早く熟す
ルカツィテリより9〜10日早く熟す早生で、涼しい高地にも向きます。
01 — 名称
ხიხვი=Khikhvi
ヒフヴィ(ხიხვი)は、カヘティの一部では「ジャナヌラ(Jananura)」とも呼ばれる白ブドウです。国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC では、西部レチュフミの名前の似た品種「ヒフヴィ・レチュフミス」とは別の品種として登録されています。
02 — よみがえったブドウ
ヒフヴィの畑は、いまどれくらいあるのか。国立ワイン庁の品種解説が2004年に記した面積から復興が進み、畑は大きく広がりました。
2023年の登録面積。国立ワイン庁のブドウ畑カダストル(国の畑の登録記録)の数字です。
ルカツィテリより9〜10日早く熟す早生で、涼しい高地にも向きます。
カルデナヒやティバアニでは、ルカツィテリに加えてブレンドに芳香を添えます。
カルデナヒ村の酒精強化ワインは1926年から造られてきました。ヒフヴィは、その構成品種の一つです。
03 — 味わい
ツゲと野の花、穏やかな酸。
辛口白の場合の目安です。
ツゲ(ボックスウッド)や野の花を思わせる香りが、熟した黄色い果実と杏の風味を引き立てます。アルコールは中程度です。
クヴェヴリで醸すと干した果実と花のニュアンスが強まり、酒精強化のカルデナヒでは甘みと蜂蜜の香りが加わります。
香りが主体の白です。マルサンヌやルーサンヌのような、花と黄色い果実の香りを持つ白に近いイメージです。
合わせる料理
辛口白はハーブを使った鶏肉や白身魚の料理、チーズパン「ハチャプリ」、香りの穏やかなアジア料理と。アンバーは胡桃を使ったジョージア料理や熟成チーズ、酒精強化のカルデナヒはナッツやドライフルーツ、焼き菓子に。
04 — スタイル
同じヒフヴィでも、摘む時期と造り方で味わいが変わります。カヘティでは9月に入ると早生のヒフヴィから収穫が始まり、辛口の白は酸を残して早めに、クヴェヴリのアンバーや酒精強化は糖が乗るまで待って摘みます。好みのスタイルを見つけてください。
| 成熟期・収穫 | 早生 |
| 木の勢い | 中 |
| 収量 | 中より少ない |
成熟期・樹勢・収量はジョージアのブドウ品種を記録した図鑑『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)によります。
STYLE 01
ツゲと野の花の香り。単独でも、ブレンドの香り付けにも。
カヘティのアラザニ川右岸、東〜南東部のグルジャアニ周辺などで造られています。
STYLE 02
芳香系品種ならではの華やかさが残るアンバー。
カヘティのマラニ(醸造場)で、修道院から小規模生産者まで造られています。
STYLE 03
蜂蜜を思わせる香りの、琥珀色の酒精強化白。
グルジャアニ市カルデナヒ村周辺のPDOカルデナヒ(2007年登録)。辛口のアンバーと、白の酒精強化ワインを定めています。
05 — ブドウとしての性質
黄緑の粒に、裏が銀白色でピンクがかる葉。畑でヒフヴィを見分ける手がかりを、ジョージアのブドウ品種図鑑『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)の測定値で紹介します。
| 果皮 | 薄く丈夫 |
| 果粉 | 中程度 |
| 果肉・果汁 | 肉厚で多汁 |
| 房の重さ | 平均80〜200g |
| 葉の切れ込み | 中程度。深い切れ込みは閉じて楕円形になる |
| 葉の表 | 黄緑 |
| 葉の裏 | 銀白色でピンクがかる。葉脈に沿ってクモの巣状の毛が密 |
出典: 『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)。英訳を掲載するジョージア国立議会図書館のウェブ辞典(NPLG Wiki Dictionaries)で確認しています。同じデータは品種マスターリストでも確認できます。
06 — PDOと産地
PDO(原産地呼称)は、産地と造り方が法律で定められたワインの名前です。ラベルに「カルデナヒ」とあれば、ヒフヴィが加わることもある琥珀色のワイン。5つのPDOのうち、個別に解説しているカルデナヒから紹介します。
ボトルの写真はイメージです。
| PDO | 区域 | タイプ | 使用品種 |
|---|---|---|---|
| ティバアニTibaani | カヘティ(シグナギ) | 辛口アンバー | ルカツィテリ(ムツヴァネ・カフリとヒフヴィを約15%まで) |
| アフメタAkhmeta (Akhmetis Mtsvane) | カヘティ(アフメタ) | 白(辛口〜天然半甘口)・アンバー | ムツヴァネ・カフリのみ(アンバーはキシ・ヒフヴィを合わせて15%まで) |
| ツァラピTsarapi | カヘティ(グルジャアニ) | 辛口アンバー | ルカツィテリ(ムツヴァネ・カフリ・ヒフヴィを合わせて15%まで) |
| カヘティKakheti (Kakhuri) | カヘティ全域 | 白・赤・ロゼ・アンバー(辛口〜甘口。地方全体の呼称) | 白・アンバー: ルカツィテリ、ムツヴァネ・カフリ、キシ、ヒフヴィほか / 赤: サペラヴィ、カベルネ・ソーヴィニヨンほか |
07 — よくある質問
ヒフヴィはオレンジワインにもなる? レチュフミのヒフヴィと同じ? 気になる9つの疑問に、短く答えます。
ジョージア東部カヘティの白ブドウ品種です。ルカツィテリより早く熟す早生で、辛口白、クヴェヴリ(土に埋めた素焼きの甕)で醸すアンバーワイン、酒精強化のカルデナヒに使われます。
カヘティの一部では「ジャナヌラ(Jananura)」とも呼ばれます。国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC には、ジャナヌラを含む9つの別名が記録されています。
いいえ、別の品種です。VIVC は、カヘティのヒフヴィ(6178)と、西部レチュフミの「ヒフヴィ・レチュフミス」(6179)を別の品種として登録しています。このページではカヘティのヒフヴィを紹介しています。
ツゲ(ボックスウッド)や野の花を思わせる香りが、熟した黄色い果実と杏の風味を引き立てます。アルコールは中程度、酸は穏やかで、単一品種でも、ブレンドの香り付けにも使われます。
なります。果皮・種とともにクヴェヴリで醸すと琥珀色になり、干した果実と花の香り、明確なタンニンを持ちます。芳香系品種らしい華やかさも残ります。
辛口白はハーブを使った鶏肉や白身魚の料理、チーズパン「ハチャプリ」、香りの穏やかなアジア料理が目安です。アンバーは胡桃を使ったジョージア料理や熟成チーズ、酒精強化のカルデナヒはナッツや焼き菓子と合わせます。
5件あります。辛口アンバーと酒精強化白のカルデナヒ、アンバーのティバアニ、ツァラピ、アフメタ、カヘティ全域の呼称カヘティで、いずれもルカツィテリなどほかの品種に加えて使われます。
国立ワイン庁のブドウ畑カダストル(国の畑の登録記録、2023年)では305 haです。2004年の品種解説ではわずか1 haでしたが、その後の復興で大きく広がりました。
ジョージアワインの専門店や輸入元の通販で入手できます。ラベルの品種名「Khikhvi」を手がかりに探し、酒精強化ならPDO名「カルデナヒ」を目安にすると選びやすくなります。
08 — 飲んでみる
読んだあとは、グラスで確かめる番です。ヒフヴィと同じカヘティの芳香系の白や、クヴェヴリのアンバーから、ジョージアワイン専門店で好きな一本を見つけてください。
ヒフヴィは、国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC に6178番で登録され、原産国はジョージアと記されています。ジャナヌラなど9つの別名が記録され、日本を含む15の機関が遺伝資源として苗木を保存しています。EUの品種目録にも登録されています。
このページの根拠になった資料を、資料ごとに紹介します。
305 ha
政府統計登録番号 6178。原産国ジョージア
国際データベース