白品種 ・ ワイン用(生食兼用) ・ VIVC 2576

チヌリ

Chinuri ・ ჩინური

チヌリは、ジョージア中部カルトリを代表する白ブドウ品種です。ムトクヴァリ(クラ)川流域の乾燥した大陸性気候で育ち、しっかりした酸と中程度のアルコールを持つ辛口白と、PDO(原産地呼称)アテヌリのスパークリングワインの基盤になります。国立ワイン庁の資料では2004年時点で955 haが栽培され、一部の生産者は「チネブリ」の名で呼びます。カヘティでも栽培されます。

ჩინური Chinuri
果皮色
黄緑色。熟すと赤みを帯びる(資料による)
主産地
カルトリ
ムトクヴァリ川流域。カヘティでも栽培
現存状態
商業栽培
955 ha(2004年)
成熟期
中晩生
収穫は10月初旬(資料による)
検証レベル
レベル2
VIVC・国立ワイン庁で確認

検証レベルの定義は方法論を参照。出典は出典一覧に記載。

01 — 名称

「優れた」の名か、「赤みの緑」か。

「チヌリ(ჩინური)」の語源は諸説あり、確定していません。国立ワイン庁の解説は、歴史家イヴァネ・ジャヴァヒシヴィリが古いジョージア語の「chini(赤みがかった緑)」に由来するとしたのに対し、近年の論者は「chinebuli(優れた、最良の)」に結び付けている、と両説を併記しています。一部の生産者は品種名として「チネブリ」を用います。

なお、VIVCに登録される「CHINEBULI(12295)」は1963年に交配された別の品種で、チヌリ(2576)とは異なります。表記の揺れはすべて本ページに統合しています。どの表記でも同一品種です。

「優れた」の名か、「赤みの緑」か
表記種類
チヌリ日本語(本サイト標準)
チネブリ日本語の別名(一部生産者の呼称。VIVC同義語 CINEBULI)
Chinuriラテン文字標準名(VIVC prime name)
ჩინურიジョージア語原綴り
Чинуриロシア語転写(ソ連時代の文献)
Kaspuri / Atenuri 等同義語(VIVC登録。地域名・村名に由来する呼称)
Chinouri / Tchinouri 等英語・フランス語綴りの揺れ

02 — 味わい

酸が骨格、香りはハーブ。

辛口白(近代的製法)の一般的傾向です。スパークリングでは酸がさらに前面に出、クヴェヴリで醸すとタンニンと麝香を思わせる香りが加わります。製法・産地・生産者により異なります。

典型的な風味

国立ワイン庁の解説では、還元的(嫌気的)に仕込んだ辛口白やスパークリングに、花とハーブ、ミント、洋梨などの黄色い果実の香りが挙げられています。アルコールは中程度で酸はしっかりしており、軽快な口当たりが一般的傾向です。クヴェヴリで醸すとタンニンが現れ、麝香を思わせる香りに干した洋梨や杏、ハーブの複雑さが重なるとされます。

合わせる料理

スパークリングと辛口白は、前菜、白身魚、鶏肉、ハーブを使った料理、フレッシュチーズと。和食では天ぷらや酢の物など、酸を活かす料理と合わせやすい傾向です。クヴェヴリのアンバーは胡桃を使ったジョージア料理や熟成チーズと。ペアリング詳細へ

03 — スタイルと産地

泡、辛口、甕。カルトリの白の3通り。

カルトリは乾燥した大陸性気候の中部産地で、20世紀を通じてスパークリングワインの原料供給地でした。酸を保ったまま熟すチヌリは、その伝統を支える品種です。

スパークリング(アテヌリ)

高い酸を活かした白の発泡性ワイン。伝統方式(瓶内二次発酵)とタンク方式の双方が認められる。ゴルリ・ムツヴァネ、ブデシュリ・テトリとのブレンドが典型。

この味の産地

PDO アテヌリ(アテニ)

ゴリ市南方のアテニ渓谷。ジョージアで唯一のスパークリング専門の呼称(2007年登録)。国立ワイン庁の品種解説ではアリゴテとのブレンドも挙げられる。

辛口白(近代的製法)

ステンレスタンクで果皮接触なし。淡い麦わら色、ハーブと洋梨の香り、しっかりした酸。ゴルリ・ムツヴァネとのブレンドも多い。

この味の産地

カルトリ

ムトクヴァリ(クラ)川流域。畑の多くはPDO区域外にあり、品種名表示の白として流通する。

栽培メモ: 中晩生(萌芽4月中旬、成熟10月初旬。資料による)。多収。うどんこ病など菌類病害とクロロシス(葉の黄化)への耐性が高く、耐寒性も在来品種の中では高いとされる。沖積土や礫質土、斜面と平地のいずれにも適応する(国立ワイン庁)。

04 — データ

DNA・アクセッション情報。

チヌリはVIVC(国際品種カタログ)に2576番で登録されています(prime name: CHINURI、原産国ジョージア、果皮色 白、用途 ワイン用・生食用)。VIVCは分子マーカーで確認した片親を「MSKHVILTVALA TETRI」とし、他方の親は不明としています。同義語は25件(ATENURI、KASPURI、CINEBULI ほか)、保有機関は24件で、SSRマーカーデータありと記載されています。

本サイトでは保存アクセッションの個別照合とDNAプロファイルの公表論文の確認が完了していないため、検証レベルは2としています。詳細な参照情報は出典一覧および品種マスターリスト(CSV / JSON)で公開しています。

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執筆ジョージアワインストア データベース編集部
レビュー編集部(品種データ担当が相互確認)
初回公開2026年9月5日
最終確認2026年9月5日
検証レベル2(VIVC・国立ワイン庁で確認。DNA・アクセッションは照合中)
主要出典VIVC、国立ワイン庁(品種解説・PDO)

検証レベルの定義は方法論、運営体制はこのサイトについてを参照。

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