イメレティ在来の白ワイン用品種で、ハラガウリ市バザレティ村にちなむ名。「バザレトゥリ・ツォリコウリ」「緑のツォリコウリ」とも呼ばれる。雌花。葉は大きく卵形で3〜5裂。房は中程度、円筒円錐形または円筒形でときに翼状(房の肩に小さな房がつく形)、密度は中〜疎。果粒は中程度、球形、黄緑色で、皮は厚く果粉(果皮表面の白い粉)が多い。樹の勢いは中程度で、実つきがよい。発芽から完熟まで168〜170日、9月下旬〜10月上旬に完熟。房重約118 g、収量11.7〜14.2 t/ha、完熟時の糖度20〜23%、酸7〜10 g/l。白のテーブルワインとスパークリングの両方に用いられる、と記述。
根拠の強さ C〜D — 品種誌(要約経由)白品種 ・ 少量・復興 ・ VIVC 1053 ・ 根拠の強さ B
バザレトゥリ
Bazaleturi ・ ბაზალეთური
バザレトゥリは、ジョージア西部イメレティ、ハラガウリ市のバザレティ村に由来する白ブドウ品種です。「バザレトゥリ・ツォリコウリ」「ムツヴァネ・ツォリコウリ」とも呼ばれますが、国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC は独立した品種として登録し、DNA分析で確かめた親子関係から、イメレティの主要品種ツィツカ、クラフナ、ドンドグラビの片親としています。雌花のみをつけ、国立ワイン庁もイメレティの品種として挙げています。ジョージア国内4機関とモルドバの1機関で保存され、2023年には東ジョージアでの適応を調べた論文が発表されています。
「—」は本データベースで一次資料を確認できていない項目です。根拠の強さ(A〜E)の定義は方法論を参照。
01 — 名称
バザレトゥリ、村の名を持つ白ブドウ。
「バザレトゥリ(ბაზალეთური)」は、イメレティ東部ハラガウリ市の村バザレティ(ბაზალეთი)に由来し、「バザレティの」を意味する名です(品種誌2018)。東ジョージアのドゥシェティ市にも同名の村と湖がありますが、品種誌が由来とするのはイメレティの村です。
VIVCが登録する11の別名には「バザレトゥリ・ツォリコウリ」「ムツヴァネ・ツォリコウリ」「ムツヴァネ・イメルリ」「バザレトゥリ・テトリ」が含まれます。ツォリコウリとは別の品種で、米国カリフォルニア大学デービス校(UC Davis)の品種情報は、両者の違いとして花のつくり(本品種は雌花、ツォリコウリは両性花)を挙げています。「ムツヴァネ(緑)」を含む名前はほかの品種にも使われるため、この名前だけでは本品種と特定できません。本サイトは「バザレトゥリ」を日本語表記の標準とします。
| 表記 | 種類 |
|---|---|
| バザレトゥリ | 日本語(本サイト標準) |
| Bazaleturi | ラテン文字の標準名(VIVCの正式名 BAZALETURI) |
| ბაზალეთური | ジョージア語原綴り(国立ワイン庁ジョージア語版の表記) |
| Bazaleturi Tsolikouri(ბაზალეთური ცოლიკოური) | VIVC・品種誌2018の別名。UC Davis FPS(米国)の登録名 |
| Mtsvane Tsolikouri / Mtsvane Tsolikauri(მწვანე ცოლიკოური) | VIVC・品種誌2018の別名(「緑のツォリコウリ」の意) |
| Mtsvane Imeruli | VIVCの別名(「ムツヴァネ」を含むほかの品種名と混同に注意) |
| Bazaleturi Tetri | VIVCの別名 |
| Bazaleturi Colikouri | Meladze ほか 2023 の表記 |
| Basaleturi / Bazaletouri | VIVCの別名(つづりの違い) |
| Tsolikouri | 別品種(VIVC 12710)— 区別して扱う |
02 — 資料に見る記述
バザレトゥリについて、資料はこう書いている。
資料ごとに記述を分けて示します。資料間で異なる点はそのまま残します。
ジョージアで栽培が推奨される品種を地域別に示し、気象など環境要因によるストレス(非生物的ストレス)の危険度と照らし合わせた表に、イメレティの白品種「Bazaleturi B」(B は白品種の記号)として収載。
根拠の強さ C — 査読論文東ジョージアのムツヘタ=ムティアネティ地方を対象に、あまり顧みられてこなかった4品種(Tabidziseuli、Daisi、Qvelouri、Bazaleturi Colikouri)について、発芽・開花・成熟の時期(フェノロジー)、生育期間、葉や房の形などの主な特徴を記載し、同地方の気候条件(1948〜2017年の有効積算温度=ブドウの生育に有効な気温を積み上げた値と、気温が2°C上がった場合の想定)との関係を論じた。
根拠の強さ C — 査読論文(要旨のみ確認)VIVCに白・ジョージア原産・ワイン用・雌花として登録。保存する研究機関はジョージアの4機関とモルドバの1機関。VIVCはツィツカ、クラフナ、ドンドグラビの3品種について、いずれも片親をバザレトゥリとし、DNA分析で確認済みとする。国立ワイン庁はイメレティで栽培される品種として「Bazaleturi / ბაზალეთური」を列挙(面積の記載なし)。米国カリフォルニア大学デービス校の Foundation Plant Services(FPS)は「Bazaleturi Tsolikouri」の名で品種情報を掲載し、上イメレティ由来で、両性花のツォリコウリと異なり雌花をつけると記す。
根拠の強さ B — 国際データベース・政府機関・研究機関03 — 確認状況
確認できていること、できていないこと。
04 — 保存とDNA
バザレトゥリ、三つの主要品種の親。
保存品種の「実在」は、研究機関の畑に生きた株があるかで判断します。VIVCによると、バザレトゥリはジョージアの4機関とモルドバの1機関で保存されており、米国カリフォルニア大学デービス校の FPS にも「Bazaleturi Tsolikouri」の名で品種情報があります。
VIVCには品種の識別に使うDNA型(SSRマーカー)のデータが登録され、ツィツカ、クラフナ、ドンドグラビの3品種は、いずれもバザレトゥリを片親とすることがDNA分析で確かめられています。イメレティの白品種の成り立ちを考える上で鍵になる品種です。
| 項目 | 状態 | 備考 |
|---|---|---|
| 保存株の有無 | あり | ジョージア4、モルドバ1の研究機関(VIVC) |
| DNA型(SSR) | あり | VIVCに登録 |
| 子品種 | 3品種 | ツィツカ・クラフナ・ドンドグラビ — VIVC、DNA分析で確認済み |
05 — 飲んでみる
ジョージアワインを、飲んでみる。
バザレトゥリのように、ジョージアには個性豊かな在来品種がたくさんあります。まずは定番のサペラヴィやルカツィテリから、気になる一本を。ジョージアワイン専門店なら、あなたの好きなジョージアワインがきっと見つかります。
このページの検証状態
| 執筆 | ジョージアワインストア データベース編集部 |
| レビュー | 編集部(品種データ担当が相互確認) |
| 初回公開 | 2026年9月6日 |
| 最終確認 | 2026年9月28日 |
| 根拠の強さ | B(公的資料。VIVC・国立ワイン庁で確認。DNA型(SSR)はVIVCの登録による) |
| 主要出典 | VIVC 1053・12693・6477・3643(2026)、国立ワイン庁 イメレティ頁(2024)、Ujmajuridze ほか 2018、Sargolzaei ほか 2021、Meladze ほか 2023、UC Davis FPS(2026年閲覧) |