「ムツヴァネ・カフリと混同しないこと」と前置きし、ムトクヴァリ川沿いの沖積土(アテニ渓谷を含む)に主に植えられると記述。芽吹き(萌芽)は4月中〜下旬、成熟は9月中〜下旬。果皮は厚く黄緑、中粒、果房は円錐形で翼を持つ。品種内の変異が大きく、花振るい(花が実にならずに落ちること)や落果を起こす株がある。べと病に比較的強く、耐寒性は平均的。ワインについては「繊細で高い調子の香り」「軽い酒質で若いうちに飲むのがよい」「花、ライム、かすかな蜂蜜の香り」とし、「酸化しやすく、ルカツィテリやチヌリとブレンドされることが多い」と記す。チヌリ・ブデシュリ・テトリとのスパークリング(PDOアテヌリ)、チヌリ・タヴクヴェリとクヴェヴリで共醸造する赤「ヒディスタウリ」にも言及。224 ha(2004年)、その後追加植栽あり。
根拠の強さ B — 政府機関(味わいの記述は同庁の解説文による)白品種 ・ 少量・復興 ・ VIVC 4911 ・ 根拠の強さ B
ゴルリ・ムツヴァネ
Goruli Mtsvane ・ გორული მწვანე
ゴルリ・ムツヴァネは、ジョージア中部カルトリに由来する白ブドウ品種です。名称は「ゴリの緑」の意で、ムトクヴァリ川流域とアテニ渓谷を中心に栽培されます。チヌリとともにPDOアテヌリの規定品種で、スパークリングにも使われます。国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC に4911番で登録され、別名(同義語)は44件。カヘティの「ムツヴァネ・カフリ」とは別の品種で、ラベルに単に「ムツヴァネ」とある場合は産地で見分けます。2004年の栽培面積は224 ha。
「—」は本データベースで一次資料を確認できていない項目です。根拠の強さ(A〜E)の定義は方法論を参照。
01 — 名称
ゴルリ・ムツヴァネの意味は「ゴリの緑」。
「ゴルリ・ムツヴァネ(გორული მწვანე)」はジョージア語のゴルリ(ゴリの)+ムツヴァネ(緑)に由来し、シダ・カルトリの町ゴリにちなむ名称です(国立ワイン庁は「Green Gori」と説明)。「ムツヴァネ(緑)」を名に持つ品種は複数あり、カヘティのムツヴァネ・カフリ(VIVC 8121)とは別品種です。VIVCの系譜データでは、両者はDNAから推定された同じ親(「再構成遺伝子型51」)を片親に持つ半兄弟にあたりますが、別の品種です。ラベルや文献に単に「ムツヴァネ」とある場合は、産地から見分けます(品種マスターリストの「ムツヴァネ」の行)。
VIVCには44件の別名(同義語)が登録され、Lurji Mtsvane、Suramuli / Suramula、Tbiluri、Kvishkhuri のような地域ごとの呼称が多くを占めます。国立ワイン庁は「商業的には一貫して Goruli Mtsvane と表示される」と記しています。本サイトは原音に近い「ゴルリ・ムツヴァネ」を日本語の標準表記とし、他の表記が資料に現れた場合はこの表に追記します。
| 表記 | 種類 |
|---|---|
| ゴルリ・ムツヴァネ | 日本語(本サイト標準) |
| Goruli Mtsvane | ラテン文字の標準名(VIVCの正式名 GORULI MTSVANE) |
| გორული მწვანე | ジョージア語原綴り |
| Lurji Mtsvane / Lurdji Mtsvane | VIVCに登録された別名 |
| Suramuli / Suramula、Tbiluri、Kvishkhuri | VIVCに登録された別名(地域ごとの呼称) |
| Goruli、Tetrpotola、Mzoani | VIVCに登録された別名 |
| Mtsvane(単独) | 同じ名前で別の品種を指すことがある — VIVCではムツヴァネ・カフリ(8121)、クンザ(6559)の別名にもある。見分け方は品種マスターリスト |
| Mtsvane Kakhuri | 別品種(VIVC 8121、カヘティ)— 区別して扱う |
02 — 資料に見る記述
ゴルリ・ムツヴァネについて、資料はこう書いている。
資料ごとに記述を分けて示します。ワインの味わいは国立ワイン庁の記述として引用し、本サイトとしての断定はしません。
正式名 GORULI MTSVANE、果皮色は白(BLANC)、原産国ジョージア、用途はワイン用・生食用。別名(同義語)44件。花は両性花(雄しべと雌しべの両方が働く)。EUの品種目録に登録あり。株を保存している研究機関は13で、ジョージア国内の5機関のほか、アゼルバイジャン、ブルガリア、モルドバ、ルーマニア、ロシア、ウクライナの機関。DNA型(SSRマーカー)のデータあり。
根拠の強さ B — 国際データベース親品種を GRDZELMTEVANA INSTITUTIS × 再構成遺伝子型51(ジョージア)とし、「マーカーで確認済み」と表示。VIVCの「再構成遺伝子型」は現存株ではなく、子孫のDNAから推定された親の遺伝子型を指す。再構成遺伝子型51はムツヴァネ・カフリ(8121)やシャヴカピト(11718)の片親としても登録されており、ゴルリ・ムツヴァネとムツヴァネ・カフリは半兄弟の関係にあたる。
根拠の強さ B〜C — 国際データベース(根拠は分子マーカー研究)03 — 確認状況
確認できていること、できていないこと。
04 — 保存とDNA
ゴルリ・ムツヴァネの苗木を守る、研究機関。
研究機関の畑に保存された株は、品種を遺伝資源として未来に残す役割を持ちます。VIVCによると、ゴルリ・ムツヴァネの株を保存している研究機関は13あり、うち5つがジョージア国内です。国内の保存先には、園芸・ブドウ栽培・醸造研究所(VIVCの機関コード GEO017)が含まれます。
VIVCにはこの品種のDNA型(SSRマーカー)のデータがあり、親の組み合わせ(GRDZELMTEVANA INSTITUTIS × 再構成遺伝子型51)も「マーカーで確認済み」と表示されています。「再構成遺伝子型」は、子孫のDNAから推定された親の遺伝子型のことです。
| 項目 | 状態 | 備考 |
|---|---|---|
| 保存株の有無 | あり | 13の研究機関で保存(ジョージア国内5)。VIVCによる |
| DNA型(SSRマーカー) | あり | VIVCに登録 |
| 親品種(DNAで確認) | 確認済み(VIVC) | GRDZELMTEVANA INSTITUTIS × 再構成遺伝子型51 |
| ムツヴァネ・カフリとの関係 | 別品種 | VIVCでは別の登録(8121)。片親が同じ半兄弟 |
05 — 飲んでみる
ジョージアワインを、飲んでみる。
ゴルリ・ムツヴァネのように、ジョージアには個性豊かな在来品種がたくさんあります。まずは定番のサペラヴィやルカツィテリから、気になる一本を。ジョージアワイン専門店なら、あなたの好きなジョージアワインがきっと見つかります。
このページの検証状態
| 執筆 | ジョージアワインストア データベース編集部 |
| レビュー | 編集部(品種データ担当が相互確認) |
| 初回公開 | 2026年9月5日 |
| 最終確認 | 2026年9月28日 |
| 根拠の強さ | B(公的資料。VIVC・国立ワイン庁で確認) |
| 主要出典 | VIVC 4911、国立ワイン庁(白品種解説)、VIVC 8121(比較) |