カルトリ在来の白ワイン用品種。雌花のため人工受粉なしでは収量が極めて低く、非常に希少。葉は中〜大、心臓形で3〜5裂。房は中程度、円錐形でしばしば枝分かれし、密度は中〜疎。果粒は中程度、球形、麦わら色で、皮は薄く果粉(果皮表面の白い粉)は少ない。樹の勢いは中程度、発芽から完熟まで約163日で9月下旬に成熟。房重150〜170 g、収量7〜8 t/ha、完熟時の糖度18〜22%、酸7〜9 g/l。生食と辛口白の両用で、ヨーロッパ式(果皮を漬け込まない白ワインの製法)で醸すと琥珀がかった色でボディのあるワインになる、と記述。
根拠の強さ C〜D — 品種誌(要約経由)白品種 ・ 少量・復興 ・ VIVC 3779 ・ 根拠の強さ B
ジュヴァリ
Jvari ・ ჯვარი
ジュヴァリは、ジョージア中部カルトリの在来白ブドウ品種です。雌花のみをつけるため、受粉用の他品種が近くにないと実がつきにくく、2018年の品種誌は極めて希少な品種と記しています。国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC に登録され、国立ワイン庁の英語版はカルトリの希少品種として挙げています。2022年の報道によると、カルトリのシャトー・ムフラニがジガウラの研究センターと協力して復興候補に選び、試験植栽を始めました。ジョージア国内の3機関と国外の4機関で保存されています。
「—」は本データベースで一次資料を確認できていない項目です。根拠の強さ(A〜E)の定義は方法論を参照。
01 — 名称
ジュヴァリの意味は「十字架」。
「ジュヴァリ(ჯვარი)」はジョージア語で「十字架」を意味する語で、ムツヘタのジュヴァリ修道院をはじめ地名や建造物名としても広く使われます。2018年品種誌は、トビリシ北郊のグルダニやアヴチャラでは誤って「ツァンツカタ」と呼ばれることがあると記しています。
VIVCが登録する別名は Cvari、Djvari、Dzhvari で、いずれもつづりの違いです。VIVCには名前に「ジュヴァリ」を含む別の登録が2件(Vashlijvari、Vachlidjvari)あり、本ページとは区別して扱います。国立ワイン庁のカルトリ頁は、英語版では「Jvari」を希少品種に挙げていますが、ジョージア語版の同じ位置には「ჭყაპა(チカパ)」が載っています。本サイトは「ジュヴァリ」を日本語表記の標準とします。
| 表記 | 種類 |
|---|---|
| ジュヴァリ | 日本語(本サイト標準) |
| Jvari | ラテン文字の標準名(VIVCの正式名 JVARI) |
| ჯვარი | ジョージア語原綴り |
| Djvari / Dzhvari / Cvari | VIVCの別名(つづりの違い) |
| ツァンツカタ | 品種誌2018がグルダニ・アヴチャラでの誤称として言及 |
| Vashlijvari / Vachlidjvari | 名前に「ジュヴァリ」を含む別登録(VIVC 16469 / 15744)— 区別して扱う |
02 — 資料に見る記述
ジュヴァリについて、資料はこう書いている。
資料ごとに記述を分けて示します。資料間で異なる点はそのまま残します。
ジョージアで栽培が推奨される品種を地域別に示し、気象など環境要因によるストレス(非生物的ストレス)の危険度と照らし合わせた表に、南カルトリの白品種「Jvari B」(B は白品種の記号)として収載。
根拠の強さ C — 査読論文カルトリのシャトー・ムフラニがジガウラの農業科学研究センターと協力し、地域固有品種の復興候補として赤2品種(Bursa、Danakharuli)と白4品種(Tetri Budeshuri、Jvari、Tsivvazi、Chitiskvertskha)を選定、計約1 haに1品種1列ずつ試験植栽したと報道。「優れたワインになるか判るまで数年待つ必要がある」という同社CEOの発言を引用。
根拠の強さ E — メディアVIVCに白・ジョージア原産・ワイン用兼生食用・雌花として登録。保存する研究機関はジョージアの3機関と、アゼルバイジャン1、ロシア2、ウクライナ1の計7機関。国立ワイン庁は英語版カルトリ頁で希少品種として「Jvari, Andreuli, Aragvispiruli, Grdzelmtevana, Melikuda, Chrogha, Kharistvala, Rko, Dzelshavi」を列挙(面積の記載なし)。ジョージア語版の同じ一覧に「ჯვარი」は含まれない。
根拠の強さ B — 国際データベース・政府機関03 — 確認状況
確認できていること、できていないこと。
04 — 保存とDNA
ジュヴァリの苗木を守る、研究機関。
保存品種の「実在」は、研究機関の畑に生きた株があるかで判断します。VIVCによると、ジュヴァリはジョージアの3機関に加え、アゼルバイジャン、ロシア(2機関)、ウクライナの計7機関で保存されています。2022年の報道も、試験植栽の株がジガウラの研究センターから供給されたことを伝えています。
VIVCには、品種の識別に使うDNA型(SSRマーカー)のデータが登録されています。DNA型を比べれば、名前に「ジュヴァリ」を含む別登録の品種との違いも判定できます。
| 項目 | 状態 | 備考 |
|---|---|---|
| 保存株の有無 | あり | ジョージア3、アゼルバイジャン1、ロシア2、ウクライナ1の研究機関(VIVC) |
| DNA型(SSR) | あり | VIVCに登録 |
05 — 飲んでみる
ジョージアワインを、飲んでみる。
ジュヴァリのように、ジョージアには個性豊かな在来品種がたくさんあります。まずは定番のサペラヴィやルカツィテリから、気になる一本を。ジョージアワイン専門店なら、あなたの好きなジョージアワインがきっと見つかります。
このページの検証状態
| 執筆 | ジョージアワインストア データベース編集部 |
| レビュー | 編集部(品種データ担当が相互確認) |
| 初回公開 | 2026年9月6日 |
| 最終確認 | 2026年9月28日 |
| 根拠の強さ | B(公的資料。VIVC・国立ワイン庁で確認。DNA型(SSR)はVIVCの登録による) |
| 主要出典 | VIVC 3779(2026)、国立ワイン庁 カルトリ頁(2024)、Ujmajuridze ほか 2018、Sargolzaei ほか 2021、Decanter 2022 |