 晩生(遅く熟すタイプ) |
| 木の勢い | 強(イメレティ) |
| 収量 | 多い |
成熟期・樹勢・収量はジョージアのブドウ品種を記録した図鑑『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)によります。
STYLE 01
リンゴと洋梨、丸みのある酸。
西部の中心産地イメレティで造られます。単一品種のほか、ツィツカやクラフナとのブレンドも多く造られます。
STYLE 02
果皮を少しだけ加える、西部の甕仕込み。
イメレティに伝わる製法です。ジョージアの甕クヴェヴリ(土に埋めた素焼きの甕)を、この地方では「チュリ」と呼びます。東部カヘティの製法(カヘティ式)より果皮と接する量が少なく、白とアンバー(オレンジ)ワインの中間のスタイルです。ツォリコウリ、ツィツカ、クラフナで造るPDOスヴィリも、この製法で造られます。
STYLE 03
山の斜面で熟した、ツォリコウリだけの半甘口。
レチュフミのツァゲリ地区、リオニ川沿いの特定区域で造られるPDOトゥヴィシです。山の斜面で糖度を高めた果実から造られます。
05 — ブドウとしての性質
褐色の斑点がのる黄緑の粒、厚く粗い果皮、表面がなめらかな濃い緑の葉。畑でツォリコウリを見分ける手がかりを、ジョージアのブドウ品種図鑑『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)の記述と測定値で紹介します。
| 果皮 | 厚く粗い |
| 果粉(粒の白い粉) | あり |
| 果肉・果汁 | 固めで多汁、甘い |
| 房の重さ | 平均140〜160 g(大きな房は400〜500 g) |
| 葉の切れ込み | 上側の切れ込みは浅め〜やや深めで、竪琴のような形 |
| 葉の表面 | 濃い緑で、なめらか |
| 葉の裏面 | フェルトのような厚い毛 |
出典: 『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)。英訳を掲載するジョージア国立議会図書館のウェブ辞典(NPLG Wiki Dictionaries)で確認しています。同じデータは品種マスターリストでも確認できます。
06 — PDOと産地
PDO(原産地呼称)は、産地と造り方が法律で定められたワインの名前です。ラベルに「トゥヴィシ」とあれば、それはツォリコウリだけで造る天然の半甘口白。ツォリコウリを使う4つのPDOのうち、トゥヴィシとスヴィリを中心に紹介します。
ボトルの写真はイメージです。
07 — よくある質問
ツォリコウリは辛口?半甘口? 「ツォリカウリ」と同じ品種? 気になる9つの疑問に、短く答えます。
ジョージア西部を代表する白ブドウ品種です。イメレティを主産地に西部一帯で育てられ、遅く熟す晩生の品種です。
リンゴ、洋梨、かりん、白い花、ほのかな蜂蜜。香りは控えめで、酸と果実味のバランスと口当たりの丸みが持ち味です。同じイメレティのツィツカより厚みがあり、ブレンドではボディを担います。
ジョージア西部で最も栽培面積の大きい白品種です。国立ワイン庁のブドウ畑の登録簿(カダストル)では、2023年、登録簿の対象地域内で228 haでした。
4つあります。天然半甘口白のトゥヴィシと、辛口白・アンバーのPDOレチュフミ(どちらもレチュフミ地方)、ツィツカ・クラフナとも組む辛口白のスヴィリと、ツォリコウリ主体のアンバーを定めるオブチャ(どちらもイメレティ地方)です。
レチュフミ地方のPDOトゥヴィシです。糖を残して発酵を終える天然の半甘口白で、果実味と酸のバランスがよく、甘みが重たくなりません。
はい。イメレティには、甕「チュリ」に果皮の一部を加えて発酵・熟成させる伝統の製法があり、淡い琥珀色と穏やかな渋み、ナッツの風味が加わります。PDOオブチャでは、ツォリコウリ主体のアンバーが定められています。
辛口白は川魚や白身魚、鶏肉、フレッシュチーズ、西部ジョージアの胡桃ソース料理やトウモロコシ粉のパン「ムチャディ」に。和食なら出汁を使った料理や焼き魚と。半甘口のトゥヴィシは、果物のデザートや塩気のあるチーズとよく合います。
同じ品種です。「ツォリカウリ」はロシア語を経由した読み方で、ソ連時代に広く使われました。ラテン文字では Tsolikouri、ジョージア語では ცოლიკოური と書き、本サイトでは「ツォリコウリ」で統一しています。
ジョージアワインの専門店や輸入元の通販で買えます。天然の半甘口ならトゥヴィシ、3品種の辛口白ならスヴィリと、ラベルのPDO名を目印にすると選びやすくなります。
08 — 飲んでみる
読んだあとは、グラスで確かめる番です。ジョージアワイン専門店で、あなたの好きなツォリコウリを見つけてください。
ツォリコウリは、国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC に12710番で登録され、原産国はジョージアです。ジョージアの在来品種を対象にしたDNA研究でも遺伝子型が調べられ、ジョージア国内外の研究機関で遺伝資源として保存されています。
このページの根拠になった資料を、資料ごとに紹介します。
房・粒・葉の形と大きさ、熟す時期(晩生)、木の勢い、収量
品種図鑑228 ha(登録簿の対象地域内)
政府統計登録番号 12710。原産国ジョージア
国際データベース