カヘティ在来の赤ワイン用品種。葉は大きく円形〜心臓形で3〜5裂、裏面は毛が密。両性花。房は小〜中程度、円錐形で翼状(房の肩に小さな房がつく形)、密度は中程度。果粒は中程度、球形、濃青色で果粉(果皮表面の白い粉)が多く、皮は薄い。房重150〜200 g、収量8〜10 t/ha、完熟時の糖度18.4〜21.3%、酸5.7〜7.7 g/l。辛口赤のテーブルワイン用で品質は中程度で、ブレンド用(サカパジェ)としての利用が推奨される、と記述。
根拠の強さ C〜D — 品種誌(要約経由)黒品種 ・ 少量・復興 ・ VIVC 5491 ・ 根拠の強さ B
イカルトス・ツィテリ
Ikaltos Tsiteli ・ იყალთოს წითელი
イカルトス・ツィテリは、ジョージア東部カヘティの在来黒ブドウ品種です。名はテラヴィ近郊の村イカルトに由来し、「イカルトの赤」を意味します。国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC に登録され、国立ワイン庁もカヘティの品種として「Ikalto Red」を挙げています。2018年の品種誌は辛口赤のブレンド用に適する中程度の品質と記し、ジョージア国内3機関とウクライナの1機関で保存されています。
「—」は本データベースで一次資料を確認できていない項目です。根拠の強さ(A〜E)の定義は方法論を参照。
01 — 名称
イカルトス・ツィテリの意味は「イカルトの赤」。
「イカルトス・ツィテリ(იყალთოს წითელი)」は、カヘティのテラヴィ近郊にある村イカルト(იყალთო)の属格「イカルトス」にツィテリ(赤)を付けた名で、「イカルトの赤」を意味します。イカルトは中世のアカデミーを擁した修道院で知られる村です。VIVCは別名として「シャヴィ・クルゼニ(黒いブドウ)」「チティストヴァラ・シャヴィ」を記しています。
国立ワイン庁の英語版は「Ikalto Red」と英訳して表記します。本サイトは「イカルトス・ツィテリ」を日本語表記の標準とします。別名の「シャヴィ・クルゼニ」は「黒いブドウ」を意味する一般的な呼び方のため、この名前だけでは本品種と特定できません。
| 表記 | 種類 |
|---|---|
| イカルトス・ツィテリ | 日本語(本サイト標準) |
| Ikaltos Tsiteli | ラテン文字の標準名(VIVCの正式名 IKALTOS TSITELI) |
| იყალთოს წითელი | ジョージア語原綴り(国立ワイン庁ジョージア語版の表記) |
| Ikalto Red | 国立ワイン庁英語版の表記(英訳) |
| Shavi Kurdzeni(შავი ყურძენი) | VIVCの別名(「黒いブドウ」の意。この名だけでは品種を特定できない) |
| Chitistvala Shavi | VIVCの別名 |
| Chavi Kourdzeni / Tchitistvala Chavi | VIVCの別名(フランス語式のつづり) |
02 — 資料に見る記述
イカルトス・ツィテリについて、資料はこう書いている。
資料ごとに記述を分けて示します。資料間で異なる点はそのまま残します。
ジガウラの国立コレクションに植栽された希少品種を対象とする報告で、対象の一つとして「Ikalto Tsiteli」を取り上げ、果実の総ポリフェノール量(色や渋みに関わる成分の総量)として 2,707.1 mg/kg の値を示す。
根拠の強さ C — 学会誌(抜粋のみ確認)ジョージアで栽培が推奨される品種を地域別に示し、気象など環境要因によるストレス(非生物的ストレス)の危険度と照らし合わせた表に、カヘティの黒品種「Ikaltos Tsiteli N」(N は黒品種の記号)として収載。
根拠の強さ C — 査読論文VIVCに黒・ジョージア原産・ワイン用・両性花として登録。保存する研究機関はジョージアの3機関とウクライナの1機関。国立ワイン庁はカヘティで栽培される品種として、英語版で「Ikalto Red」、ジョージア語版で「იყალთოს წითელი」を列挙(面積の記載なし)。
根拠の強さ B — 国際データベース・政府機関03 — 確認状況
確認できていること、できていないこと。
04 — 保存とDNA
イカルトス・ツィテリの苗木を守る、研究機関。
保存品種の「実在」は、研究機関の畑に生きた株があるかで判断します。VIVCによると、イカルトス・ツィテリはジョージアの3機関とウクライナの1機関で保存されています。2019年の研究報告も、ジガウラの国立コレクションで育つ株を扱っています。
VIVCには、品種の識別に使うDNA型(SSRマーカー)のデータが登録されています。DNA型を比べれば、別名「シャヴィ・クルゼニ」「チティストヴァラ・シャヴィ」の名で保存された株が同じ品種かどうかも判定できます。
| 項目 | 状態 | 備考 |
|---|---|---|
| 保存株の有無 | あり | ジョージア3、ウクライナ1の研究機関(VIVC) |
| DNA型(SSR) | あり | VIVCに登録 |
05 — 飲んでみる
ジョージアワインを、飲んでみる。
イカルトス・ツィテリのように、ジョージアには個性豊かな在来品種がたくさんあります。まずは定番のサペラヴィやルカツィテリから、気になる一本を。ジョージアワイン専門店なら、あなたの好きなジョージアワインがきっと見つかります。
このページの検証状態
| 執筆 | ジョージアワインストア データベース編集部 |
| レビュー | 編集部(品種データ担当が相互確認) |
| 初回公開 | 2026年9月6日 |
| 最終確認 | 2026年9月28日 |
| 根拠の強さ | B(公的資料。VIVC・国立ワイン庁で確認。DNA型(SSR)はVIVCの登録による) |
| 主要出典 | VIVC 5491(2026)、国立ワイン庁 カヘティ頁(2024)、Ujmajuridze ほか 2018、Mamasakhlisashvili・Ujmajuridze 2019、Sargolzaei ほか 2021 |