白品種 ・ 少量・復興 ・ VIVC 3779 ・ 根拠の強さ B

ジュヴァリ

Jvari ・ ჯვარი

ジュヴァリは、ジョージア中部カルトリの在来白ブドウ品種です。雌花のみをつけるため、受粉用の他品種が近くにないと実がつきにくく、2018年の品種誌は極めて希少な品種と記しています。国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC に登録され、国立ワイン庁の英語版はカルトリの希少品種として挙げています。2022年の報道によると、カルトリのシャトー・ムフラニがジガウラの研究センターと協力して復興候補に選び、試験植栽を始めました。ジョージア国内の3機関と国外の4機関で保存されています。

白 カルトリ 少量・復興 VIVC 登録済み ワイン・生食
果皮色
白
VIVCの色区分も白
用途
ワイン・生食
VIVCの用途区分。品種誌2018も両用と記述
主地域
カルトリ
2021年論文は「南カルトリ」に分類
現存状態
少量・復興
ジョージア3、国外4の研究機関で保存
VIVC番号
3779
VIVCでの正式名 JVARI(2026年9月5日確認)
花の性
雌花のみ
受粉には他品種の花粉が必要。VIVC・品種誌2018で一致
DNAプロファイル
DNA型データあり
VIVCにSSRマーカー(品種の識別に使うDNA型)を登録
根拠の強さ
B
公的資料。VIVC・国立ワイン庁で確認

「—」は本データベースで一次資料を確認できていない項目です。根拠の強さ(A〜E)の定義は方法論を参照。

01 — 名称

ジュヴァリの意味は「十字架」。

「ジュヴァリ(ჯვარი)」はジョージア語で「十字架」を意味する語で、ムツヘタのジュヴァリ修道院をはじめ地名や建造物名としても広く使われます。2018年品種誌は、トビリシ北郊のグルダニやアヴチャラでは誤って「ツァンツカタ」と呼ばれることがあると記しています。

VIVCが登録する別名は Cvari、Djvari、Dzhvari で、いずれもつづりの違いです。VIVCには名前に「ジュヴァリ」を含む別の登録が2件(Vashlijvari、Vachlidjvari)あり、本ページとは区別して扱います。国立ワイン庁のカルトリ頁は、英語版では「Jvari」を希少品種に挙げていますが、ジョージア語版の同じ位置には「ჭყაპა(チカパ)」が載っています。本サイトは「ジュヴァリ」を日本語表記の標準とします。

ジュヴァリの表記
表記種類
ジュヴァリ日本語(本サイト標準)
Jvariラテン文字の標準名(VIVCの正式名 JVARI)
ჯვარიジョージア語原綴り
Djvari / Dzhvari / CvariVIVCの別名(つづりの違い)
ツァンツカタ品種誌2018がグルダニ・アヴチャラでの誤称として言及
Vashlijvari / Vachlidjvari名前に「ジュヴァリ」を含む別登録(VIVC 16469 / 15744)— 区別して扱う

02 — 資料に見る記述

ジュヴァリについて、資料はこう書いている。

資料ごとに記述を分けて示します。資料間で異なる点はそのまま残します。

2018
Ujmajuridze・Kakabadze・Mamasakhlisashvili『ジョージアのブドウ品種』p.538(ジョージア語版Wikipedia「ჯვარი (ვაზის ჯიში)」による同書の要約)

カルトリ在来の白ワイン用品種。雌花のため人工受粉なしでは収量が極めて低く、非常に希少。葉は中〜大、心臓形で3〜5裂。房は中程度、円錐形でしばしば枝分かれし、密度は中〜疎。果粒は中程度、球形、麦わら色で、皮は薄く果粉(果皮表面の白い粉)は少ない。樹の勢いは中程度、発芽から完熟まで約163日で9月下旬に成熟。房重150〜170 g、収量7〜8 t/ha、完熟時の糖度18〜22%、酸7〜9 g/l。生食と辛口白の両用で、ヨーロッパ式(果皮を漬け込まない白ワインの製法)で醸すと琥珀がかった色でボディのあるワインになる、と記述。

根拠の強さ C〜D — 品種誌(要約経由)
2021
Sargolzaei ほか「Georgian Grapevine Cultivars: Ancient Biodiversity for Future Viticulture」Frontiers in Plant Science 12: 630122

ジョージアで栽培が推奨される品種を地域別に示し、気象など環境要因によるストレス(非生物的ストレス)の危険度と照らし合わせた表に、南カルトリの白品種「Jvari B」(B は白品種の記号)として収載。

根拠の強さ C — 査読論文
2022
Decanter「Georgia's indigenous grapes: reviving hidden treasures」(Jacopo Mazzeo、2022年10月7日)

カルトリのシャトー・ムフラニがジガウラの農業科学研究センターと協力し、地域固有品種の復興候補として赤2品種(Bursa、Danakharuli)と白4品種(Tetri Budeshuri、Jvari、Tsivvazi、Chitiskvertskha)を選定、計約1 haに1品種1列ずつ試験植栽したと報道。「優れたワインになるか判るまで数年待つ必要がある」という同社CEOの発言を引用。

根拠の強さ E — メディア
2026
VIVC 3779 / 国立ワイン庁(カルトリ頁)

VIVCに白・ジョージア原産・ワイン用兼生食用・雌花として登録。保存する研究機関はジョージアの3機関と、アゼルバイジャン1、ロシア2、ウクライナ1の計7機関。国立ワイン庁は英語版カルトリ頁で希少品種として「Jvari, Andreuli, Aragvispiruli, Grdzelmtevana, Melikuda, Chrogha, Kharistvala, Rko, Dzelshavi」を列挙(面積の記載なし)。ジョージア語版の同じ一覧に「ჯვარი」は含まれない。

根拠の強さ B — 国際データベース・政府機関

03 — 確認状況

確認できていること、できていないこと。

確認済み正規名・ジョージア語原綴り・ラテン文字標準名・VIVC登録番号(3779)
確認済み原産・主地域(カルトリ)と果皮色(白)— VIVC・国立ワイン庁英語版・2018年品種誌・2021年論文で一致
確認済み雌花のみをつける性質 — VIVC・2018年品種誌で一致
確認済みジョージア国内3機関と国外4機関での保存(VIVC記載の保存機関)
確認済みDNA型(SSR)データのVIVC登録
未確認1960年『ジョージアのアンペログラフィー』の記述(原本未確認)
未確認栽培面積の公的統計(国立ワイン庁の一覧に面積の記載なし)
未確認国立ワイン庁ジョージア語版の一覧に「ჯვარი」がない理由(英語版のみに記載)
未確認シャトー・ムフラニの試験植栽のその後(2022年の報道以降、一次情報なし)
未確認親子関係(VIVCに記載なし)と、保存機関での株の登録番号
未確認ワインの味わいに関する現行の官能記述 — 品種誌の記載以外になく、本ページに味わいの評価は載せていません

04 — 保存とDNA

ジュヴァリの苗木を守る、研究機関。

保存品種の「実在」は、研究機関の畑に生きた株があるかで判断します。VIVCによると、ジュヴァリはジョージアの3機関に加え、アゼルバイジャン、ロシア(2機関)、ウクライナの計7機関で保存されています。2022年の報道も、試験植栽の株がジガウラの研究センターから供給されたことを伝えています。

VIVCには、品種の識別に使うDNA型(SSRマーカー)のデータが登録されています。DNA型を比べれば、名前に「ジュヴァリ」を含む別登録の品種との違いも判定できます。

保存株とDNA
項目状態備考
保存株の有無ありジョージア3、アゼルバイジャン1、ロシア2、ウクライナ1の研究機関(VIVC)
DNA型(SSR)ありVIVCに登録

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執筆ジョージアワインストア データベース編集部
レビュー編集部(品種データ担当が相互確認)
初回公開2026年9月6日
最終確認2026年9月28日
根拠の強さB(公的資料。VIVC・国立ワイン庁で確認。DNA型(SSR)はVIVCの登録による)
主要出典VIVC 3779(2026)、国立ワイン庁 カルトリ頁(2024)、Ujmajuridze ほか 2018、Sargolzaei ほか 2021、Decanter 2022

根拠の強さ(A〜E)の定義は方法論、運営体制はこのサイトについてを参照。

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