黒品種 ・ 少量・復興 ・ VIVC 5491 ・ 根拠の強さ B

イカルトス・ツィテリ

Ikaltos Tsiteli ・ იყალთოს წითელი

イカルトス・ツィテリは、ジョージア東部カヘティの在来黒ブドウ品種です。名はテラヴィ近郊の村イカルトに由来し、「イカルトの赤」を意味します。国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC に登録され、国立ワイン庁もカヘティの品種として「Ikalto Red」を挙げています。2018年の品種誌は辛口赤のブレンド用に適する中程度の品質と記し、ジョージア国内3機関とウクライナの1機関で保存されています。

黒 カヘティ 少量・復興 VIVC 登録済み ワイン用
果皮色
黒
VIVCの色区分も黒
用途
ワイン用
VIVCの用途区分
主地域
カヘティ
イカルト(テラヴィ近郊)の名を持つ
現存状態
少量・復興
ジョージア3、ウクライナ1の研究機関で保存
VIVC番号
5491
VIVCでの正式名 IKALTOS TSITELI(2026年9月5日確認)
花の性
両性花
1つの花に雄しべと雌しべがそろう。VIVC・品種誌2018で一致
DNAプロファイル
DNA型データあり
VIVCにSSRマーカー(品種の識別に使うDNA型)を登録
根拠の強さ
B
公的資料。VIVC・国立ワイン庁で確認

「—」は本データベースで一次資料を確認できていない項目です。根拠の強さ(A〜E)の定義は方法論を参照。

01 — 名称

イカルトス・ツィテリの意味は「イカルトの赤」。

「イカルトス・ツィテリ(იყალთოს წითელი)」は、カヘティのテラヴィ近郊にある村イカルト(იყალთო)の属格「イカルトス」にツィテリ(赤)を付けた名で、「イカルトの赤」を意味します。イカルトは中世のアカデミーを擁した修道院で知られる村です。VIVCは別名として「シャヴィ・クルゼニ(黒いブドウ)」「チティストヴァラ・シャヴィ」を記しています。

国立ワイン庁の英語版は「Ikalto Red」と英訳して表記します。本サイトは「イカルトス・ツィテリ」を日本語表記の標準とします。別名の「シャヴィ・クルゼニ」は「黒いブドウ」を意味する一般的な呼び方のため、この名前だけでは本品種と特定できません。

イカルトス・ツィテリの表記
表記種類
イカルトス・ツィテリ日本語(本サイト標準)
Ikaltos Tsiteliラテン文字の標準名(VIVCの正式名 IKALTOS TSITELI)
იყალთოს წითელიジョージア語原綴り(国立ワイン庁ジョージア語版の表記)
Ikalto Red国立ワイン庁英語版の表記(英訳)
Shavi Kurdzeni(შავი ყურძენი)VIVCの別名(「黒いブドウ」の意。この名だけでは品種を特定できない)
Chitistvala ShaviVIVCの別名
Chavi Kourdzeni / Tchitistvala ChaviVIVCの別名(フランス語式のつづり)

02 — 資料に見る記述

イカルトス・ツィテリについて、資料はこう書いている。

資料ごとに記述を分けて示します。資料間で異なる点はそのまま残します。

2018
Ujmajuridze・Kakabadze・Mamasakhlisashvili『ジョージアのブドウ品種』p.166(ジョージア語版Wikipedia「იყალთოს წითელი」による同書の要約)

カヘティ在来の赤ワイン用品種。葉は大きく円形〜心臓形で3〜5裂、裏面は毛が密。両性花。房は小〜中程度、円錐形で翼状(房の肩に小さな房がつく形)、密度は中程度。果粒は中程度、球形、濃青色で果粉(果皮表面の白い粉)が多く、皮は薄い。房重150〜200 g、収量8〜10 t/ha、完熟時の糖度18.4〜21.3%、酸5.7〜7.7 g/l。辛口赤のテーブルワイン用で品質は中程度で、ブレンド用(サカパジェ)としての利用が推奨される、と記述。

根拠の強さ C〜D — 品種誌(要約経由)
2019
Mamasakhlisashvili・Ujmajuridze「Study of less widespread and rare Georgian wine grape varieties」BIO Web of Conferences 15: 01009

ジガウラの国立コレクションに植栽された希少品種を対象とする報告で、対象の一つとして「Ikalto Tsiteli」を取り上げ、果実の総ポリフェノール量(色や渋みに関わる成分の総量)として 2,707.1 mg/kg の値を示す。

根拠の強さ C — 学会誌(抜粋のみ確認)
2021
Sargolzaei ほか「Georgian Grapevine Cultivars: Ancient Biodiversity for Future Viticulture」Frontiers in Plant Science 12: 630122

ジョージアで栽培が推奨される品種を地域別に示し、気象など環境要因によるストレス(非生物的ストレス)の危険度と照らし合わせた表に、カヘティの黒品種「Ikaltos Tsiteli N」(N は黒品種の記号)として収載。

根拠の強さ C — 査読論文
2026
VIVC 5491 / 国立ワイン庁(カヘティ頁)

VIVCに黒・ジョージア原産・ワイン用・両性花として登録。保存する研究機関はジョージアの3機関とウクライナの1機関。国立ワイン庁はカヘティで栽培される品種として、英語版で「Ikalto Red」、ジョージア語版で「იყალთოს წითელი」を列挙(面積の記載なし)。

根拠の強さ B — 国際データベース・政府機関

03 — 確認状況

確認できていること、できていないこと。

確認済み正規名・ジョージア語原綴り・ラテン文字標準名・VIVC登録番号(5491)
確認済み原産・主地域(カヘティ)と果皮色(黒)— VIVC・国立ワイン庁・2018年品種誌で一致
確認済み両性花 — VIVC・2018年品種誌で一致
確認済みジョージア国内3機関とウクライナ1機関での保存(VIVC記載の保存機関)
確認済みDNA型(SSR)データのVIVC登録
未確認1960年『ジョージアのアンペログラフィー』の記述(原本未確認)
未確認栽培面積の公的統計(国立ワイン庁の一覧に面積の記載なし)
未確認現在の醸造例 — 海外の自然派ワイン小売にルカツィテリとのブレンド(2019・2020年)の掲載があるが、生産者の一次情報は未確認
未確認親子関係(VIVCに記載なし)
未確認2019年報告の本文(分析条件・他の測定値)と、保存機関での株の登録番号
未確認ワインの味わいに関する現行の官能記述 — 品種誌の記載以外になく、本ページに味わいの評価は載せていません

04 — 保存とDNA

イカルトス・ツィテリの苗木を守る、研究機関。

保存品種の「実在」は、研究機関の畑に生きた株があるかで判断します。VIVCによると、イカルトス・ツィテリはジョージアの3機関とウクライナの1機関で保存されています。2019年の研究報告も、ジガウラの国立コレクションで育つ株を扱っています。

VIVCには、品種の識別に使うDNA型(SSRマーカー)のデータが登録されています。DNA型を比べれば、別名「シャヴィ・クルゼニ」「チティストヴァラ・シャヴィ」の名で保存された株が同じ品種かどうかも判定できます。

保存株とDNA
項目状態備考
保存株の有無ありジョージア3、ウクライナ1の研究機関(VIVC)
DNA型(SSR)ありVIVCに登録

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執筆ジョージアワインストア データベース編集部
レビュー編集部(品種データ担当が相互確認)
初回公開2026年9月6日
最終確認2026年9月28日
根拠の強さB(公的資料。VIVC・国立ワイン庁で確認。DNA型(SSR)はVIVCの登録による)
主要出典VIVC 5491(2026)、国立ワイン庁 カヘティ頁(2024)、Ujmajuridze ほか 2018、Mamasakhlisashvili・Ujmajuridze 2019、Sargolzaei ほか 2021

根拠の強さ(A〜E)の定義は方法論、運営体制はこのサイトについてを参照。

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イカルトス・ツィテリを栽培・醸造しているカヘティの生産者、保存株を管理する機関、1960年刊行の品種誌など関連文献をご存じの研究者の方からの情報を求めています。確認できた情報は出典を明記して本ページに反映します。