白品種 ・ ワイン用 ・ 品種登録番号 6477

クラフナ

Krakhuna ・ კრახუნა

クラフナは、ジョージア西部イメレティ中部の村々で栽培される白ブドウ品種です。糖を蓄えながら酸を保つ性質から、厚みのある辛口白や、クヴェヴリ(土に埋めた素焼きの甕。イメレティでは「チュリ」)で醸すアンバー(オレンジ)ワインになります。PDO(原産地呼称)スヴィリの白と、PDOオブチャのアンバーに使われます。

クラフナの房の接写。黄緑から黄金色のやや大きな丸い果粒に厚い果粉、密な円筒円錐形の房と、切れ込みの浅い3裂の葉。垣根仕立ての畑(イメージ)
栽培面積
36 ha
2004年、国立ワイン庁
主産地
イメレティ
スヴィリ、オブチャ、ディミ周辺
果皮色
白
黄緑〜黄金色・薄い果皮
収穫
9月下旬
イメレティでの収穫の始まり
根拠の強さ
B
公的資料。国際登録簿と国立ワイン庁の資料で確認

根拠の強さ(A〜E)の定義は方法論を参照。出典は出典一覧に記載。

01 — 名称

クラフナ、イメレティの言葉で「カリッとした」。

კრახუნა=カリッとした

クラフナ(კრახუნა)は、国立ワイン庁の解説によれば、イメレティ方言で「カリッとした」を意味する語に由来する名です。同義語にチュコヴラ(Chkovra)があります。名前の似たクラフナ・シャヴィ(shavi=黒)は、黒ブドウの別の品種です。

02 — イメレティの村の白

イメレティの村々で育つ、希少な白。

クラフナは、どこで育つのか。栽培はイメレティ中部の限られた村に集まっています。量は少なくても、厚みのある個性的な白を生みます。

スヴィリ、オブチャ、ディミ。ゼスタポニ市とバグダティ市にまたがる、イメレティ中部の村々が主な産地です。

糖と酸を両立

糖を蓄えてアルコールと厚みが出る一方、酸もしっかり残ります。

ワインにも、生食にも

ワイン用として知られますが、国立ワイン庁の解説では生食にも使われる品種です。

甕で琥珀色に

クヴェヴリ(土に埋めた素焼きの甕)で醸すと濃い琥珀色になり、瓶での熟成にも向きます。

03 — 味わい

クラフナの味わいとは?

厚みがあるのに、酸が残る。

辛口白の場合の目安です。

香り

完熟したバナナや杏、蜂蜜。クヴェヴリで醸すと、桃や杏のような核果とトロピカルフルーツ、わずかなハーブの香りが現れます。

どっしりとした白

同じイメレティのツィツカやツォリコウリと比べると、どっしりとした白。ブレンドでは全体に重みを加えます。

国際品種で例えると

樽を使わないマルサンヌや、辛口のセミヨンに近いタイプです。クヴェヴリで醸すと、チョークを思わせるタンニンが加わります。

クラフナの白ワインをグラスで味わいながら、粉まみれの台所でパスタ生地を延ばす二人。窓の外にトビリシの街(イメージ)

合わせる料理

ローストと、胡桃のサツィヴィ。

厚みのある辛口白は、鶏肉や豚肉のロースト、胡桃ソースの「サツィヴィ」などコクのあるジョージア料理、クリームを使った料理と。アンバーは熟成チーズ、スパイスの効いた料理、発酵食品と。

04 — スタイル

辛口、ブレンド、アンバー。3つのスタイル。

同じクラフナでも、造り方で味わいが変わります。イメレティでは9月下旬に収穫が始まり、単一の辛口は完熟を待ち、薄い果皮を傷めないよう摘んだらすぐに仕込みます。好みのスタイルを見つけてください。

イメレティでのクラフナの収穫後。石造りの水場で、摘み終えた黄緑色の房のそばで鋏を布で拭う手(イメージ)
クラフナの熟す時期と育ち方
成熟期・収穫中晩生。イメレティで9月26日頃、東部カヘティで10月12日頃に熟す
木の勢い強
収量1 haあたり8〜10トン

成熟期・樹勢・収量はジョージアのブドウ品種を記録した図鑑『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)によります。

1つの品種、3つの顔。

STYLE 01

辛口白(単一品種)

蜂蜜と完熟果実の、厚みのある白。

造り
ステンレスタンク、または果皮を控えめにした甕「チュリ」
色
黄金がかった色調
香り
完熟果実と蜂蜜
味わい
厚みのある口当たり

イメレティ中部のゼスタポニ市・バグダティ市の村々で、少量ずつ造られます。

STYLE 02

ブレンド(スヴィリ)

クラフナが重みを加える、3品種の辛口白。

品種
ツォリコウリ、ツィツカ、クラフナ(組み合わせは自由)
造り
クヴェヴリで、果皮を少し加えて発酵
味わい
クラフナがボディと熟した果実味を加える

ゼスタポニ市スヴィリ村周辺のPDO(2007年登録)で、イメレティで最初のPDOです。軽やかなツィツカ、丸みのあるツォリコウリと組み合わせて造られます。

STYLE 03

アンバー(オブチャ)

ツォリコウリ主体の、琥珀色のアンバー。

品種
ツォリコウリ主体。ツィツカとクラフナは合わせて15%以下
造り
果皮とともに発酵させる
色
琥珀色

バグダティ市の第一・第二オブチャ、ディミ、ロキティ、ペルサティ村などを区域とするPDOで、2024年12月23日に登録されました。

05 — ブドウとしての性質

房、粒、葉の形。

厚い果粉(粒の表面の白い粉)をまとう丸い粒、粒の詰まった円筒円錐形の房、灰色の毛に覆われた葉の裏。畑でクラフナを見分ける手がかりを、ジョージアのブドウ品種図鑑『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)の記述と測定値で紹介します。

クラフナの特徴の解説図。密な円筒円錐形の房、黄緑〜黄金色の果皮、丸くやや大きい果粒、淡色で多汁な果肉、主に3裂の葉(イメージ)
果皮色
黄緑〜黄金色
表面に白い粉(果粉)が厚くつく
果粒
円形
長さ17〜18mm、幅15〜16mm
房
円筒円錐・密
長さ12〜16cm、幅8〜10cm
葉
3つに裂ける
楕円〜ほぼ円形
もっと詳しく見る(皮の厚さ、果肉、葉の裏、熟す時期など)
クラフナの形態
果皮薄く果肉から離れやすい
果粉(粒の白い粉)厚い
果肉・果汁多汁、種の周りは固め
葉の切れ込みやや深く、上下の切れ込みが同じくらい
葉の裏面灰色のフェルトのような毛

出典: 『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)。英訳を掲載するジョージア国立議会図書館のウェブ辞典(NPLG Wiki Dictionaries)で確認しています。同じデータは品種マスターリストでも確認できます。

06 — PDOと産地

クラフナを使うPDOワイン、スヴィリ。

PDO(原産地呼称)は、産地と造り方が法律で定められたワインの名前です。ラベルに「スヴィリ」とあれば、それはツォリコウリ、ツィツカ、クラフナから造るイメレティの辛口白。クラフナを使用品種に挙げるPDOはスヴィリで、アンバーのPDOオブチャでも、補助の品種として加えられます。

ボトルの写真はイメージです。

07 — よくある質問

よくある質問。

クラフナはどんな味? アンバー(オレンジ)ワインにもなる? 気になる9つの疑問に、短く答えます。

クラフナはどんなブドウですか?

ジョージア西部イメレティ中部の白ブドウ品種です。糖を蓄えやすく、厚みのある白になります。ゼスタポニ市とバグダティ市の村々で育てられています。

クラフナの味の特徴は?

国立ワイン庁の解説では、完熟したバナナや杏、蜂蜜の香り。アルコールと厚みが出る一方で酸も残り、同じイメレティのツィツカやツォリコウリより、どっしりとした白になります。

クラフナの栽培の特徴は?

いろいろな土壌に合い、収量は中程度から多めです。果皮が薄いため、うどんこ病(オイディウム)にはかかりやすく、べと病には比較的強い品種です。

クラフナを使うPDOは?

使用品種に挙げるPDOは、イメレティの辛口白スヴィリです。ツォリコウリ、ツィツカと組み合わせて使えます。アンバーのPDOオブチャでも、補助の品種として加えられます。

クラフナはアンバー(オレンジ)ワインにもなりますか?

はい。クヴェヴリ(土に埋めた素焼きの甕)で醸すと、濃い琥珀色とチョークを思わせるタンニン、核果やトロピカルフルーツ、わずかなハーブの香りが現れ、瓶での熟成にも向きます。

クラフナに合う料理は?

厚みのある辛口白は、鶏肉や豚肉のロースト、胡桃ソースの「サツィヴィ」などコクのあるジョージア料理、クリームを使った料理に。アンバーは熟成チーズ、スパイスの効いた料理、発酵食品とよく合います。

クラフナという名前の意味は?

国立ワイン庁の解説によれば、イメレティ方言で「カリッとした」を意味する言葉に由来します。

クラフナ・シャヴィはクラフナと同じですか?

別の品種です。国際的な品種登録簿VIVCでも、白のクラフナ(6477)と黒のクラフナ・シャヴィ(6479)は別々に登録されています。

クラフナのワインは、どこで買えますか?

ジョージアワインの専門店や輸入元の通販で買えます。ブレンドならラベルのPDO名「スヴィリ」、アンバーなら「オブチャ」、単一品種なら品種名「クラフナ」を目印にすると選びやすくなります。

出典と検証。

クラフナは、国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC に6477番で登録された、原産国ジョージアの白品種です。VIVC はDNAの分析から片方の親をバザレトゥリ(Bazaleturi)としており、同じイメレティのツィツカと片親が共通しています。ジョージア国内の3機関を含む12の機関で保存され、EUの品種目録にも登録されています。

詳細な参照情報は出典一覧および品種マスターリスト(CSV / JSON)で公開しています。

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執筆ジョージアワインストア データベース編集部
レビュー編集部(品種データ担当が相互確認)
初回公開2026年9月5日
最終確認2026年9月28日
根拠の強さB(公的資料。国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC と国立ワイン庁の資料で確認)
主要出典VIVC、『ジョージア・アンペログラフィア』(1960年)、国立ワイン庁(品種解説・PDO)

根拠の強さ(A〜E)の定義は方法論、運営体制はこのサイトについてを参照。

資料は、こう書いている。

このページの根拠になった資料を、資料ごとに紹介します。

1960
『ジョージア・アンペログラフィア』

房・粒・葉の形と大きさ、熟す時期、木の勢い、収量

品種図鑑
2004
国立ワイン庁

イメレティ(スヴィリ、オブチャ、ディミ)、36 ha

政府機関
2026
VIVC

登録番号 6477(白)。黒ブドウのクラフナ・シャヴィ(6479)は別の登録

国際データベース