スパークリング(アテヌリ)
高い酸を活かした白の発泡性ワイン。伝統方式(瓶内二次発酵)とタンク方式の双方が認められる。ゴルリ・ムツヴァネ、ブデシュリ・テトリとのブレンドが典型。
01 — 名称
「チヌリ(ჩინური)」の語源は諸説あり、確定していません。国立ワイン庁の解説は、歴史家イヴァネ・ジャヴァヒシヴィリが古いジョージア語の「chini(赤みがかった緑)」に由来するとしたのに対し、近年の論者は「chinebuli(優れた、最良の)」に結び付けている、と両説を併記しています。一部の生産者は品種名として「チネブリ」を用います。
なお、VIVCに登録される「CHINEBULI(12295)」は1963年に交配された別の品種で、チヌリ(2576)とは異なります。表記の揺れはすべて本ページに統合しています。どの表記でも同一品種です。
| 表記 | 種類 |
|---|---|
| チヌリ | 日本語(本サイト標準) |
| チネブリ | 日本語の別名(一部生産者の呼称。VIVC同義語 CINEBULI) |
| Chinuri | ラテン文字標準名(VIVC prime name) |
| ჩინური | ジョージア語原綴り |
| Чинури | ロシア語転写(ソ連時代の文献) |
| Kaspuri / Atenuri 等 | 同義語(VIVC登録。地域名・村名に由来する呼称) |
| Chinouri / Tchinouri 等 | 英語・フランス語綴りの揺れ |
02 — 味わい
辛口白(近代的製法)の一般的傾向です。スパークリングでは酸がさらに前面に出、クヴェヴリで醸すとタンニンと麝香を思わせる香りが加わります。製法・産地・生産者により異なります。
国立ワイン庁の解説では、還元的(嫌気的)に仕込んだ辛口白やスパークリングに、花とハーブ、ミント、洋梨などの黄色い果実の香りが挙げられています。アルコールは中程度で酸はしっかりしており、軽快な口当たりが一般的傾向です。クヴェヴリで醸すとタンニンが現れ、麝香を思わせる香りに干した洋梨や杏、ハーブの複雑さが重なるとされます。
スパークリングと辛口白は、前菜、白身魚、鶏肉、ハーブを使った料理、フレッシュチーズと。和食では天ぷらや酢の物など、酸を活かす料理と合わせやすい傾向です。クヴェヴリのアンバーは胡桃を使ったジョージア料理や熟成チーズと。ペアリング詳細へ
03 — スタイルと産地
カルトリは乾燥した大陸性気候の中部産地で、20世紀を通じてスパークリングワインの原料供給地でした。酸を保ったまま熟すチヌリは、その伝統を支える品種です。
高い酸を活かした白の発泡性ワイン。伝統方式(瓶内二次発酵)とタンク方式の双方が認められる。ゴルリ・ムツヴァネ、ブデシュリ・テトリとのブレンドが典型。
ステンレスタンクで果皮接触なし。淡い麦わら色、ハーブと洋梨の香り、しっかりした酸。ゴルリ・ムツヴァネとのブレンドも多い。
果皮・種とともにクヴェヴリで醸す。タンニンと麝香を思わせる香り、干した洋梨や杏。果皮接触の長さは生産者により異なる。
栽培メモ: 中晩生(萌芽4月中旬、成熟10月初旬。資料による)。多収。うどんこ病など菌類病害とクロロシス(葉の黄化)への耐性が高く、耐寒性も在来品種の中では高いとされる。沖積土や礫質土、斜面と平地のいずれにも適応する(国立ワイン庁)。
04 — データ
チヌリはVIVC(国際品種カタログ)に2576番で登録されています(prime name: CHINURI、原産国ジョージア、果皮色 白、用途 ワイン用・生食用)。VIVCは分子マーカーで確認した片親を「MSKHVILTVALA TETRI」とし、他方の親は不明としています。同義語は25件(ATENURI、KASPURI、CINEBULI ほか)、保有機関は24件で、SSRマーカーデータありと記載されています。
本サイトでは保存アクセッションの個別照合とDNAプロファイルの公表論文の確認が完了していないため、検証レベルは2としています。詳細な参照情報は出典一覧および品種マスターリスト(CSV / JSON)で公開しています。
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