ジョージアのワイン用・生食用品種の生物学的・醸造技術的特性を扱う報告で、対象品種の一つとして「Tsiteli Budeshuri」を含む。
根拠の強さ C — 学会誌(抜粋のみ確認)淡赤品種 ・ 少量・復興 ・ VIVC 1792 ・ 根拠の強さ B
ブデシュリ・ツィテリ
Budeshuri Tsiteli ・ ბუდეშური წითელი
ブデシュリ・ツィテリは、ジョージア東部カヘティの在来品種です。国際的なブドウ品種の登録簿 VIVC は果皮色を「赤」、用途をワイン用・生食用として登録し、2018年の品種誌は完熟すると黒に近づく濃いピンクの果粒をもつ生食向きの品種と記しています。国立ワイン庁もカヘティの品種として挙げ、EUの共通品種目録(加盟国が認めたブドウ品種の一覧)にも登録されています。カルトリの白品種ブデシュリ・テトリとは別品種で、サペラヴィの変異「サペラヴィ・ブデシュリセブリ」とも異なります。ジョージアを含む7か国の10の研究機関で保存されています。
「—」は本データベースで一次資料を確認できていない項目です。根拠の強さ(A〜E)の定義は方法論を参照。
01 — 名称
ブデシュリ・ツィテリの意味は「赤いブデシュリ」。
「ブデシュリ・ツィテリ(ბუდეშური წითელი)」は「赤いブデシュリ」の意です。VIVCには「ブデシュリ」の名を含む品種がほかにもあり、白のブデシュリ・テトリや黒のブデシュリ・チェルヌイが別の品種として登録されています。そのため、国立ワイン庁の英語版のように「Budeshuri」とだけ書かれた場合は、どの品種か特定できません。
VIVCが登録する15の別名には「ブデシュリ・シャヴィ(黒いブデシュリ)」「ツィテリ・ブデシュリ」「タマレウリ」のほか「ブデシュリ・サペラヴィ」が含まれます。一方、サペラヴィの変異「サペラヴィ・ブデシュリセブリ(長粒のサペラヴィ)」は別の品種で、名前が似ているため混同に注意が必要です。本サイトは「ブデシュリ・ツィテリ」を日本語表記の標準とします。
| 表記 | 種類 |
|---|---|
| ブデシュリ・ツィテリ | 日本語(本サイト標準) |
| Budeshuri Tsiteli | ラテン文字の標準名(VIVCの正式名 BUDESHURI TSITELI) |
| ბუდეშური წითელი | ジョージア語原綴り(国立ワイン庁ジョージア語版の表記) |
| Tsiteli Budeshuri(წითელი ბუდეშური) | VIVCの別名(語順違い) |
| Budeshuri Shavi / Shavi Budeshuri | VIVCの別名(「黒いブデシュリ」の意) |
| Budeshuri Saperavi | VIVCの別名 — サペラヴィの変異「サペラヴィ・ブデシュリセブリ」とは別 |
| Tamareuli / Tangareuli | VIVCの別名 |
| Budeshuri | 国立ワイン庁英語版の表記(単独では品種を特定できない) |
| Budeshuri Tetri / Budeshuri Chernyi | 同名を含む別品種(VIVC 1791 / 5204)— 区別して扱う |
02 — 資料に見る記述
ブデシュリ・ツィテリについて、資料はこう書いている。
資料ごとに記述を分けて示します。資料間で異なる点はそのまま残します。
カヘティ在来のピンク果粒の生食用品種で、ブデシュリ・テトリとは異なる。古くから人気が高かった。両性花。房は中程度、円錐形で枝分かれし、果粒は中〜大、楕円形でときに長楕円形、濃いピンクで完熟すると黒に近づく。皮は薄く果粉(果皮表面の白い粉)がある。樹の勢いは中〜強、発芽から完熟まで127〜159日、房重120〜250 g、収量6.3〜12 t/ha、完熟時の糖度16〜18.8%、酸4〜6.8 g/l。繊細で品質の高い生食用ブドウと記述。
根拠の強さ C〜D — 品種誌(要約経由)ジョージアで栽培が推奨される品種を地域別に示し、気象など環境要因によるストレス(非生物的ストレス)の危険度と照らし合わせた表に、カヘティの黒系品種「Budeshuri Tsiteli N」(N は黒系品種の記号)として収載。
根拠の強さ C — 査読論文VIVCに赤・ジョージア原産・ワイン用兼生食用・両性花として登録。系譜は「ブデシュリ・チェルヌイ(5204)の変異」と記載。EUの共通品種目録に登録あり。保存する研究機関はジョージア(4機関)、ブルガリア、モルドバ、ルーマニア、ロシア、スロバキア、ウクライナの計10機関。国立ワイン庁はカヘティで栽培される品種として、ジョージア語版で「ბუდეშური წითელი」、英語版で「Budeshuri」を列挙(面積の記載なし)。
根拠の強さ B — 国際データベース・政府機関注記: VIVCの果皮色「赤」と品種誌の「濃いピンクで、完熟すると黒に近づく」は、同じ品種の記述として矛盾しません。本サイトの色区分では「淡赤」としています。
03 — 確認状況
確認できていること、できていないこと。
04 — 保存とDNA
ブデシュリ・ツィテリの苗木を守る、研究機関。
保存品種の「実在」は、研究機関の畑に生きた株があるかで判断します。VIVCによると、ブデシュリ・ツィテリはジョージアの4機関に加え、ブルガリア、モルドバ、ルーマニア、ロシア、スロバキア、ウクライナの計10機関で保存されており、本サイトが扱う保存品種の中では保存先が多い部類です。
VIVCには、品種の識別に使うDNA型(SSRマーカー)のデータが登録されています。VIVCは本品種を黒品種ブデシュリ・チェルヌイの変異として記載しており、両者のDNA型を比べれば、この関係を確かめられます。
| 項目 | 状態 | 備考 |
|---|---|---|
| 保存株の有無 | あり | ジョージアの4機関とほか6か国の計10研究機関(VIVC) |
| DNA型(SSR) | あり | VIVCに登録 |
| 系譜 | 変異として記載 | ブデシュリ・チェルヌイ(5204)の変異(VIVC) |
05 — 飲んでみる
ジョージアワインを、飲んでみる。
ブデシュリ・ツィテリのように、ジョージアには個性豊かな在来品種がたくさんあります。まずは定番のサペラヴィやルカツィテリから、気になる一本を。ジョージアワイン専門店なら、あなたの好きなジョージアワインがきっと見つかります。
このページの検証状態
| 執筆 | ジョージアワインストア データベース編集部 |
| レビュー | 編集部(品種データ担当が相互確認) |
| 初回公開 | 2026年9月6日 |
| 最終確認 | 2026年9月28日 |
| 根拠の強さ | B(公的資料。VIVC・国立ワイン庁で確認。DNA型(SSR)はVIVCの登録による) |
| 主要出典 | VIVC 1792・5204(2026)、国立ワイン庁 カヘティ頁(2024)、Ujmajuridze ほか 2018、Ujmajuridze・Mamasakhlisashvili 2015、Sargolzaei ほか 2021 |