早めに摘んで泡に
泡の原酒に向ける畑ほど、酸が残るうちに早めに収穫します。
01 — 名称
ციცქა=Tsitska
ツィツカ(ციცქა)は、国立ワイン庁の解説では「小粒の(ブドウの)品種」という意味で、ツィツケ(Tsitske)という村の名とも結び付けられています。イメレティの一部の村ではチャンティ、ツィツコ、ママリ・ツィツカとも呼ばれ、いずれも同じ品種です。
02 — 泡を支える酸
ツィツカのワインは、なぜ軽快なのか。鍵は、熟しても保ちやすい高い酸です。その酸を活かして、辛口白のほかスパークリングワインの原料にも使われます。
泡用に摘むときの、酸の量(総酸)の目安。1リットルあたりのグラム数です。辛口白用には、糖度19〜21%・酸7〜9 g/lで摘むのが目安です(国立ワイン庁)。
泡の原酒に向ける畑ほど、酸が残るうちに早めに収穫します。
PDOスヴィリでは、ツィツカが酸と軽やかさを、ツォリコウリがボディを担います。
ワイン用と生食用を兼ねる品種。ワインでは辛口白と泡の両方に使われます。
03 — 味わい
線は細く、酸はきりり。
辛口白の場合の目安です。
かりん、メロン、洋梨などの黄色い果実に、ときに蜂蜜のニュアンス。
同じイメレティのツォリコウリより線が細く、高い酸が全体を引き締める軽快な白です。
ミュスカデやトレッビアーノのような、軽快で食事に寄り添う白が目安です。泡にも向きます。
合わせる料理
辛口白とスパークリングは、魚介の前菜、川魚や白身魚、揚げ物、フレッシュチーズと。西部ジョージアの胡桃料理やトウモロコシ粉のパン「ムチャディ」、和食なら出汁を使った料理や刺身とも。
04 — スタイル
同じツィツカでも、摘む時期と造り方で味わいが変わります。イメレティでの収穫は10月初旬。泡の原酒に向ける畑ほど早めに摘み、単一品種の辛口とブレンドは熟すのを待って摘みます。好みのスタイルを見つけてください。
| 成熟期・収穫 | 晩生(遅く熟すタイプ) |
| 木の勢い | 中 |
| 収量 | 非常に多い |
成熟期・樹勢・収量はジョージアのブドウ品種を記録した図鑑『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)によります。
STYLE 01
黄色い果実と高い酸の、軽快な白。
上部・中部イメレティの、ゼスタポニやテルジョラ周辺などで造られます。ジョージアの甕クヴェヴリ(土に埋めた素焼きの甕。イメレティでは「チュリ」)で果皮を少し加えるイメレティ式では、色と味わいの骨格がやや増します。
STYLE 02
ツィツカが酸と軽やかさを加える、3品種の辛口白。
ゼスタポニ市スヴィリ村周辺のPDO(2007年登録)で、イメレティで最初のPDOです。ツォリコウリ主体のアンバーを定めるPDOオブチャでも、ツィツカとクラフナを合わせて15%以下まで加えられます。
STYLE 03
高い酸を活かした、軽快な泡。
イメレティで造られる発泡性ワインです。瓶の中で二度目の発酵をさせる方法と、タンクで泡を造る方法があり、造り手ごとに選んでいます。
05 — ブドウとしての性質
灰色の果粉(粒の表面の白い粉)が厚くつく黄緑の粒、粒がぎっしり詰まった円錐形の房、5つに裂けた葉。畑でツィツカを見分ける手がかりを、ジョージアのブドウ品種図鑑『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)の記述と測定値で紹介します。
| 果皮 | 薄いがかなり丈夫 |
| 果粉(粒の白い粉) | 灰色で、かなり厚い |
| 果肉・果汁 | 多汁で溶けるよう、無色 |
| 房の重さ | 平均140〜160 g。長さ14cm・幅8cmほど |
| 葉の切れ込み | 浅い〜中程度で、株によって差が大きい |
| 葉の表面 | 濃い緑 |
| 葉の裏面 | クモの巣のような厚い毛 |
出典: 『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)。英訳を掲載するジョージア国立議会図書館のウェブ辞典(NPLG Wiki Dictionaries)で確認しています。同じデータは品種マスターリストでも確認できます。
06 — PDOと産地
PDO(原産地呼称)は、産地と造り方が法律で定められたワインの名前です。ラベルに「スヴィリ」とあれば、それはツォリコウリ、ツィツカ、クラフナから造るイメレティの辛口白。ツィツカを使用品種に挙げるPDOはスヴィリで、ツォリコウリ主体のアンバーを定めるPDOオブチャでも、少しだけ加えられます。
ボトルの写真はイメージです。
07 — よくある質問
ツィツカとツォリコウリの違いは? スパークリングにもなる? 気になる9つの疑問に、短く答えます。
ジョージア西部イメレティの白ブドウ品種です。ワイン用と生食用を兼ね、ツォリコウリと並ぶ西部の主要な白です。上部・中部イメレティで多く育てられています。
国立ワイン庁の解説では、かりん、メロン、洋梨などの黄色い果実に、ときに蜂蜜のニュアンスが加わります。同じイメレティのツォリコウリより線が細く、高い酸が全体を引き締める軽快な白です。
どちらもイメレティの白ですが、ツィツカは酸が高く軽快、ツォリコウリは厚みと丸みがあります。性格が補い合うため、PDOスヴィリではクラフナを加えた3品種を組み合わせて造ることができます。
使用品種に挙げるPDOは、イメレティの辛口白スヴィリです。ツォリコウリ、クラフナと組み合わせて使えます。ツォリコウリ主体のアンバーを定めるPDOオブチャでも、少量加えることが認められています。
高い酸を活かした、軽快な発泡性ワインです。泡用のブドウは、酸が残るうちに早めに摘みます。イメレティで造られています。
辛口白とスパークリングは、魚介の前菜、川魚や白身魚、揚げ物、フレッシュチーズに。西部ジョージアの胡桃料理やトウモロコシ粉のパン「ムチャディ」、和食なら出汁を使った料理や刺身ともよく合います。
国立ワイン庁の解説では「小粒の(ブドウの)品種」という意味で、ツィツケ(Tsitske)という村の名とも結び付けられています。
イメレティの一部の村では、チャンティ(Chanti)、ツィツコ(Tsitsko)、ママリ・ツィツカ(Mamali Tsitska)とも呼ばれます。どれも国際的な品種登録簿VIVCに別名として載る、同じ品種です。
ジョージアワインの専門店や輸入元の通販で買えます。ブレンドならラベルのPDO名「スヴィリ」を、単一品種の辛口白やスパークリングなら品種名「ツィツカ」と産地イメレティを目印にすると選びやすくなります。
08 — 飲んでみる
読んだあとは、グラスで確かめる番です。ジョージアワイン専門店で、あなたの好きなツィツカを見つけてください。
ツィツカは、国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC に12693番で登録された、原産国ジョージアの白品種です。VIVC はDNAの分析から片方の親をバザレトゥリ(Bazaleturi)としており、同じイメレティのクラフナと片親が共通しています。日本を含む13の機関で保存され、EUの品種目録にも登録されています。
このページの根拠になった資料を、資料ごとに紹介します。
房・粒・葉の形と大きさ、熟す時期(晩生)、木の勢い、収量
品種図鑑主産地イメレティ、栽培面積2,839 ha
政府機関登録番号 12693(白)。片方の親はバザレトゥリ
国際データベース